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葵ちゃんとレオの一撃
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怜は痛みを我慢し、刀を握りしめると立ち上がり、刀を構えた。息が上がり、『一体化』のせいで霊力の消費が激しいのだ。
オブリドは、また愛刀を怜目掛け、投げた。怜は左手のグローブで刀を防いだ。しかし、刀の持ち手からオブリドの分身が出現した。分身は刀を引き、怜の腹部を狙って突き刺すようにだした。
怜は分身から距離を取るように後ろに避けた。
「はぁはぁ、流石に二人だときつい」
「怜、本体の姿が見えない」
怜は辺りを見回し、オブリドの姿を探した。すると葵がオブリドを見つけた。
「怜、上だ!」
「くっ!」
葵の言葉とともにオブリドが上から刀を振り上げ、斬りかかってきた。怜も咄嗟に刀で、攻撃を防いだ。刀と刀がカキンと火花を散らして当たるとオブリドの刀からは燃え盛る炎が放出された。その炎に怜は両手を火傷した。
「っつい! クソ、もう一人が来る」
「怜! 後ろ!」
怜は後ろから斬りかかってくる分身の刀を左手のグローブで受け止めた。しかし、左右からの攻撃に怜は体力が持たなかった。怜が歯を食いしばって耐えたが、もう限界が近づいて来たその時、空から隕石が落ちて来た。
「くたばれオブリド!」
そうレオだった。レオは空からオブリドの分身目掛け、右拳に炎を纏わせ、放った。オブリドの分身は消え去り、刀が地面に落ちた。怜はオブリドの腹部を蹴り飛ばした。
オブリドは腹部を蹴られると後ろへ飛ばされた。すると怜がレオに話しかけた。
「お前には力を借りたくなかったが、どういう風の吹きまわしだ」
「ふん、俺はお前に力なんか貸しちゃいねぇ。俺はただ、あいつを殺すだけだ」
「ど、ドラゴンくん仲間!?」
「あーん、俺の名前はレオだ。覚えとけ」
レオは翼を羽ばたかせ、拳を握り攻撃を仕掛けたが、柚奈同様腹部からの出血が多量だった。
(あいつ腹からあんなに血が……止めても無駄だろう。ならあいつのためにも早くオブリドを殺ってあげるか)
怜は刀を構え、レオに続いて走った。オブリドは右手を上にあげると怜の後ろにあった愛刀が瞬間移動し、オブリドの右手に移動した。オブリドは両刀を構え、レオの攻撃に備えた。
「お前の墓場はここだ! 『龍の鉄槌』」
「お前が私にかなうわけがないでしょー。返り討ちにしてやるよ」
オブリドはレオの拳を両刀で受け止めると右足でレオの腹部を蹴った。するとレオの腹部からの流血が酷くなった。凄まじい痛みのはずなのにレオは歯を見せ笑い、炎を纏った拳でオブリドの頬を殴った。
殴られたオブリドはふらつき、レオから距離をとった。
「お前は命知らずか。その流血量じゃあと数分も持たないぞ」
「うるせぇ、こいつをやっと殴れたんだ。あと少しで殺せる」
「ふーん、よくもこの可愛いらしい顔を殴ってくれたね。『稲荷門・開門』いけ私の狐達」
旭の時同様、オブリドの前に巨大な木材の門が出現した。開くと提灯を咥えた狐がレオの周りを囲んだ。オブリドの姿は変わらなかったが、左手に持っていた刀が神楽鈴に変わった。オブリドはにやけ、レオに話した。
「よく聞けレオ、それはな……」
「うるせぇ」
レオはオブリドの話を聞かず、全ての狐を一瞬で燃やした。そして拳を構え、オブリドの殴りかかった。オブリドは慌てて神楽鈴を盾にし、距離をとった。
「き、君は一気全ての痛みを感じたのか!?」
「ガハハ! お前の驚いた顔なんて初めて見たぜ。あぁ俺の痛みの感覚はもうねぇ。体が死にかけてんだからな!」
するとその隙に怜がオブリドに斬りかかった。オブリドは刀に防ぎきったが、怜に続きレオが拳を構え、また殴りかかって来た。
「お、お前は化け物か!」
「これで最後だ『龍の一撃』」
レオは左目につけていた眼帯を取り、捨てた。左目は右目の赤い目とは違い、白目がなく全てが真っ赤な瞳だった。そして左目から何かが封印を解かれたように出て来た。その正体は真っ赤な肌を持つ少女だった。少女は青い目で、オレンジ色のおさげ髪だった。服装は真っ白なTシャツだった。
少女は真っ赤な翼を羽ばたかせ、レオの右拳に炎となり纏った。そしてレオは拳を構え、オブリドに殴りかかった。
その炎の勢いに葵は巻き込まれると予知し怜に話した。
「怜、このままじゃあの炎に飲み込まれる! 離れて!」
「マジかよ」
怜は葵から話を聞くとオブリドから距離をとり離れた。
そしてレオの拳は巨大な炎とともにオブリドに直撃した。直撃した衝撃に屋上は炎の海となり、怜は、屋上から飛び降りようと下を見た。その瞬間、旭が屋上のドアから勢いよく出てくると怜に駆け寄った。
