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葵ちゃんと翔子のチート技
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オブリドの炎にレオは必死に争った。対するオブリドは余裕そうに立っていた。その様子を見た柚奈はレオが助けに来てくれたことを認識し、立ち上がった。
(レオさんの力にならないと)
しかし、殴られた跡が響き、刀を持ってゆっくり立ち上がった。横を見ると目を瞑った翔子が座禅を組んでいた。柚奈は刀を握りしめて走りだした。
「レオさんありがとうございます! 私も力に! 海龍抜刀『伝説の海龍斬り・極』」
柚奈の刀は青緑色の海水から黄金色の海水へと変化し、刀に纏った。柚奈は走り、レオの上を飛んだ。その瞬間、翔子が開眼し、叫んだ。
「今じゃ柚奈! 敵を撃つのじゃ。『攻撃弱体化』」
「いいじゃねぇか、これなら勝てる。『赤龍の尻尾』」
翔子が真っ赤に染まった目を開眼させると、何枚かの黒い羽がオブリドの狐火の周りを囲んだ。すると狐火の威力がどんどん下がっていった。チャンスだと捉えたレオは両手で狐火を握りつぶした。そして柚奈と共に、尻尾と刀でオブリドに攻撃を仕掛けた。
(隙ありだ。この俺の尻尾からは逃れはしないだろう。万が一逃れたとして、柚奈ってやつの刀がある。まぁここでこいつの終わりだろ)
(絶対ここで決めます)
二人は同時にオブリドに隙を与えぬよう上から柚奈、下からレオがオブリドの心臓を狙い攻撃をした。しかし、オブリドは守る気配もなく、また、腕を組んで攻撃を待っていた。
そして攻撃がオブリドに届いた。
「!?」
しかし、二人の攻撃はオブリドの心臓まで届かなかった。それどころか片手ずつで二人の攻撃を受けていた。右手でレオの尻尾を左手で柚奈の刀を握っていた。オブリドの左手からは少量の血が垂れた。
「あーあ、血が出ちゃったじゃん。『再構築・無力化』だよ? 前に結衣ちゃんが出さなかった? ちゃんとこういうのも対策しないとね。はい、お二人さんお疲れ様」
二人は次の攻撃手段を考えようとしたが、急に頭がぼやけてきた。そしてお腹に違和感を覚え、二人とも視線をお腹に移すと刀くらいの大きさの白い物が刺さっていた。二人は大量の血を吐き、武器かと一体化を解除し、オブリドの前で倒れた。
「ゆ、柚奈!」
慌てて翔子は『瞬間移動』を二人に出し、翔子の横に移動させた。オブリドは高らかに笑い話し始めた。
「あははは! いやー、残念だね。その刺さってるやつは『狐の牙』だよ。牙自体が対象の霊力と生命力を奪っていくんだ。早く私を殺さないと二人はあっという間に天国だよ」
「クソっ! 『妖術・松明を翳す鴉』」
翔子は怒りを感じながらオブリドの心臓を狙い小刀を構え、素早く走り出した。そして小刀で自分の小指の爪を剥ぎ取り、妖術を叫んだ。
すると一羽の真っ黒の翼に身を染めた鴉が翔子の陰から出現し、翔子の小指の爪を加え、オブリドの目の前で黒い液体となり、溶けていった。黒い液体は一瞬で、オブリドと翔子を包み、周りの空間は真っ暗になった。
(闇に包まれたこの世界はわしの庭じゃ。ここで奴を打つ)
するとオブリドの目の前に一つの松明が出現した。オブリドは近づくこともなく、ただただ、松明の今にも消えそうな明かりをじっと見ていた。
その隙に後ろから翔子のような影がオブリドに小刀を向け、襲いかかった。オブリドはすぐに鎌を生成し、翔子の小刀を抑え、返り討ちにした。しかし、鎌で斬られた翔子は血を出さず、大量の黒い羽が散って消えた。
「ふーん、なかなか面白い技だね。ぜひ、私の実験に取り入れたいね」
オブリドが意気揚揚と話しているとさらに二人の影が生まれ、オブリドに刃を向け攻撃を仕掛けた。しかし、その二人もあっさりとやられてしまった。
だが、影は増え続け、二人から四人、四人から八人、八人から十六人と影はどんどん倍になり、やられるたびに黒い羽が散っていった。
しかし、数分、黒い羽は増え続け、オブリドには傷を負わせることができなかった。オブリドは飽きてしまったのか、狐の人体を召喚させ、戦わせた。
「ねぇねぇ、もうそろそろ終わりでもいいよね?」
そう話すとオブリドはため息をつき地面に両手をつき、唱えた。
「さよならこの世界『再構築・無力か』と」
しかし、オブリドが何度唱えようと闇に包まれた暗黒の世界は消えず、影はオブリドに襲いかかってきた。すると翔子の声が聞こえてきた。
「ふん、無駄じゃよ。この世界はわしの世界じゃ。その羽がある限りはお主はここから出られんよ。なにせ、お主同様すべてを無効化するからの」
「はぁ、面倒なことをしてくれたね」
そう話すとオブリドは周りに大量の狐火を出した。そして合図を出し、狐火を影や羽に直撃させ、焼き始めた。
