守護霊になった葵ちゃんと一緒に悪霊退治を始めることになった

メロンジャム

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赤い朝顔の花言葉

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 結衣が技名を死にものぐるいで叫ぶと結衣の前に突然、鏡が現れた。鏡は向かってくる豊姫を写した。そして鏡は真夜中の廃校から光り輝きながら、結衣に向かって接近した。鏡は結衣の体をじわじわと飲み込んだ。結衣の容姿は豊姫、いや、柚奈そっくりの見た目に変わった。変わったのは見た目だけでなく、さっきまで持っていた刀『絶海の刀』から『海に眠る刀』へと変わっており、豊姫同様にコバルトブルーな鮮明な海が結衣の体を纏っていた。

(今更何を、私は柚ちゃんに誓ったんだ。この力であいつを倒すって。だから! これ以上抵抗しないでよ)

 豊姫は柚奈の体を気遣い、すぐに終わらせたかったが、結衣はそうはさせてくれなかった。結衣は刀を構え、豊姫と同じ構えで突撃した。二人とも激しい技の威力だったので、ぶつかった時の衝撃を覚悟し、お互いにぶつかった。
 結衣が歯を食いしばり、豊姫にぶつかる直前、膨大な霊力の塊が急接近してくるのを察知した。しかし、それも束の間、結衣が気づいた時には遅く、その霊力の塊は一瞬にして結衣を吹っ飛ばした。
 吹っ飛ばされた結衣を見ると豊姫は立ち止まり、結衣の方をみた。するとそこには旭がいた。

「旭……ちゃん?」
「・・・」

 旭は何も話さなかった。結衣は元の姿に戻り、血を吐いて倒れていた。旭の体は赤いオーラを放っており、周りの朝顔も赤く咲いていた。結衣が血を吐きならも立ち上がろうとすると旭は拳を構えた。豊姫は手を伸ばし、声をかけた。

「旭ちゃん! ダメ! もうその子は戦えないよ」
「がはっ、はぁはぁ……」

 咳とともに血を吐く結衣に旭は拳を振り上げた。まるで豊姫の声が届いていない様だ。豊姫は走って手を伸ばすがその手は旭まで届くことはなかった。旭は振り上げた拳で思いっきり結衣の腹を殴り飛ばすと、結衣は飛んで数メートル離れて倒れた。
 そして結衣は光に包まれて煤となって天に昇っていった。その様子を見た豊姫はプチっと堪忍袋の脳が切れ、旭に近づいた。しかし、いきなり朝顔が必死に話しかけた。

「ダメです! 豊ちゃん。今は近づいてはいけません」
「え!?」

 豊姫は朝顔の叫びに立ち止まった。すると旭はフラフラしながら歩き始めた。

「どうしてなの朝顔ちゃん」
「旭ちゃんは今、『花言葉はなことば儚い情熱的な愛あか』を使ってしまったのです。この技の能力は儚い愛だからこそ少しの間だけ、人間を超えた異次元的な強さを手に入れられません。しかし、それと同時に周りの人たちは全て敵だと認識してしまいます。さっきは私が頑張って豊ちゃんの存在を消す様に仕向けたのでいいですが、今はもう限界でいつ豊ちゃんが敵として認識されるかわかりません。なのでなるべく存在を無くしてください」
「お、おうわかったよ。頑張ってみる。じゃ柚ちゃん後は頼んだ」
「わかりました」

 豊姫は憑依を解除し、柚奈に戻った。柚奈はさっき朝顔に言われた通り、旭からは距離をとってなるべく存在感を消す様に様子を見た。旭はゾンビの様にフラフラしながら赤いオーラを放っていた。廃校の茂みに隠れた柚奈は大丈夫だろうと油断して様子を伺った。
 旭の動きがピタッと止まった。技の時間が終わったと思った柚奈は一安心するとそこにはもう旭の姿はなかった。柚奈は驚き周りを見渡すと旭が拳を構えて上から接近してきた。柚奈はなんとか刀で守ったが、旭の拳は鉄の様に固く、人間離れした様な拳だった。

「旭ちゃん。私です。今から葵ちゃんを取り戻しに行く約束をしたではありませんか! 旭ちゃん、なんとか自我を取り戻してください」

 柚奈は刀で旭からの攻撃を耐えながら話すが、その言葉も旭の耳には届いておらず、赤いオーラを放ちながら拳や蹴りを飛ばした。
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