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葵ちゃんと訓練学校首席卒業生
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少女は上着の軍服で胸を隠し、叫び続けた。
「キャー! 変態! 変態よ。誰か助けて」
「おいおいやめろ。これは誤解だ!」
すると少女の叫びを聞いて柚奈、旭、天音が走ってきた。ドアの前にいる怜を旭が思いっきり跳び蹴りをかました。怜はそのまま、泡を吹き倒れた。
「よっしゃ! とりあえず変態をやっつけた」
「こんな男とは思わなかったでしゅ」
「まさか先輩がこんなことまでしてしまったとは……」
旭と天音は腕を組み、変態退治をした感を出したが、柚奈は怜の行動にがっかりし、頭を抑えた。すると少女は顔を赤くして答えた。
「あ、あの……着替えたいので、ドア、締めてもらってもいいですか?」
「あ、分かりました」
柚奈はドアを閉め、少女の着替えを待った。
数分後、少女の着替えは終わったが、まだ怜は泡を吹いて倒れていた。少女はドアを開けると顔を赤くして話した。
「す、す、すみません助けてくださって。ななな、なんてお礼をしていいか」
少女は高いハスキー声で震えながら恥ずかしそうに話した。対する柚奈達はこの変態の犯人の仲間だとなると笑えないと思いながら苦笑いをした。
「いえ、こちらこそ先輩に隣が空いていると言ってしまったばかりに」
「え?」
すると後ろから軍服を着用し、紫色のクマのぬいぐるみを抱えた少女が歩み寄ってきた。そして小さな声で少女に話した。
「麦ちゃん。ここ私、言ったところじゃない」
「え、えぇ! こ、ここじゃなかったんですか!?」
少女は驚き、すぐさま柚奈の目の前で泣きながら土下座をして謝った。
「ももも、申し訳ないです。わ、私が部屋を間違ってました」
「いえいえ、頭を上げてください。先輩だってあなたの裸を見たのですから、おあいこです」
丁度その時、怜が目覚め、旭に蹴られた腹部を抑えながら起き上がった。
「ってて、は、腹がいてぇ」
「はぁ! すす、すみません。変態呼ばわりしてすみません」
「はぁ!? いきなりなんだ。柚奈ちゃん説明してくれ」
「とりあえず落ち着きましょう」
柚奈が少女を宥め、部屋に入った。天音は仕事があると話し、戻っていった。
「早速ですがまず、自己紹介をしましょう。私は神野柚奈です。こっちが朝川旭ちゃん、冬風怜さんです」
「わわわ、私のな、名前は……春川麦です」
「私、木村寧々。この子の先輩」
「よろしくお願いします」
麦は顔を赤くし、緊張しながら自己紹介をした。対して寧々は暗そうな声で最小限の自己紹介をした。その時、柚奈のスマホが鳴り響いた。
「すみません。電話のようです」
柚奈は電話に出ると部屋を後にし、廊下で電話をした。着信をしたのは時雨だった。
「はい、こちら神野です」
「柚ちゃん久しぶりなの~」
「はぁ、久しぶりって今日、朝別れて数時間じゃないですか。それより要件はなんですか」
「知っての通り貧民街はとても危険なの、だから三人じゃ危ないから助っ人派遣したなの」
「派遣って、今の守護霊使いは人材不足のはずです。それが私たちの為の派遣って新人でも派遣するつもりですか?」
今のご時世、守護霊使いの人材は少なく、助っ人はほぼ、難易度の高いかつ人手が必要な任務に派遣されるのだ。それが柚奈達の任務に派遣されるのは怪しいかつほぼ奇跡に近かった。柚奈はどうせ新人育成に任務だと思った。時雨は明るい声で答えた。
「柚ちゃん。新人は正解なの。でも、新人の中でもトップの成績を残して卒業した守護霊使いなの」
「そ、それは首席ってことですか!?」
「ピンポーンなの。今頃そっちに着いたと思うから頑張って探すなの~。名前は……」
柚奈は電話を切るとドアを開け、部屋に戻った。そして麦の前に立ち話した。
