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葵ちゃんと戦闘
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オブリドの鎌が二人を切り裂きに来ると、柚奈は刀で受けようと構えていた。その様子を見た翔子が咄嗟に叫んだ。
「ダメじゃ柚奈! 避けるのじゃ!」
「は、はい!」
柚奈は翔子の咄嗟の大声に驚きながらもオブリドの鎌をジャンプし、避けることができた。二人の様子を見たオブリドがクスリと笑い、鎌を背負い話し出した。
「いや~流石だね。ちょっと見ただけで私の武器の特徴をつかむなんて」
「ど、どういうことですか?」
困惑する柚奈に翔子が冷や汗を垂らし、話した。
「あの武器じゃが、どこかで見覚えがないか? あれはリリィが使っていた呪いの武器じゃ」
「あはは、やっぱりバレちゃってるか。だったらリリィちゃんに貸さなきゃよかった」
「あの武器は使用者の霊力を吸い取り、強さを増す。あやつの霊力は化け物じゃ。あの攻撃を喰らえば、武器化した豊姫にまでダメージが入る。柚奈よ、距離を取りながら戦うのじゃ」
「はい、分かりました『水切り』」
柚奈は翔子の指示に従い、『水切り』を連発してオブリドから距離をとった。翔子も距離を取りながらクナイを投げ攻撃をした。しかし、二人の攻撃は弾かれたり、外れたりとオブリドには当たることはなく、学校の壁や床に当たった。
その衝撃は一階にいる旭まで伝わった。
(!? な、なんの音だ。やはり、敵が来たのか。速く二人に合流して私も戦わないと。でも……今私が離れたら怜は。クソ! どうすれば。は!)
旭は何かに気づき、霊力を床に貯めた。慎重に霊力を床に流し込み、オブリドにバレないよう、霊力を少しずつ使って行った。
二人は遠距離攻撃をしながらオブリドから距離を取るが、オブリドは歩きながら鎌を軽く振り、容易く二人の攻撃を避けた。
「師匠、これでは埒があきません。何か感じることとかはありますか?」
「すまぬ。奴の身体の霊力を探ってはおるが、分からぬ。なんじゃあの気持ちが悪い霊力の流れは」
「ねぇねぇ、もう攻撃するよ? ふわ~、なんだか眠くなってきちゃった。てか、速く実験の続きしたいからあの守護霊返してよ」
「絶対に返しません」
「よせ! 柚奈」
オブリドの言葉に頭に血が上った柚奈は『水切り』をやめ、飛び出した。飛び出してきた柚奈に対し、オブリドは鎌を構えて柚奈を待った。
「『地球を背負う大魚形態』」
「ほう、どこまで戦えるかな」
柚奈は『地球を背負う大魚形態』を発動すると、飛んだ柚奈の床から魔法陣が現れ、一瞬にしてそこからコバルトブルーな海水が柚奈に纏い、柚奈は姿を変えた。レベルアップしたのか柚奈の見た目は前ほど変わってはないが、鱗や鰭が色鮮やかな青緑色に光り出した。刀も同じく青緑色の海水を纏い、柚奈はオブリドに斬りかかった。
オブリドは余裕そうな表情で鎌を軽々しく回し、柚奈の刀を受け流した。
「あなたを必ずここで討ちます」
「その意気込みはいいね。でもね、上には上がいることを知っておかないとね」
オブリドがそう話すと鎌で柚奈の刀を上に弾き、空いた右手の平で柚奈の腹めがけ発勁を放った。発勁をもろに食らった柚奈は飛ばされ、階段の前まで飛び、床に倒れて血を吐いた。
その隙に翔子は一体化し、オブリドの後ろに『瞬間移動』で回り込んだ。そして翔子は愛刀『鴉の嘴』を構え、オブリドに攻撃を仕掛けた。
「隙ありじゃ」
翔子がオブリドの後ろから小刀を突き刺そうとした瞬間、オブリドは左手で鎌を後ろに向け、ギリギリのところで、翔子の小刀を防いだ。翔子は舌打ちをし、オブリドから距離をとった。
「いや~、惜しかったね。まぁ分かってたんだけど、ギリギリの方がドキドキしな? さてと、次はあなたの番だね」
「口が減らないの。この忌々しい悪霊使いめ」
「仕方ないじゃーん。私だってこの子を悪霊にしたいわけじゃなかったんだよ?」
オブリドが余裕そうに話していると、翔子は走り出し、翼を羽ばたかせ、上からオブリドの首を狙って斬りかかった。攻撃を仕掛けてきた翔子に対し、オブリドは溜息をついて鎌で防御した。
「ちょっと、まだ喋ってる途中なんだけど? 最近は実験で忙しくてね、誰とも喋る機会がなかったんだよ? 敵とはいえ少しくらい私の話聞いてよー」
「ふん、誰がお主に耳を傾けるか。わしは速くお主を倒して奪われた記憶を取り戻すのじゃ」
「えー、それはちょっとダメだな」
「お主、ふざけておるのか。では、力を出させる前に殺してやるのじゃ『勝利への導き』」
すると翔子の視覚には黒い線が引かれ、オブリドを倒す道が表された。翔子は小刀を構えると、深呼吸をし、翼を羽ばたかせて走り出した。その速さはさっきとは比べ物にならない速さで、一瞬でオブリドの前に移動した。
オブリドは鎌を向け、素早い翔子の動きに合わせて防御した。翔子の小刀とオブリドの鎌が交じり合うとカキンカキンと金属音が鳴り響いた。
その音を聞いた柚奈がお腹を押さえながら起き上がった。
「ダメじゃ柚奈! 避けるのじゃ!」
「は、はい!」
柚奈は翔子の咄嗟の大声に驚きながらもオブリドの鎌をジャンプし、避けることができた。二人の様子を見たオブリドがクスリと笑い、鎌を背負い話し出した。
「いや~流石だね。ちょっと見ただけで私の武器の特徴をつかむなんて」
「ど、どういうことですか?」
困惑する柚奈に翔子が冷や汗を垂らし、話した。
「あの武器じゃが、どこかで見覚えがないか? あれはリリィが使っていた呪いの武器じゃ」
「あはは、やっぱりバレちゃってるか。だったらリリィちゃんに貸さなきゃよかった」
「あの武器は使用者の霊力を吸い取り、強さを増す。あやつの霊力は化け物じゃ。あの攻撃を喰らえば、武器化した豊姫にまでダメージが入る。柚奈よ、距離を取りながら戦うのじゃ」
「はい、分かりました『水切り』」
柚奈は翔子の指示に従い、『水切り』を連発してオブリドから距離をとった。翔子も距離を取りながらクナイを投げ攻撃をした。しかし、二人の攻撃は弾かれたり、外れたりとオブリドには当たることはなく、学校の壁や床に当たった。
その衝撃は一階にいる旭まで伝わった。
(!? な、なんの音だ。やはり、敵が来たのか。速く二人に合流して私も戦わないと。でも……今私が離れたら怜は。クソ! どうすれば。は!)
