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葵ちゃんとニュース
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怜は苦笑いをしてそう話すと葵は呆れた顔で怜を見つめた。
「はぁ、なら早く行こう。葵、お腹ペコペコ」
「すまんが、そんな顔で俺を見ないでくれ」
二人はアパートに背を向け、コンビニに向かおうとしたその時、一○三号室のドアが開いた。怜と葵は振り向くとそこには麦の姿があった。怜は驚き、話しかけた。
「えぇ!? 麦ちゃんどうしたの!?」
「えぇ!? そそそ、そんな驚くことですか!? わわ、私、朝ごはんを買いにコンビニに行こうとしたのですが」
「怜、驚きすぎ。麦ちゃんのこと困らせない」
「あぁそうだよね。驚かせてごめんな。俺たちも丁度コンビニに行くところだったから」
怜がそう話すと葵は細い目で怜を睨んだ。すると麦は葵のことを見ると、一歩進み話しかけた。
「ああ、貴方が冬風隊員の守護霊さんですか?」
「うん! 葵って言うのよろしくね」
「そういや、麦ちゃんの守護霊は出てこないのか?」
「私の守護霊は恥ずかしがり屋の上、寝ることが好きなので、滅多に出てきません」
「ふーん、じゃ行くか」
二人と葵はコンビニに向かった。ちなみに怜はここ周辺のコンビニなど知らないが、昨日の夜、駅からアパートに来るまでにコンビニを一軒見つけていたのだ。怜達はそこに向かった。
歩いて五分足らずでコンビニに到着した。その間、怜は周辺をチェックし、街の道を覚えていた。
コンビニに入ると葵は急いで、お菓子売り場まで直行した。怜と麦はコンビニのカゴを持つと、おにぎりやパンを見た。コンビニ内は他の客は少なく、店員はおらず、レジはセルフ式だった。
「よし、朝ごはんの確保完了。とりあえず飲み物とかも買っておくか」
「冬風隊員、あの部屋に出棺冷却装置が備え付けられているので、多めに買っても長期保存可能なので、ぜひ使ってくださいね」
「はぁ!? そんなのあったの? 俺見当たらなかったぞ」
「えぇ! たたた、確か、キッチン周りの床に設置されていたはずなんですが」
「あぁ! あれか。なんか床に銀色の四角があるなーと思ったけど、あれ持ち上げればいいのか」
「そそ、そうです」
「そんじゃ帰ってみたら試してみるか」
瞬間冷却装置の存在を知った怜は、次々にカゴに商品を入れていった。その様子を見た麦が慌てて、訂正した。
「あわわ、冬風隊員。量には限度があるので、気をつけてください」
「そりゃ、そっか。食べきれなくて無駄になるのもあれだし、少し抑えるか。それと、冬風隊員は呼びづらいだろ? 怜でいいから」
「で、では、冬風さんで」
二人が話していると間に大量のお菓子を持った葵が入ってきた。
「怜~あとこれ買ってー」
「お、お前は! 戻してこーい! こんなに買えるか!」
「えぇ! 葵のお菓子パーティが」
「誰とやるんだ! どうせ一人で食うんだろ」
「無駄にしないから~」
「いいや戻せ! 買えない」
「ショボーン」
葵は涙を拭い、大量のお菓子の中から一つを選び、あとは全て戻すのであった。買うものが揃うと、二人は理事に向かった。レジは三つあり、カゴを置くとその中をスキャンし、一瞬でお会計を表示してくれるシステムだ。怜はカゴを置き、お会計をした。
袋を持ち、外に出るとその暑さに怜は息をついた。
「はぁまだ六月とはいえ、こんな暑いのかよ。おまけに値段も高かったし」
「し、仕方ないですよ。今の日本の経済力は圧倒的に下がりつつありますから」
「早く帰って朝ごはん食って、エアコンの風にあたろうっと」
「葵も早くお菓子食べたーい」
二人はアパートに着くとそれぞれの部屋に戻った。怜は袋を床に置き、冷蔵にジュースを入れたり、棚にカップ麺を収納した。そして収納が終わると、おにぎり片手にスマホでニュースを見始めた。
「うーん、やっぱり経済力の低下ってこの貧民街が大きく関わってきてるよな」
「イチゴチョコ美味しい~」
「関西から関東へ関東から関西への交通手段の妨害、廃工場からなるウィルスの増加。まぁそのウィルスは生命力が弱いため、ここまで広がらないが、将来的には心配だな。しかし、こんな所に二日後行くなんて、俺はまた無事では済まない予感が」
「えぇ!? 葵、こんな所に行くの?」
葵は怜の見ていたニュース、上空から映る貧民街を見て叫んだ。
「仕方ないだろ、任務なんだから」
「ひぃ、あ、葵は留守番はダメ?」
「アホか、俺にくっついてるんだから無理だろ」
「えぇ葵、こんな汚い所に行きたくなーい!」
