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葵ちゃんと叫ぶ少女

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 数分後、少女は泣き止むと目の下を赤くし話し出した。

「おまえ! 失礼でしゅ。私の名前は、天音あまねでしゅ。ここの部署に来て結構たってるでしゅ」
「そうなのか、すまない天音ちゃん。俺は冬風怜」
「では、本題に入ります」

 怜と天音の間に入って柚奈が話した。ちなみに旭は、床に座って居眠りをしていた。昨日、夜中にレオの爆破音で起こされ、眠いのだろう。そんな、旭を置いて柚奈は話し出した。

「任務で紛失した物資の補給なんですが……」
「では、この紙に必要な物を書くでしゅ」
「分かりました」

 柚奈は、天音に紙を貰うとペンを持ち、必要な物にチェックを入れ始めた。

「スマホは、先輩だけですよね?」
「そっか。柚奈ちゃんと旭ちゃんはあるんだね。てか、寝てるし」

 寝ている旭を見た怜はそのまま放置した。柚奈は怜から聞くとペンを走らせ、チェックを入れていった。
 そして、数分後、柚奈は書き終えた。

「よし、できました。よろしくお願いします」
「はいでしゅ」

 天音は紙を受け取ると小柄な体で椅子をおり、物資を探し始めた。柚奈は、スマホを見つめ、物資を待った。あの戦闘からスマホを持っていた二人が気になった怜は柚奈に話しかけた。

「なんで、おの戦闘から柚奈ちゃんのスマホは、無事なの?」
「無事では無かったですよ。一つ失いましたからね。このスマホはデータを共有してあるサブのスマホです」
「なら俺もサブのやつとかなかったの?」
「先輩面倒な顔で必要ないっていってましたよ」
「マジかよ」

 柚奈の言葉を聞き、怜は落ち込み、床に座り込んだ。その様子を見かねた柚奈は話した。

「でも、手の平のチップで、データは取り戻せるので大丈夫ですよ」
「おぉ!」

 怜は目を宝石の様に輝かせ喜んだ。
 それから数分後、天音が重そうに段ボールを持ってきた。

「うぅ、重い。準備できたでしゅ。隣の部屋で確認するでしゅ」
「ありがとうございます。では、確認してきます。いきますよ旭ちゃん」
「ふえ!? あぁ、もう終わったのか」

 柚奈は段ボールを持ち、隣の部屋に移動した。怜の後に旭が寝ぼけた表情でついていった。
 早速柚奈は段ボールの中身を出して、確認していった。

「霊力ソーダ良し。発振器、通信機器よし。それと先輩のスマホですね」
「おぉ! 俺のスマホ!」
「説明書渡すので、一人でお願いします」
「えぇ、柚奈ちゃん一緒にやろうよ」

 子供のように愚ずる怜を見て柚奈は冷たい視線で話した。

「うるさいです。私にはこれを全部確認してまとめなくてはいけないんです。説明書くらい読んでください」
「は、はい」

 怜はその柚奈の勢いに負け、一人で説明書を読み始めた。柚奈と旭は段ボールから物資を出して、整理した。
 数分後、ドアをノックし、天音が新品の軍服を用意した。

「新品の軍服です。SMLが一着ずつでしゅね」
「ありがとうございます。ここにお願いします」

 天音は段ボールの横に置いた。ふと、怜の方を見ると困りはてた顔で説明書とにらめっこをしていた。天音はこいつなにやってるんだという表情で近寄った。

「冬風隊員なにやってるんでしゅ」
「天音ちゃーん。全然分からない」

 怜は涙ぐんだ瞳で天音を見つめた。天音は面倒な表情で、溜め息をつき、話し始めた。

「まず、スマホのホームボタンを長押しして、それからここをタップして……」

 怜は天音の指示にしたがい、淡々と怜はスマホをタップしていった。そして、数分後

「これで最後に自分の手の平をかざせば大丈夫でしゅ」
「さんきゅな天音ちゃん」
「これくらい朝飯前なのでしゅ」

 怜はスマホの上に右手をかざした。するとスマホがピコンっと音がなった。怜は右手をどかし、スマホを覗き込んだ。スマホには『お帰りなさい』と表示されていた。怜は子供のように喜びだした。

「天音ちゃんできたできた! これでいいんだろ」
「はい、これで問題ないでしゅ」
「いやー天音ちゃんはすごいな」
「これくらい説明書見れば楽勝でしゅよ」

 怜はスマホを触り始め、天音の声は届いて来なかった。天音は息をつくと部屋を後にした。
 軍服のサイズを確認した柚奈は怜に渡し、話した。

「先輩、早速なんですが、軍服に着替えてきてください。私達も着替えるので、覗かないでくださいね」
「分かった。で、俺はどこで着替えればいいんだ?」
「たしか、この部屋の隣に空いてる部屋があったはずです」

 怜は軍服を持ち、部屋を出た。そして、隣の部屋に入った。その瞬間、怜は少女と目があった。
 新品の軍服を持つ怜に対し、少女は中途半端に軍服を着ていた。ギリギリ胸が出ているくらいだった。
 少女は水色の髪の後ろに一本縛りで、水色な瞳をうるわせ、叫んだ。
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