旭は何かに気づき、霊力を床に貯めた。慎重に霊力を床に流し込み、オブリドにバレないよう、霊力を少しずつ使って行った。
二人は遠距離攻撃をしながらオブリドから距離を取るが、オブリドは歩きながら鎌を軽く振り、容易く二人の攻撃を避けた。
「師匠、これでは埒があきません。何か感じることとかはありますか?」
「すまぬ。奴の身体の霊力を探ってはおるが、分からぬ。なんじゃあの気持ちが悪い霊力の流れは」
「ねぇねぇ、もう攻撃するよ? ふわ~、なんだか眠くなってきちゃった。てか、速く実験の続きしたいからあの守護霊返してよ」
「絶対に返しません」
「よせ! 柚奈」
オブリドの言葉に頭に血が上った柚奈は『水切り』をやめ、飛び出した。飛び出してきた柚奈に対し、オブリドは鎌を構えて柚奈を待った。
「『地球を背負う大魚形態』」
「ほう、どこまで戦えるかな」
柚奈は『地球を背負う大魚形態』を発動すると、飛んだ柚奈の床から魔法陣が現れ、一瞬にしてそこからコバルトブルーな海水が柚奈に纏い、柚奈は姿を変えた。レベルアップしたのか柚奈の見た目は前ほど変わってはないが、鱗や鰭が色鮮やかな青緑色に光り出した。刀も同じく青緑色の海水を纏い、柚奈はオブリドに斬りかかった。
オブリドは余裕そうな表情で鎌を軽々しく回し、柚奈の刀を受け流した。
「あなたを必ずここで討ちます」
「その意気込みはいいね。でもね、上には上がいることを知っておかないとね」
オブリドがそう話すと鎌で柚奈の刀を上に弾き、空いた右手の平で柚奈の腹めがけ発勁を放った。発勁をもろに食らった柚奈は飛ばされ、階段の前まで飛び、床に倒れて血を吐いた。
その隙に翔子は一体化し、オブリドの後ろに『瞬間移動』で回り込んだ。そして翔子は愛刀『鴉の嘴』を構え、オブリドに攻撃を仕掛けた。
「隙ありじゃ」
翔子がオブリドの後ろから小刀を突き刺そうとした瞬間、オブリドは左手で鎌を後ろに向け、ギリギリのところで、翔子の小刀を防いだ。翔子は舌打ちをし、オブリドから距離をとった。
「いや~、惜しかったね。まぁ分かってたんだけど、ギリギリの方がドキドキしな? さてと、次はあなたの番だね」
「口が減らないの。この忌々しい悪霊使いめ」
「仕方ないじゃーん。私だってこの子を悪霊にしたいわけじゃなかったんだよ?」
オブリドが余裕そうに話していると、翔子は走り出し、翼を羽ばたかせ、上からオブリドの首を狙って斬りかかった。攻撃を仕掛けてきた翔子に対し、オブリドは溜息をついて鎌で防御した。
「ちょっと、まだ喋ってる途中なんだけど? 最近は実験で忙しくてね、誰とも喋る機会がなかったんだよ? 敵とはいえ少しくらい私の話聞いてよー」
「ふん、誰がお主に耳を傾けるか。わしは速くお主を倒して奪われた記憶を取り戻すのじゃ」
「えー、それはちょっとダメだな」
「お主、ふざけておるのか。では、力を出させる前に殺してやるのじゃ『勝利への導き』」
すると翔子の視覚には黒い線が引かれ、オブリドを倒す道が表された。翔子は小刀を構えると、深呼吸をし、翼を羽ばたかせて走り出した。その速さはさっきとは比べ物にならない速さで、一瞬でオブリドの前に移動した。
オブリドは鎌を向け、素早い翔子の動きに合わせて防御した。翔子の小刀とオブリドの鎌が交じり合うとカキンカキンと金属音が鳴り響いた。
その音を聞いた柚奈がお腹を押さえながら起き上がった。
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