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柚奈は何かに気づく
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一瞬で灰となった瓦礫を見た柚奈は顔を真っ青にしてその威力を実感した。
(これが奴の八十パーセント!? 凄まじい威力です。もしあれがまともに当てっていたら、今頃私は形一つ残らずに消え去っていたでしょう。まだ瓦礫はありますが、そんことをして時間を稼いでも、時間の無駄です。旭ちゃんが行動不能と考えると私があの少年を……やるしかないようですね)
「ギヒ、見たか女! これがお前を焼き尽くす炎だ。安心しろ、残った灰でしっかり芸術としてこの世に残してやるよ。まぁだが、その絵も気に食わなかったら捨てちまうかもしれないがな」
「誰が柚ちゃんを灰なんかにさせますか! 柚ちゃん! 私たちも反撃しよう」
「そうしたいのは山々ですが……」
何も考えないしに突っ込みたい脳筋派の豊姫が負けじと少年に向かって話すが、作戦を上手く立てれていない柚奈にとってはただの火に油を注ぐだけの行為にしか見えなかった。
「はははは! 見ろよ馬鹿な守護霊のおかげで奴らには作戦がないことがはっきりわかったぜ。さぁ燃え尽きろ」
少年が不敵な笑みを浮かべた後、さっきと同じように口から炎を噴いた。それと同時に柚奈は近くにある瓦礫を盾にするために飛び、避けた。また、炎は瓦礫に衝突すると一瞬で瓦礫は灰となってしまった。
中々攻めずらい柚奈に対し、豊姫が柚奈に小さな声で何やら声をかけた。柚奈は頷くとまたさっきと同じように瓦礫の後ろに隠れた。
それを繰り返し、瓦礫は残りわずかとなってしまった。少年はニヤリと笑い、炎を噴くのをやめ、柚奈を煽った。
「おいおい、これで終わりかよ。残りの盾ももう僅か。お前の負けだ! さっさとその死に様を俺に拝ましてくれや」
「今だ! 柚ちゃん。走れ!」
いきなり豊姫が柚奈に合図を出すと、柚奈は自分から姿を現し、走った。柚奈の姿を確認した少年は急いで、炎を柚奈目掛け放出した。
しかし、その炎は柚奈には命中しなかった。それどころか柚奈の姿は一瞬で消えていた。少年の炎が瓦礫に当たると少年は辺りを見回し、柚奈を探した。
(何!? さっきまであの女の姿は目で余裕で追えていたはずなのに。この俺の目から逃げ切れただと!? ありえない。俺は確かにあの女の姿を目視して炎を放出したはずだ。一体どこに)
少年はふと後ろを振り向くと、少年が出た後の炎の塊は炎のかけらもなく、ぽっこり人が入れる穴が空いていた。少年はまさかと思い、近付いて周りの匂いを嗅ぐと、塩の匂いを察知した。
(あの女……俺の目から逃れるだけでなく、俺の卵を完全に消してから奥に行きやがった。クソ! 俺のことは無視か。こんなに舐められたのはオブリド以来だぜ)
少年は顔の血管が浮き出るほどの怒りを覚えるとあまりの怒りで巨大な尻尾を教室に叩き付けた。尻尾が教室の床に衝突すると瓦礫は舞い、そこにあった机や椅子は粉砕された。その後、少年は穴を潜り、隣の教室に移動した。
その頃柚奈は力をコントロールし、瓦礫に埋もれる旭を助け出した。
「良かったです……どうやら旭ちゃんは無事のようです。でも、意識がないのが不安です」
「仕方ない。とりあえず旭ちゃんを安全なところに避難させよう」
「はい、分かりました。にしても豊ちゃんがこの力を使えって言った時には私驚きました」
「あぁリヴァイアサンの力ね。もう柚ちゃんなら完全に支配できるでしょって思って信じた訳だよ。それのおかげで上手くいったしね」