「怜、そこに私の蔓がある。それで下に行くぞ」
「わかった」
二人は朝顔の蔓でなんとか下に避難することができた。
オブリドは、また愛刀を怜目掛け、投げた。怜は左手のグローブで刀を防いだ。しかし、刀の持ち手からオブリドの分身が出現した。分身は刀を引き、怜の腹部を狙って突き刺すようにだした。
怜は分身から距離を取るように後ろに避けた。
「はぁはぁ、流石に二人だときつい」
「怜、本体の姿が見えない」
怜は辺りを見回し、オブリドの姿を探した。すると葵がオブリドを見つけた。
「怜、上だ!」
「くっ!」
葵の言葉とともにオブリドが上から刀を振り上げ、斬りかかってきた。怜も咄嗟に刀で、攻撃を防いだ。刀と刀がカキンと火花を散らして当たるとオブリドの刀からは燃え盛る炎が放出された。その炎に怜は両手を火傷した。
「っつい! クソ、もう一人が来る」
「怜! 後ろ!」
怜は後ろから斬りかかってくる分身の刀を左手のグローブで受け止めた。しかし、左右からの攻撃に怜は体力が持たなかった。怜が歯を食いしばって耐えたが、もう限界が近づいて来たその時、空から隕石が落ちて来た。
「くたばれオブリド!」
そうレオだった。レオは空からオブリドの分身目掛け、右拳に炎を纏わせ、放った。オブリドの分身は消え去り、刀が地面に落ちた。怜はオブリドの腹部を蹴り飛ばした。
オブリドは腹部を蹴られると後ろへ飛ばされた。すると怜がレオに話しかけた。
「お前には力を借りたくなかったが、どういう風の吹きまわしだ」
「ふん、俺はお前に力なんか貸しちゃいねぇ。俺はただ、あいつを殺すだけだ」
「ど、ドラゴンくん仲間!?」
「あーん、俺の名前はレオだ。覚えとけ」
レオは翼を羽ばたかせ、拳を握り攻撃を仕掛けたが、柚奈同様腹部からの出血が多量だった。
(あいつ腹からあんなに血が……止めても無駄だろう。ならあいつのためにも早くオブリドを殺ってあげるか)
怜は刀を構え、レオに続いて走った。オブリドは右手を上にあげると怜の後ろにあった愛刀が瞬間移動し、オブリドの右手に移動した。オブリドは両刀を構え、レオの攻撃に備えた。
「お前の墓場はここだ! 『龍の鉄槌』」
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オブリドはレオの拳を両刀で受け止めると右足でレオの腹部を蹴った。するとレオの腹部からの流血が酷くなった。凄まじい痛みのはずなのにレオは歯を見せ笑い、炎を纏った拳でオブリドの頬を殴った。
殴られたオブリドはふらつき、レオから距離をとった。
「お前は命知らずか。その流血量じゃあと数分も持たないぞ」
「うるせぇ、こいつをやっと殴れたんだ。あと少しで殺せる」
「ふーん、よくもこの可愛いらしい顔を殴ってくれたね。『稲荷門・開門』いけ私の狐達」
旭の時同様、オブリドの前に巨大な木材の門が出現した。開くと提灯を咥えた狐がレオの周りを囲んだ。オブリドの姿は変わらなかったが、左手に持っていた刀が神楽鈴に変わった。オブリドはにやけ、レオに話した。
「よく聞けレオ、それはな……」
「うるせぇ」
レオはオブリドの話を聞かず、全ての狐を一瞬で燃やした。そして拳を構え、オブリドの殴りかかった。オブリドは慌てて神楽鈴を盾にし、距離をとった。
「き、君は一気全ての痛みを感じたのか!?」
「ガハハ! お前の驚いた顔なんて初めて見たぜ。あぁ俺の痛みの感覚はもうねぇ。体が死にかけてんだからな!」
するとその隙に怜がオブリドに斬りかかった。オブリドは刀に防ぎきったが、怜に続きレオが拳を構え、また殴りかかって来た。
「お、お前は化け物か!」
「これで最後だ『龍の一撃』」
レオは左目につけていた眼帯を取り、捨てた。左目は右目の赤い目とは違い、白目がなく全てが真っ赤な瞳だった。そして左目から何かが封印を解かれたように出て来た。その正体は真っ赤な肌を持つ少女だった。少女は青い目で、オレンジ色のおさげ髪だった。服装は真っ白なTシャツだった。
少女は真っ赤な翼を羽ばたかせ、レオの右拳に炎となり纏った。そしてレオは拳を構え、オブリドに殴りかかった。
その炎の勢いに葵は巻き込まれると予知し怜に話した。
「怜、このままじゃあの炎に飲み込まれる! 離れて!」
「マジかよ」
怜は葵から話を聞くとオブリドから距離をとり離れた。
そしてレオの拳は巨大な炎とともにオブリドに直撃した。直撃した衝撃に屋上は炎の海となり、怜は、屋上から飛び降りようと下を見た。その瞬間、旭が屋上のドアから勢いよく出てくると怜に駆け寄った。
「怜、そこに私の蔓がある。それで下に行くぞ」
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