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葵ちゃんとフラペチーノ
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怜は店の外で柚奈を待つと柚奈はニコニコの笑顔で店の服を持って出てきた。
「先輩、選んでいたたき、ありがとうございます」
「いやいや、俺の選んだやつが気に入ってくれて良かったよ」
「あっ! あそこは新作のフラッペが出たお店です。次はあそこに行きましょ!」
柚奈はキラキラと宝石のような輝かしい瞳で怜を誘った。その眩しい瞳に怜は断ることはなく、了承した。
二人はコーヒー屋さんに入り、列に並んだ。
「ここのコーヒーとっても美味しいんですよ」
「あぁ、そうなのか」
内装はフランスのようなおしゃれな雰囲気で、家具や置物にもこだわっていた。周りにはカップルやパソコンを開いて仕事をする人がいた。列は前に二、三組程度並んでいた。怜はお店の雰囲気に今にも押しつぶされそうになっていた。
(出ました~、JKとかが好きな店。こう言う店はなんか気に入らないんだよなぁ。別にめっちゃ嫌いってわけでもないけど、サイズがトールとかでSMLでいいだろってツッコミたくなるんだよな。まっ、食べず嫌いは良くないし、期間限定のやつでも頼んでみるか)
怜達が列で並んでいるとお店の爽やかイケメンの店員さんが怜達にメニューを持ってきた。
「いらっしゃいませお客様。メニューをどうぞ」
「あ、どうも」
怜は店員を殺すような目で睨んだのち、メニューを受け取った。
(なんだあの爽やかイケメンは!? 絶対に顔に自信があるからやってんだろ)
「先輩先輩! これですこれ!」
珍しくはしゃぐ柚奈だったが、爽やかイケメンに勝手に怒っている怜は気づかなかった。柚奈に指さされ、怜はメニューを見た。
「何々……チョコレートとストロベリーミルクのミックスフラペチーノ? 名前長すぎじゃね?」
「先輩、これが普通です。私はこれにしようと思うのですが、先輩は何にします?」
「うーん、どれどれ?」
怜はメニュー全体を見て、どの商品にするか迷った。しかし、怜の目線は金額に行った。
(そういや金額だ。どこだ? 柚奈ちゃんが言ってた期間限定のチョコとストロベリーがトールサイズでせ、千五百円だと!? 飲み物一つでこれはぼったくりすぎだろ! この店はお金持ちしかこれねぇのか!)
「先輩、どうしたのですか?」
怜は口を押さえ、金額の高さに心臓が飛び出そうだった。それを見かねた柚奈が心配な眼差しで怜を見た。その瞳はまるでお金がなくて困っている人を見つめる瞳だった。柚奈は気遣い、怜の耳元で話した。
「先輩、お金は私が出しましょうか?」
「え!? 柚奈ちゃん、俺が金額にビビってると思ってるの? 違う違うよ。どれも美味しそうでよだれが出そうなだけだって。もう決まってるから大丈夫だよ」
「丁度良かったです。今から私たちの番ですよ」
「へ?」
「次のお客様どうぞ~」
店員さんが呼ぶと怜と柚奈はレジに進んだ。柚奈は怜からメニューをとり、店員に返した。
(まずい、全然決まってない! 何にしよう。あれだけ決まってるよって言っときながら決まってなかったら、大恥だ。しかもなぜか柚奈ちゃん俺の金額に驚いていたこと気付いてたし。と、とりあえず、安いコーヒーか? いや待て待て、思いっきりお金ないのバレてるやん。どうするどうする!)
怜は心の中で葛藤しているうちに柚奈はメニューを指差し、注文した。
「私は期間限定のチョコレートとストロベリーミルクのフラペチーノで」
「はい、かしこまりました」
「先輩?」
柚奈は中々、注文に答えない怜に心配した。しかし、その瞬間、怜は答えた。
「俺も同じやつで」
「はい、かしこまりました。隣のカウンターでお待ちください」
怜と柚奈はお金を払うと店員の指示に従い、隣のカウンターでフラペチーノを待った。その間、怜は心の中で沈黙していた。
(お、俺の千五百円が……)
「先輩、大丈夫ですか? 具合でも悪いんですか?」
あまりの怜の顔の悪さに柚奈は怜に聞いた。怜は柚奈の顔を見ると正直に話した。
「すまない柚奈ちゃん。俺、こう言う店苦手なんだ」
「何かトラウマでもあるんですか?」
「いや、なんか雰囲気が」
「そうだったんですね。私のわがままに振り回してすみません。ここは私がお金を」
柚奈は心配な表情で財布を開いた。怜は首を振って断った。
「お金はいいよ。まっ、どんな味かも分からないし、美味しかったらまた来ような」
「せ、先輩」
「お待たせ致しましたー。チョコレートとストロベリーミルクのフラペチーノお二つです」
柚奈はフラペチーノを受け取ると怜を連れて二階へ上がった。
「なんで二階なんだ?」
「秘密です」
怜は柚奈に連れられて二階へ上がり、窓のカウンターに座った。窓から見える景色は駅が下にあるため、黒を基調とした建物や看板がカラフルに彩り、昼間にも関わらず、電子版もおしゃれにライトアップされていた。その景色に怜は目を奪われ、感動した。
「ここ、良いですよね。ここで飲みながら見る景色が私は好きです」
「ここ良いね! また来よう」
「是非、また一緒に来ましょうね」