柚奈はリヴァイアサンの力を制御しながら、旭をお姫様抱っこすると少年が壊した窓を利用し、外に出た。その間、柚奈は旭に声をかけ続けたが、応答はなかった。朝顔ですらも応答はなかったため、結構な霊力を消費したと考え、旭を廃校の茂みに寝かせた。
「これで一先ず、旭ちゃんは大丈夫でしょう。後、豊ちゃんって意外に頭の起点が効くんですね。話は戻りますが、この力を使った時、きちんと進路も示してくれたじゃないですか」
「なんだよ意外って! 私だって守護神ですから頭はいい方なんだよ。まぁ進路に関しては瓦礫ごとアイツが吹っ飛ばしてくれたお陰で、できた作戦だからね」
豊姫は柚奈に少年が炎で開けてくれた道を進むよう指示し、リヴァイアサンの力を使ってさらに加速させて逃げ出すよう指示をしたのだ。しかも、力を使うタイミングもすぐではなく、飛び出して顔を見せて炎を放出する直前に力を使うよう指示したのだ。
柚奈はリヴァイアサンの力を解除するとまた、豊姫に質問をした。
「あと、どうして力を使うタイミングをわざと指定したのですか?」
「それは彼が、炎を放出する時に思いっきり上を向くからそのタイミングで、残像を作りつつ逃げれると思ったからだよ~しかもその方が成功率は断然高いと思ったからね」
「ほう~」
納得する柚奈だったが、その休みも束の間、教室からは少年の炎と思われる火が廃校の右側を包んだ。そして大きな音と同時に廃校の右側は炎とともに崩れ落ちた。大きな音は町中に聞こえるくらい大きな音だった。
流石の柚奈も耳を抑え、その大きさに驚いた。しかし、不思議に思ったこともあった。
(何故でしょう。ここまで大きな物音に対しての反応。そしてリリィ戦のときの人気のなさ。これはおかしすぎる! ここまで大きいと流石に近所の人は起きるはず。結界がどうこうの話じゃ治りません。これは……街の名前どころの騒ぎじゃないです)
(これが奴の八十パーセント!? 凄まじい威力です。もしあれがまともに当てっていたら、今頃私は形一つ残らずに消え去っていたでしょう。まだ瓦礫はありますが、そんことをして時間を稼いでも、時間の無駄です。旭ちゃんが行動不能と考えると私があの少年を……やるしかないようですね)
「ギヒ、見たか女! これがお前を焼き尽くす炎だ。安心しろ、残った灰でしっかり芸術としてこの世に残してやるよ。まぁだが、その絵も気に食わなかったら捨てちまうかもしれないがな」
「誰が柚ちゃんを灰なんかにさせますか! 柚ちゃん! 私たちも反撃しよう」
「そうしたいのは山々ですが……」
何も考えないしに突っ込みたい脳筋派の豊姫が負けじと少年に向かって話すが、作戦を上手く立てれていない柚奈にとってはただの火に油を注ぐだけの行為にしか見えなかった。
「はははは! 見ろよ馬鹿な守護霊のおかげで奴らには作戦がないことがはっきりわかったぜ。さぁ燃え尽きろ」
少年が不敵な笑みを浮かべた後、さっきと同じように口から炎を噴いた。それと同時に柚奈は近くにある瓦礫を盾にするために飛び、避けた。また、炎は瓦礫に衝突すると一瞬で瓦礫は灰となってしまった。
中々攻めずらい柚奈に対し、豊姫が柚奈に小さな声で何やら声をかけた。柚奈は頷くとまたさっきと同じように瓦礫の後ろに隠れた。
それを繰り返し、瓦礫は残りわずかとなってしまった。少年はニヤリと笑い、炎を噴くのをやめ、柚奈を煽った。
「おいおい、これで終わりかよ。残りの盾ももう僅か。お前の負けだ! さっさとその死に様を俺に拝ましてくれや」
「今だ! 柚ちゃん。走れ!」
