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葵ちゃんと買い物
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数分後、柚奈が頬を叩き話した。
「よし、落ち込んでいても仕方ないです。バスを降りてから道が悪いからこんな時間が掛かるんです。私たちには能力があります。使って一瞬で行きましょう」
「んで? 誰の能力で行くんだよ」
「俺の能力は無理そう。柚奈ちゃんは一回使ったら次に代償が来るから無理、麦ちゃんは?」
「すす、すみません。私は自分強化型なので」
「てことは……」
怜、柚奈、麦はじっと旭の顔を見た。旭は汗を垂らし、腕を組んだ。
「だーっ。仕方ないな。いいよ分かったよ! 私がやるよ」
「さすがです旭ちゃん」
「旭さんさすがです」
「よっ! 我らのエース」
「煽てても何もでねぇよ。さっさと行く準備すんぞ」
「では、ここからは歩きで帰りましょう」
四人は本部を後にすると徒歩で中央区の駅を目指した。帰り道、柚奈が話した。
「皆さんはこれから何をするんですか?」
「私は寝るー」
「わわ、私は小道具の整理を」
「俺もこれといったものはないな」
「そうなんですね」
午後二時を回り、四人は駅に着いた。すると柚奈が怜を止めた。
「先輩、ちょっとショッピングに付き合ってくれません?」
「あ、あぁまぁべ、別にいいよ」
怜は柚奈と二人きりで買い物だと思うとデートというワードが頭から離れず恥ずかしがっていた。
「すみません、私と先輩は寄るところがあるのでお二人は先に」
「お、おう分かった」
「わ、分かりました」
(ちっ、柚奈め。怜を独り占めしやがって。まぁいい、私も今度、怜に何か付き合ってもらおうっと)
旭は少し嫉妬したが、手を振り、駅に向かった。柚奈と怜は駅の階段を登り、駅の上にある大きなショッピングモールに入った。
「ところで柚奈ちゃん、何を買うの?」
「ナイフです」
「そ、それは人を殺める様なやつでは……」
「嘘です。ただのお買い物です。服とかアクセサリーとか。任務に行く前に気分転換したいなと思いまして」
柚奈はニコッと笑い、買い物の意図を説明した。怜はその柚奈の子供っぽい笑顔に顔を赤くした。
「そ、そうなんだ。確かに、俺も任務の事ばっかり考えてたからなぁ」
「もうすぐ夏ですし、水着とかいいですね」
(み、水着!?)
そう水着とは女性のボディラインがはっきりと出る衣服。軍に所属していて怜は夏イベントを忘れていたのだ。怜は柚奈の水着姿を想像し、鼻血が出そうだった。
「先輩! 変な事考えないでくださいね。顔、赤いです」
「は!? そ、そんな考えてないよ」
柚奈は怜の顔を見かねてツッコミを入れた。二人は歩き、エスカレーターに乗ると水着を売っているお店に着いた。そこは女性物しか置いてなかった。
「なんだ女かぁ、俺は外で待ってるから選んできていいよ」
「せ、先輩も選んでください」
「へ? お、俺が!?」
「あんまり私も詳しくないので」
(言うて俺も詳しくないし、夏とか思い出ないし、どうしよう! こう言う場合って断っちゃダメなつ? まぁ選ぶだけだし、決めるのは本人だからいいか)
怜は了承し、二人は中へ入っていった。中には女性物の色んな種類の水着があり、露出度が高いものから子供用の物もあった。怜は手探りで柚奈に合いそうなものを探した。
(うーん、柚奈ちゃんだろ? 露出度高くても旭ちゃんじゃないし、逆効果で本人を傷つけかねない。危ない橋を渡るのやめて安定のスポーティな水着もかっこいいな。でも柚奈ちゃんぽくないな。これは麦ちゃんに合いそうだな)
怜の中では柚奈に合わせる水着選びで葛藤が起こっていた。すると怜の背中を柚奈が叩き話した。
「せ、先輩。これはどうでしょうか?」
「うん? はっ!」
柚奈が持っている水着は真っ赤なビキニだった。怜の中ではその水着の色同様の赤信号が点滅した。
(こ、これは止めなけらば! なんか分かんないけど、俺の中の赤信号が叫んでいる。止めろと)
柚奈は顔を赤くし、怜から目を逸らしながら話した。
「せ、先輩。し、試着した方が」
「いやいや、柚奈ちゃん! 俺はこっちの方が似やってると思うぜ」
怜は咄嗟に近くにあった水着を取り、柚奈の目の前に出した。その水着は水色を基調としており、スクール水着の真ん中がないバージョンで、下に少し長めの白のスカートが付いていた。咄嗟にしては案外良い水着を出したなと怜はホッとした。
その水着を見た柚奈は目を輝かせて受け取った。
「先輩が選んでくれた水着、とっても良いです。今から試着してきます」
「お、おう」
柚奈は嬉しそうに水着を抱きしめ、試着室に向かった。怜も試着室の前で待った。
数分後柚奈が試着室から顔だけ出し、話した。
「い、一応、着替え終わりました」
「お、じゃ見せてくれよ」
柚奈は顔を赤くしながら試着室を開けた。その水着は柚奈の体とバッチリ合っており、胸の寂しさも感じさせない、とても良い水着だった。怜は笑顔で答えた。
「柚奈ちゃん、とっても似やってるよ」
そう怜に言われた柚奈は恥ずかしさのあまり、顔を真っ赤にさせ、試着室を締める前に一言話した。
「変態」
(えぇ!? まさかの変態!? 俺、まずい事言ったかなぁ。顔真っ赤だったし、でも、無事に普通の水着を選んでくれて良かった)