怜に景色を気に入ってもらい、密かに喜ぶ柚奈であった。その後、怜はフラペチーノを飲むと心の中で「甘すぎ」と叫ぶのであった。
「先輩、選んでいたたき、ありがとうございます」
「いやいや、俺の選んだやつが気に入ってくれて良かったよ」
「あっ! あそこは新作のフラッペが出たお店です。次はあそこに行きましょ!」
柚奈はキラキラと宝石のような輝かしい瞳で怜を誘った。その眩しい瞳に怜は断ることはなく、了承した。
二人はコーヒー屋さんに入り、列に並んだ。
「ここのコーヒーとっても美味しいんですよ」
「あぁ、そうなのか」
内装はフランスのようなおしゃれな雰囲気で、家具や置物にもこだわっていた。周りにはカップルやパソコンを開いて仕事をする人がいた。列は前に二、三組程度並んでいた。怜はお店の雰囲気に今にも押しつぶされそうになっていた。
(出ました~、JKとかが好きな店。こう言う店はなんか気に入らないんだよなぁ。別にめっちゃ嫌いってわけでもないけど、サイズがトールとかでSMLでいいだろってツッコミたくなるんだよな。まっ、食べず嫌いは良くないし、期間限定のやつでも頼んでみるか)
怜達が列で並んでいるとお店の爽やかイケメンの店員さんが怜達にメニューを持ってきた。
「いらっしゃいませお客様。メニューをどうぞ」
「あ、どうも」
怜は店員を殺すような目で睨んだのち、メニューを受け取った。
(なんだあの爽やかイケメンは!? 絶対に顔に自信があるからやってんだろ)
「先輩先輩! これですこれ!」
珍しくはしゃぐ柚奈だったが、爽やかイケメンに勝手に怒っている怜は気づかなかった。柚奈に指さされ、怜はメニューを見た。
「何々……チョコレートとストロベリーミルクのミックスフラペチーノ? 名前長すぎじゃね?」
「先輩、これが普通です。私はこれにしようと思うのですが、先輩は何にします?」
「うーん、どれどれ?」
怜はメニュー全体を見て、どの商品にするか迷った。しかし、怜の目線は金額に行った。
(そういや金額だ。どこだ? 柚奈ちゃんが言ってた期間限定のチョコとストロベリーがトールサイズでせ、千五百円だと!? 飲み物一つでこれはぼったくりすぎだろ! この店はお金持ちしかこれねぇのか!)
「先輩、どうしたのですか?」
怜は口を押さえ、金額の高さに心臓が飛び出そうだった。それを見かねた柚奈が心配な眼差しで怜を見た。その瞳はまるでお金がなくて困っている人を見つめる瞳だった。柚奈は気遣い、怜の耳元で話した。
「先輩、お金は私が出しましょうか?」
「え!? 柚奈ちゃん、俺が金額にビビってると思ってるの? 違う違うよ。どれも美味しそうでよだれが出そうなだけだって。もう決まってるから大丈夫だよ」
「丁度良かったです。今から私たちの番ですよ」
「へ?」
「次のお客様どうぞ~」
店員さんが呼ぶと怜と柚奈はレジに進んだ。柚奈は怜からメニューをとり、店員に返した。
(まずい、全然決まってない! 何にしよう。あれだけ決まってるよって言っときながら決まってなかったら、大恥だ。しかもなぜか柚奈ちゃん俺の金額に驚いていたこと気付いてたし。と、とりあえず、安いコーヒーか? いや待て待て、思いっきりお金ないのバレてるやん。どうするどうする!)
怜は心の中で葛藤しているうちに柚奈はメニューを指差し、注文した。
「私は期間限定のチョコレートとストロベリーミルクのフラペチーノで」
「はい、かしこまりました」
「先輩?」
柚奈は中々、注文に答えない怜に心配した。しかし、その瞬間、怜は答えた。
「俺も同じやつで」
「はい、かしこまりました。隣のカウンターでお待ちください」
怜と柚奈はお金を払うと店員の指示に従い、隣のカウンターでフラペチーノを待った。その間、怜は心の中で沈黙していた。
(お、俺の千五百円が……)
「先輩、大丈夫ですか? 具合でも悪いんですか?」
あまりの怜の顔の悪さに柚奈は怜に聞いた。怜は柚奈の顔を見ると正直に話した。
「すまない柚奈ちゃん。俺、こう言う店苦手なんだ」
「何かトラウマでもあるんですか?」
「いや、なんか雰囲気が」
「そうだったんですね。私のわがままに振り回してすみません。ここは私がお金を」
柚奈は心配な表情で財布を開いた。怜は首を振って断った。
「お金はいいよ。まっ、どんな味かも分からないし、美味しかったらまた来ような」
「せ、先輩」
「お待たせ致しましたー。チョコレートとストロベリーミルクのフラペチーノお二つです」
柚奈はフラペチーノを受け取ると怜を連れて二階へ上がった。
「なんで二階なんだ?」
「秘密です」
怜は柚奈に連れられて二階へ上がり、窓のカウンターに座った。窓から見える景色は駅が下にあるため、黒を基調とした建物や看板がカラフルに彩り、昼間にも関わらず、電子版もおしゃれにライトアップされていた。その景色に怜は目を奪われ、感動した。
「ここ、良いですよね。ここで飲みながら見る景色が私は好きです」
「ここ良いね! また来よう」
「是非、また一緒に来ましょうね」
怜に景色を気に入ってもらい、密かに喜ぶ柚奈であった。その後、怜はフラペチーノを飲むと心の中で「甘すぎ」と叫ぶのであった。
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