いきなり豊姫が柚奈に合図を出すと、柚奈は自分から姿を現し、走った。柚奈の姿を確認した少年は急いで、炎を柚奈目掛け放出した。
しかし、その炎は柚奈には命中しなかった。それどころか柚奈の姿は一瞬で消えていた。少年の炎が瓦礫に当たると少年は辺りを見回し、柚奈を探した。
(何!? さっきまであの女の姿は目で余裕で追えていたはずなのに。この俺の目から逃げ切れただと!? ありえない。俺は確かにあの女の姿を目視して炎を放出したはずだ。一体どこに)
少年はふと後ろを振り向くと、少年が出た後の炎の塊は炎のかけらもなく、ぽっこり人が入れる穴が空いていた。少年はまさかと思い、近付いて周りの匂いを嗅ぐと、塩の匂いを察知した。
(あの女……俺の目から逃れるだけでなく、俺の卵を完全に消してから奥に行きやがった。クソ! 俺のことは無視か。こんなに舐められたのはオブリド以来だぜ)
少年は顔の血管が浮き出るほどの怒りを覚えるとあまりの怒りで巨大な尻尾を教室に叩き付けた。尻尾が教室の床に衝突すると瓦礫は舞い、そこにあった机や椅子は粉砕された。その後、少年は穴を潜り、隣の教室に移動した。
その頃柚奈は力をコントロールし、瓦礫に埋もれる旭を助け出した。
「良かったです……どうやら旭ちゃんは無事のようです。でも、意識がないのが不安です」
「仕方ない。とりあえず旭ちゃんを安全なところに避難させよう」
「はい、分かりました。にしても豊ちゃんがこの力を使えって言った時には私驚きました」
「あぁリヴァイアサンの力ね。もう柚ちゃんなら完全に支配できるでしょって思って信じた訳だよ。それのおかげで上手くいったしね」
柚奈はリヴァイアサンの力を制御しながら、旭をお姫様抱っこすると少年が壊した窓を利用し、外に出た。その間、柚奈は旭に声をかけ続けたが、応答はなかった。朝顔ですらも応答はなかったため、結構な霊力を消費したと考え、旭を廃校の茂みに寝かせた。
「これで一先ず、旭ちゃんは大丈夫でしょう。後、豊ちゃんって意外に頭の起点が効くんですね。話は戻りますが、この力を使った時、きちんと進路も示してくれたじゃないですか」
「なんだよ意外って! 私だって守護神ですから頭はいい方なんだよ。まぁ進路に関しては瓦礫ごとアイツが吹っ飛ばしてくれたお陰で、できた作戦だからね」
豊姫は柚奈に少年が炎で開けてくれた道を進むよう指示し、リヴァイアサンの力を使ってさらに加速させて逃げ出すよう指示をしたのだ。しかも、力を使うタイミングもすぐではなく、飛び出して顔を見せて炎を放出する直前に力を使うよう指示したのだ。
柚奈はリヴァイアサンの力を解除するとまた、豊姫に質問をした。
「あと、どうして力を使うタイミングをわざと指定したのですか?」
「それは彼が、炎を放出する時に思いっきり上を向くからそのタイミングで、残像を作りつつ逃げれると思ったからだよ~しかもその方が成功率は断然高いと思ったからね」
「ほう~」
納得する柚奈だったが、その休みも束の間、教室からは少年の炎と思われる火が廃校の右側を包んだ。そして大きな音と同時に廃校の右側は炎とともに崩れ落ちた。大きな音は町中に聞こえるくらい大きな音だった。
流石の柚奈も耳を抑え、その大きさに驚いた。しかし、不思議に思ったこともあった。
(何故でしょう。ここまで大きな物音に対しての反応。そしてリリィ戦のときの人気のなさ。これはおかしすぎる! ここまで大きいと流石に近所の人は起きるはず。結界がどうこうの話じゃ治りません。これは……街の名前どころの騒ぎじゃないです)
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