数分後、影は狐火で倒すことはできたが、羽は中々消去することができなかった。オブリドはストレスが溜まり、イラついてくると狐火の数と威力を増していった。
数時間後、黒い羽は減るどころか、影が増えていくとともに、羽もどんどん増えていった。
(レオさんの力にならないと)
しかし、殴られた跡が響き、刀を持ってゆっくり立ち上がった。横を見ると目を瞑った翔子が座禅を組んでいた。柚奈は刀を握りしめて走りだした。
「レオさんありがとうございます! 私も力に! 海龍抜刀『伝説の海龍斬り・極』」
柚奈の刀は青緑色の海水から黄金色の海水へと変化し、刀に纏った。柚奈は走り、レオの上を飛んだ。その瞬間、翔子が開眼し、叫んだ。
「今じゃ柚奈! 敵を撃つのじゃ。『攻撃弱体化』」
「いいじゃねぇか、これなら勝てる。『赤龍の尻尾』」
翔子が真っ赤に染まった目を開眼させると、何枚かの黒い羽がオブリドの狐火の周りを囲んだ。すると狐火の威力がどんどん下がっていった。チャンスだと捉えたレオは両手で狐火を握りつぶした。そして柚奈と共に、尻尾と刀でオブリドに攻撃を仕掛けた。
(隙ありだ。この俺の尻尾からは逃れはしないだろう。万が一逃れたとして、柚奈ってやつの刀がある。まぁここでこいつの終わりだろ)
(絶対ここで決めます)
二人は同時にオブリドに隙を与えぬよう上から柚奈、下からレオがオブリドの心臓を狙い攻撃をした。しかし、オブリドは守る気配もなく、また、腕を組んで攻撃を待っていた。
そして攻撃がオブリドに届いた。
「!?」
しかし、二人の攻撃はオブリドの心臓まで届かなかった。それどころか片手ずつで二人の攻撃を受けていた。右手でレオの尻尾を左手で柚奈の刀を握っていた。オブリドの左手からは少量の血が垂れた。
「あーあ、血が出ちゃったじゃん。『再構築・無力化』だよ? 前に結衣ちゃんが出さなかった? ちゃんとこういうのも対策しないとね。はい、お二人さんお疲れ様」
二人は次の攻撃手段を考えようとしたが、急に頭がぼやけてきた。そしてお腹に違和感を覚え、二人とも視線をお腹に移すと刀くらいの大きさの白い物が刺さっていた。二人は大量の血を吐き、武器かと一体化を解除し、オブリドの前で倒れた。
「ゆ、柚奈!」
慌てて翔子は『瞬間移動』を二人に出し、翔子の横に移動させた。オブリドは高らかに笑い話し始めた。
「あははは! いやー、残念だね。その刺さってるやつは『狐の牙』だよ。牙自体が対象の霊力と生命力を奪っていくんだ。早く私を殺さないと二人はあっという間に天国だよ」
「クソっ! 『妖術・松明を翳す鴉』」
翔子は怒りを感じながらオブリドの心臓を狙い小刀を構え、素早く走り出した。そして小刀で自分の小指の爪を剥ぎ取り、妖術を叫んだ。
すると一羽の真っ黒の翼に身を染めた鴉が翔子の陰から出現し、翔子の小指の爪を加え、オブリドの目の前で黒い液体となり、溶けていった。黒い液体は一瞬で、オブリドと翔子を包み、周りの空間は真っ暗になった。
(闇に包まれたこの世界はわしの庭じゃ。ここで奴を打つ)
するとオブリドの目の前に一つの松明が出現した。オブリドは近づくこともなく、ただただ、松明の今にも消えそうな明かりをじっと見ていた。
その隙に後ろから翔子のような影がオブリドに小刀を向け、襲いかかった。オブリドはすぐに鎌を生成し、翔子の小刀を抑え、返り討ちにした。しかし、鎌で斬られた翔子は血を出さず、大量の黒い羽が散って消えた。
「ふーん、なかなか面白い技だね。ぜひ、私の実験に取り入れたいね」
オブリドが意気揚揚と話しているとさらに二人の影が生まれ、オブリドに刃を向け攻撃を仕掛けた。しかし、その二人もあっさりとやられてしまった。
だが、影は増え続け、二人から四人、四人から八人、八人から十六人と影はどんどん倍になり、やられるたびに黒い羽が散っていった。
しかし、数分、黒い羽は増え続け、オブリドには傷を負わせることができなかった。オブリドは飽きてしまったのか、狐の人体を召喚させ、戦わせた。
「ねぇねぇ、もうそろそろ終わりでもいいよね?」
そう話すとオブリドはため息をつき地面に両手をつき、唱えた。
「さよならこの世界『再構築・無力か』と」
しかし、オブリドが何度唱えようと闇に包まれた暗黒の世界は消えず、影はオブリドに襲いかかってきた。すると翔子の声が聞こえてきた。
「ふん、無駄じゃよ。この世界はわしの世界じゃ。その羽がある限りはお主はここから出られんよ。なにせ、お主同様すべてを無効化するからの」
「はぁ、面倒なことをしてくれたね」
そう話すとオブリドは周りに大量の狐火を出した。そして合図を出し、狐火を影や羽に直撃させ、焼き始めた。
数分後、影は狐火で倒すことはできたが、羽は中々消去することができなかった。オブリドはストレスが溜まり、イラついてくると狐火の数と威力を増していった。
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