「ようこそ第七部隊へ、訓練学校首席卒業生、春川麦ちゃん」
「キャー! 変態! 変態よ。誰か助けて」
「おいおいやめろ。これは誤解だ!」
すると少女の叫びを聞いて柚奈、旭、天音が走ってきた。ドアの前にいる怜を旭が思いっきり跳び蹴りをかました。怜はそのまま、泡を吹き倒れた。
「よっしゃ! とりあえず変態をやっつけた」
「こんな男とは思わなかったでしゅ」
「まさか先輩がこんなことまでしてしまったとは……」
旭と天音は腕を組み、変態退治をした感を出したが、柚奈は怜の行動にがっかりし、頭を抑えた。すると少女は顔を赤くして答えた。
「あ、あの……着替えたいので、ドア、締めてもらってもいいですか?」
「あ、分かりました」
柚奈はドアを閉め、少女の着替えを待った。
数分後、少女の着替えは終わったが、まだ怜は泡を吹いて倒れていた。少女はドアを開けると顔を赤くして話した。
「す、す、すみません助けてくださって。ななな、なんてお礼をしていいか」
少女は高いハスキー声で震えながら恥ずかしそうに話した。対する柚奈達はこの変態の犯人の仲間だとなると笑えないと思いながら苦笑いをした。
「いえ、こちらこそ先輩に隣が空いていると言ってしまったばかりに」
「え?」
すると後ろから軍服を着用し、紫色のクマのぬいぐるみを抱えた少女が歩み寄ってきた。そして小さな声で少女に話した。
「麦ちゃん。ここ私、言ったところじゃない」
「え、えぇ! こ、ここじゃなかったんですか!?」
少女は驚き、すぐさま柚奈の目の前で泣きながら土下座をして謝った。
「ももも、申し訳ないです。わ、私が部屋を間違ってました」
「いえいえ、頭を上げてください。先輩だってあなたの裸を見たのですから、おあいこです」
丁度その時、怜が目覚め、旭に蹴られた腹部を抑えながら起き上がった。
「ってて、は、腹がいてぇ」
「はぁ! すす、すみません。変態呼ばわりしてすみません」
「はぁ!? いきなりなんだ。柚奈ちゃん説明してくれ」
「とりあえず落ち着きましょう」
柚奈が少女を宥め、部屋に入った。天音は仕事があると話し、戻っていった。
「早速ですがまず、自己紹介をしましょう。私は神野柚奈です。こっちが朝川旭ちゃん、冬風怜さんです」
「わわわ、私のな、名前は……春川麦です」
「私、木村寧々。この子の先輩」
「よろしくお願いします」
麦は顔を赤くし、緊張しながら自己紹介をした。対して寧々は暗そうな声で最小限の自己紹介をした。その時、柚奈のスマホが鳴り響いた。
「すみません。電話のようです」
柚奈は電話に出ると部屋を後にし、廊下で電話をした。着信をしたのは時雨だった。
「はい、こちら神野です」
「柚ちゃん久しぶりなの~」
「はぁ、久しぶりって今日、朝別れて数時間じゃないですか。それより要件はなんですか」
「知っての通り貧民街はとても危険なの、だから三人じゃ危ないから助っ人派遣したなの」
「派遣って、今の守護霊使いは人材不足のはずです。それが私たちの為の派遣って新人でも派遣するつもりですか?」
今のご時世、守護霊使いの人材は少なく、助っ人はほぼ、難易度の高いかつ人手が必要な任務に派遣されるのだ。それが柚奈達の任務に派遣されるのは怪しいかつほぼ奇跡に近かった。柚奈はどうせ新人育成に任務だと思った。時雨は明るい声で答えた。
「柚ちゃん。新人は正解なの。でも、新人の中でもトップの成績を残して卒業した守護霊使いなの」
「そ、それは首席ってことですか!?」
「ピンポーンなの。今頃そっちに着いたと思うから頑張って探すなの~。名前は……」
柚奈は電話を切るとドアを開け、部屋に戻った。そして麦の前に立ち話した。
「ようこそ第七部隊へ、訓練学校首席卒業生、春川麦ちゃん」
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