守護霊になった葵ちゃんと一緒に悪霊退治を始めることになった

メロンジャム

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葵ちゃんと降り出した雨

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 銃を撃った怜は少女が銃弾を左手で摘んでおり、驚いて開いた口が塞がらなかった。右手の拳銃はしっかり、柚奈の頭部に向けてあった。目線は怜の撃った銃弾に向けていた。

「こちらは珍しい銃弾をお使いになられるのですね。アメリカ独立戦争から南北戦争で使用されたバック・アンド・ボール弾。それを命中率は霊力で補い、私の左足を狙ったと言うことでしょうか?」
「キャハハ、うける。さすが! やばいっしょ? 刀の子は殺さないで、またあの輝きを写メで撮っておきたいから」
「では、あの男の人は?」
「あぁやってもいいよ~」
「かしこまりました。では……すぐに楽になれるように頭部への射殺を希望します」
(まずい、来る!?)

 怜はマスケット銃をグローブへ武器化させ、叫んだ。

「『戦闘開始・勝負世界』!」

 怜の姿はオブリド戦のような姿になり、怜目線からはあたりがRPGの様な世界観になり、敵の二人と柚奈の体力ゲージが表示された。しかし、一瞬で少女は怜の目の前で拳銃を構え、発砲した。

(な!? 何も躊躇わず発砲した!? だと。こいつらは人を平気で殺めることができるやつだ。柚奈ちゃんが言ってた応援はまだか? 俺一人でこいつらを相手に……待てよ、バイクのやつはスマホを触っているだけ、俺の相手はこいつ。ダメだ、とりあえず勝つだなんて考えず、生きることを考えよう)

 怜は咄嗟の反射神経で少女の銃を避けることができた。

「『コマンド・拳チャージ』」
「チャージ? 面白い能力です。私は彼を連れて行きたいと希望します」
「別にいいけど、怒られても知らないよ」

 少女が会話をしている隙に怜は、右の拳に力をチャージし、力を溜めた状態で少女の顔面を狙った。
 しかし、怜の放ったパンチは少女の左手で容易く受け止められてしまった。

「今のパンチはおよそ八百キロと言ったところでしょうか。これは人を超えた力でしょうが、私には程遠く及びません。では、私が気絶レベルで殴ってみせましょう」
(まずい、次はやつのパンチが!?)

 するとその時、大粒の雨が降り出した。雨が降り出したと同時に女性の顔色が変わった。

「おい、トール! 早く逃げるぞ! 私はもう、行くよ!」
「ですが、彼が……」

 バイクの女性は雨が降り出した瞬間、バイクに乗り、その場から逃げる様に走り去った。しかし、少女は怜を連れて行きたい一心から離れることはなく、拳を振りかざした。その瞬間、怜の目の前で黒い傘が開いた。

「『翠雨』」

 怜の周りの雨粒が一気に爆破した。怜は傘のお陰でその爆破を食らわずに済んだ。そう、この傘の主は時雨だ。

「し、時雨さん!?」
「大丈夫なの? 今から片付けるから待っててなの」

 時雨は傘をさし、少女を確認した。少女はさっきの爆発を避け、立っていた。

「あなたはアンダーワールド組織を一人で潰して回っている雨京時雨ですね」
「話している時間が勿体無いなの『氷雨ひさめ』『走梅雨はしりつゆ』」

 大粒の雨が氷の刃になり、少女だけを狙って降ってきた。それに加え、水状の雨がスーパーボールの様になり、少女を追いかけた。少女は電光石火の様に電気をピリつかせながらか避けようとした。しかし、さすがの少女も雨の多さに氷の刃で切り傷をおったり、水状のボールが体にくっついた。

「そろそろなの。『雪時雨ゆきしぐれ』」

 時雨が傘を畳みながら話すと少女に付着していた雨が全て一瞬にして氷となった。
 少女の首から下が氷に覆われ、身動きが取れなくなった。

「こ、これは体全体が凍っていてかつ氷の中に水がある為、この状態でも私を殺せると言うことでしょうか」
「大正解なの。お話はあとで尋問室で聞くから楽しみなの」

 怜は一瞬にしてあの少女を戦闘不能にした時雨はやっぱりすごいと改めて思うのであった。

(やっぱりこの人すげぇ、俺や柚奈ちゃんと圧倒していたあの少女をこんなにもあっさり)
「さて、迎えを呼ぶなの」

 時雨はスマホを取り出し、通話を始めた。その間、氷漬けにされた少女は何かをぼそぼそと話していた。

「この氷の硬度マイナス七十くらいでしょう。例えるなら鋼と同じくらいと推定します。この氷の厚さを一瞬で溶かす方法。電気パルスを用いた急激な熱量を加えるとともに、電流を自身の両腕と足の裏に流し込み、ツボを押したのち、筋肉の一瞬的な力で脱出可能」

 時雨が本部に通話していたその時、少女が一瞬にして、両腕で氷を破壊し、抜け出した。

「脱出完了」
「どうゆうことなの!? 逃さないなの『翠雨』」

 少女の周りの雨粒を一気に爆破させたが、少女は一瞬にしてその場を離れた。

「取り逃がしたなの」
「時雨さん、ありがとうございます」
「私からもありがとうございます。さっきの人たちは一体、何でしょうか?」

 雨の中、怜と柚奈は感謝するが、時雨は少女が抜け出した氷を見つめていた。

「時雨さん?」
「あぁ、何なの? 話はまた、本部でするなの」

 時雨はそう話すと傘をさし、巨大な雨粒を生成し、その上に乗ると本部へ戻った。
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