怜は水着選びで一安心したので合った。
「よし、落ち込んでいても仕方ないです。バスを降りてから道が悪いからこんな時間が掛かるんです。私たちには能力があります。使って一瞬で行きましょう」
「んで? 誰の能力で行くんだよ」
「俺の能力は無理そう。柚奈ちゃんは一回使ったら次に代償が来るから無理、麦ちゃんは?」
「すす、すみません。私は自分強化型なので」
「てことは……」
怜、柚奈、麦はじっと旭の顔を見た。旭は汗を垂らし、腕を組んだ。
「だーっ。仕方ないな。いいよ分かったよ! 私がやるよ」
「さすがです旭ちゃん」
「旭さんさすがです」
「よっ! 我らのエース」
「煽てても何もでねぇよ。さっさと行く準備すんぞ」
「では、ここからは歩きで帰りましょう」
四人は本部を後にすると徒歩で中央区の駅を目指した。帰り道、柚奈が話した。
「皆さんはこれから何をするんですか?」
「私は寝るー」
「わわ、私は小道具の整理を」
「俺もこれといったものはないな」
「そうなんですね」
午後二時を回り、四人は駅に着いた。すると柚奈が怜を止めた。
「先輩、ちょっとショッピングに付き合ってくれません?」
「あ、あぁまぁべ、別にいいよ」
怜は柚奈と二人きりで買い物だと思うとデートというワードが頭から離れず恥ずかしがっていた。
「すみません、私と先輩は寄るところがあるのでお二人は先に」
「お、おう分かった」
「わ、分かりました」
(ちっ、柚奈め。怜を独り占めしやがって。まぁいい、私も今度、怜に何か付き合ってもらおうっと)
旭は少し嫉妬したが、手を振り、駅に向かった。柚奈と怜は駅の階段を登り、駅の上にある大きなショッピングモールに入った。
「ところで柚奈ちゃん、何を買うの?」
「ナイフです」
「そ、それは人を殺める様なやつでは……」
「嘘です。ただのお買い物です。服とかアクセサリーとか。任務に行く前に気分転換したいなと思いまして」
柚奈はニコッと笑い、買い物の意図を説明した。怜はその柚奈の子供っぽい笑顔に顔を赤くした。
「そ、そうなんだ。確かに、俺も任務の事ばっかり考えてたからなぁ」
「もうすぐ夏ですし、水着とかいいですね」
(み、水着!?)
そう水着とは女性のボディラインがはっきりと出る衣服。軍に所属していて怜は夏イベントを忘れていたのだ。怜は柚奈の水着姿を想像し、鼻血が出そうだった。
「先輩! 変な事考えないでくださいね。顔、赤いです」
「は!? そ、そんな考えてないよ」
柚奈は怜の顔を見かねてツッコミを入れた。二人は歩き、エスカレーターに乗ると水着を売っているお店に着いた。そこは女性物しか置いてなかった。
「なんだ女かぁ、俺は外で待ってるから選んできていいよ」
「せ、先輩も選んでください」
「へ? お、俺が!?」
「あんまり私も詳しくないので」
(言うて俺も詳しくないし、夏とか思い出ないし、どうしよう! こう言う場合って断っちゃダメなつ? まぁ選ぶだけだし、決めるのは本人だからいいか)
怜は了承し、二人は中へ入っていった。中には女性物の色んな種類の水着があり、露出度が高いものから子供用の物もあった。怜は手探りで柚奈に合いそうなものを探した。
(うーん、柚奈ちゃんだろ? 露出度高くても旭ちゃんじゃないし、逆効果で本人を傷つけかねない。危ない橋を渡るのやめて安定のスポーティな水着もかっこいいな。でも柚奈ちゃんぽくないな。これは麦ちゃんに合いそうだな)
怜の中では柚奈に合わせる水着選びで葛藤が起こっていた。すると怜の背中を柚奈が叩き話した。
「せ、先輩。これはどうでしょうか?」
「うん? はっ!」
柚奈が持っている水着は真っ赤なビキニだった。怜の中ではその水着の色同様の赤信号が点滅した。
(こ、これは止めなけらば! なんか分かんないけど、俺の中の赤信号が叫んでいる。止めろと)
柚奈は顔を赤くし、怜から目を逸らしながら話した。
「せ、先輩。し、試着した方が」
「いやいや、柚奈ちゃん! 俺はこっちの方が似やってると思うぜ」
怜は咄嗟に近くにあった水着を取り、柚奈の目の前に出した。その水着は水色を基調としており、スクール水着の真ん中がないバージョンで、下に少し長めの白のスカートが付いていた。咄嗟にしては案外良い水着を出したなと怜はホッとした。
その水着を見た柚奈は目を輝かせて受け取った。
「先輩が選んでくれた水着、とっても良いです。今から試着してきます」
「お、おう」
柚奈は嬉しそうに水着を抱きしめ、試着室に向かった。怜も試着室の前で待った。
数分後柚奈が試着室から顔だけ出し、話した。
「い、一応、着替え終わりました」
「お、じゃ見せてくれよ」
柚奈は顔を赤くしながら試着室を開けた。その水着は柚奈の体とバッチリ合っており、胸の寂しさも感じさせない、とても良い水着だった。怜は笑顔で答えた。
「柚奈ちゃん、とっても似やってるよ」
そう怜に言われた柚奈は恥ずかしさのあまり、顔を真っ赤にさせ、試着室を締める前に一言話した。
「変態」
(えぇ!? まさかの変態!? 俺、まずい事言ったかなぁ。顔真っ赤だったし、でも、無事に普通の水着を選んでくれて良かった)
怜は水着選びで一安心したので合った。
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