「はぁでも、こんな汚い所に住みたくなくても住んでる奴がいるんだ。その問題を解決しない日本ていう国はどうかしてる」
「はぁ、なら早く行こう。葵、お腹ペコペコ」
「すまんが、そんな顔で俺を見ないでくれ」
二人はアパートに背を向け、コンビニに向かおうとしたその時、一○三号室のドアが開いた。怜と葵は振り向くとそこには麦の姿があった。怜は驚き、話しかけた。
「えぇ!? 麦ちゃんどうしたの!?」
「えぇ!? そそそ、そんな驚くことですか!? わわ、私、朝ごはんを買いにコンビニに行こうとしたのですが」
「怜、驚きすぎ。麦ちゃんのこと困らせない」
「あぁそうだよね。驚かせてごめんな。俺たちも丁度コンビニに行くところだったから」
怜がそう話すと葵は細い目で怜を睨んだ。すると麦は葵のことを見ると、一歩進み話しかけた。
「ああ、貴方が冬風隊員の守護霊さんですか?」
「うん! 葵って言うのよろしくね」
「そういや、麦ちゃんの守護霊は出てこないのか?」
「私の守護霊は恥ずかしがり屋の上、寝ることが好きなので、滅多に出てきません」
「ふーん、じゃ行くか」
二人と葵はコンビニに向かった。ちなみに怜はここ周辺のコンビニなど知らないが、昨日の夜、駅からアパートに来るまでにコンビニを一軒見つけていたのだ。怜達はそこに向かった。
歩いて五分足らずでコンビニに到着した。その間、怜は周辺をチェックし、街の道を覚えていた。
コンビニに入ると葵は急いで、お菓子売り場まで直行した。怜と麦はコンビニのカゴを持つと、おにぎりやパンを見た。コンビニ内は他の客は少なく、店員はおらず、レジはセルフ式だった。
「よし、朝ごはんの確保完了。とりあえず飲み物とかも買っておくか」
「冬風隊員、あの部屋に出棺冷却装置が備え付けられているので、多めに買っても長期保存可能なので、ぜひ使ってくださいね」
「はぁ!? そんなのあったの? 俺見当たらなかったぞ」
「えぇ! たたた、確か、キッチン周りの床に設置されていたはずなんですが」
「あぁ! あれか。なんか床に銀色の四角があるなーと思ったけど、あれ持ち上げればいいのか」
「そそ、そうです」
「そんじゃ帰ってみたら試してみるか」
瞬間冷却装置の存在を知った怜は、次々にカゴに商品を入れていった。その様子を見た麦が慌てて、訂正した。
「あわわ、冬風隊員。量には限度があるので、気をつけてください」
「そりゃ、そっか。食べきれなくて無駄になるのもあれだし、少し抑えるか。それと、冬風隊員は呼びづらいだろ? 怜でいいから」
「で、では、冬風さんで」
二人が話していると間に大量のお菓子を持った葵が入ってきた。
「怜~あとこれ買ってー」
「お、お前は! 戻してこーい! こんなに買えるか!」
「えぇ! 葵のお菓子パーティが」
「誰とやるんだ! どうせ一人で食うんだろ」
「無駄にしないから~」
「いいや戻せ! 買えない」
「ショボーン」
葵は涙を拭い、大量のお菓子の中から一つを選び、あとは全て戻すのであった。買うものが揃うと、二人は理事に向かった。レジは三つあり、カゴを置くとその中をスキャンし、一瞬でお会計を表示してくれるシステムだ。怜はカゴを置き、お会計をした。
袋を持ち、外に出るとその暑さに怜は息をついた。
「はぁまだ六月とはいえ、こんな暑いのかよ。おまけに値段も高かったし」
「し、仕方ないですよ。今の日本の経済力は圧倒的に下がりつつありますから」
「早く帰って朝ごはん食って、エアコンの風にあたろうっと」
「葵も早くお菓子食べたーい」
二人はアパートに着くとそれぞれの部屋に戻った。怜は袋を床に置き、冷蔵にジュースを入れたり、棚にカップ麺を収納した。そして収納が終わると、おにぎり片手にスマホでニュースを見始めた。
「うーん、やっぱり経済力の低下ってこの貧民街が大きく関わってきてるよな」
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「関西から関東へ関東から関西への交通手段の妨害、廃工場からなるウィルスの増加。まぁそのウィルスは生命力が弱いため、ここまで広がらないが、将来的には心配だな。しかし、こんな所に二日後行くなんて、俺はまた無事では済まない予感が」
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葵は怜の見ていたニュース、上空から映る貧民街を見て叫んだ。
「仕方ないだろ、任務なんだから」
「ひぃ、あ、葵は留守番はダメ?」
「アホか、俺にくっついてるんだから無理だろ」
「えぇ葵、こんな汚い所に行きたくなーい!」
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