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オブリドの技
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旭が接近し、拳を力強く握り構えると結衣は待っていたかのように盾を構えた。そして旭はそのまま真正面から突っ込むと結衣はニヤリと笑った。
「あなたのその前から突っ込むだけの性格、私は好きだよ。なんでかって? それは~殺しやすいからだよ」
「何!?」
「『目殺しの盾』あなたの目にはもう光は届かないわ」
「は!?」
結衣の持っていた盾のテープが破けちると、盾は開きその中からは盾に収まらないくらい大きな目がギョロリとあった。その目が閃光玉のように光り、旭は直視してしまったため、光を失った。
盾は役目を終えると消えてしまった。旭は光を食らうと目が麻痺し、その場で近くを殴り始めた。
適当なパンチは結衣に届くはずもなく、結衣は余裕そうな表情をして話した。
「あら? どこを狙っているのかしら私はここですよ」
「クソ! なめやがって!」
「旭ちゃん。そんな出鱈目なパンチじゃ通りませんよ」
(朝顔の言う通り私の適当な位置を狙ったパンチはどうやら通らないのは知っている。だが、相手を油断させて目が回復すればこっちのものだ。さてあとどのくらいで回復するか)
旭は目が見えない中、感覚や聴覚を研ぎ澄まし、相手の位置を予測して攻撃をした。しかし、どれも全て軽く避けられてしまい、結衣は遊んでいるようだった。
数分後、結衣は飽きてしまったのか立ち止まり話した。
「はぁ~もう終わりかなぁ。旭ちゃんだっけ? そろそろ死んでもらうよ」
「ふん。それはどうかな私はまだ耳と感覚でお前がどこにいるかわかるぜ。目がなくともそれだけで十分だ」
「ふーん。じゃ次は私が行くよ」
(とりあえず、目が見えなくて不憫だが、あともう少しで回復するはず。それまではあいつの攻撃を耐えなければ)
「旭ちゃん攻撃です」
朝顔の声とともに結衣は刀を構え接近してきた。足音で大体どこらへんにいるかは予想はつくが、どんな方向から攻撃してくるかは予想がつかなかった。とりあえず拳を構えてみたものの、どう反撃するか定まらなかった。
結衣は旭に接近すると風を斬り、旭に斬りかかった。結衣の刀は旭の腕や足など身体中を斬りつけた。旭は反撃ができず、傷を抑えながら次の攻撃の警戒をした。しかし、旭は結衣の攻撃を読めきれず、どんどん傷が広がっていった。旭のオレンジ色を基調としたジャージはどんどんボロボロになっていき、肌の露出が増えた。
「どうかしら? ワザと致命傷を負わせないよう優しく斬り刻んだけど、反撃できそう?」
「あぁもう少しで本気が出せるぜ。これで準備体操は終わりだな」
「まだそんな減らず口が叩ける元気があるようね」
(まだだ。あとほんの数秒で治るはず。そう信じれば、きっと回復するはず)
結衣は何かに気付いたのか片手で口を押さえ、旭を見下すように笑い始めた。
「ウフフ、もしかしてあなた目が治るとでも思ってるの? 無理無理私の出した盾はね。相手の目を麻痺どころか直視した場合は失明するのよ。だからあなたは一生光を見ることはないわ。じゃね、さようなら」
(そんな……私の目が一生開かないなんて!? 嘘だ嘘だ。私はこのまま)
結衣は刀を構えると刀から海水が溢れ出てきた。そして結衣は走りだし、肩は海水を纏い、長くなった。失明と聞いて絶望した旭はそのまま立ち尽くしていた。まるで死を待っているかのようだった。
一方、柚奈は旭の能力をパクった結衣と戦っていた。柚奈は刀を振るい、果敢に攻めた。対する結衣は頑丈そうな朝顔の蔓でできたグローブを両手に装備していた。
柚奈は海水を溢れ出しながら結衣の首を斬り落とすように斬りかかった。結衣は避けたり、装備しているグローブで弾いたりして防いだ。しかし、柚奈が疑問に思ったのは結衣が反撃してこないことだった。もちろん反撃をしたら霊力を大きく減らしてしまうことには変わりはないが、反撃できる隙はあったのになぜと柚奈は考えたが、このまま押し切ろうと警戒しながらも刀を振るった。
「中々の斬り筋だね。刀変えたの? 私それは写せないなぁ」
「うるさいです。あなたは今真剣に戦っていないようですが、狙いはなんですか?」
「そうだね。狙いはあなたとお友達になることかしら。私、友達はほとんど殺しちゃったからさ」
「では、あなたももうじきそのお友達のところに送ってあげます」
「柚ちゃん。同じペースに合わせないで。きっとまた変なことをしてくるはずだよ」
「ありがとうございます。先輩のためにもこの子は私がやります」
柚奈は真剣な眼差しで刀を振り、攻防を繰り広げた。柚奈の先輩という言葉に結衣は興味を持った。
「ねぇ先輩って誰? 気になるな」
「あなたには絶対教えません」
「あれ? まさか私が墓場で仕留め損なった冬風くんかぁ。冬風くん、私好きなんだよね。殺したくなるほどね」
「くっ。よくも先輩を!」
柚奈は熱くなりさっきよりも剣筋が激しくなり、霊力をたくさん消費しながら技を出した。結衣は技を出してくる柚奈に対し、何もせず、ただただ避けたり技を食らいながらも守っていた。
「先ほどから何もしてきませんね。さっさとけりをつけましょう。『竜殺しの刀・海』リヴァイアサンを超えた力です。これで王手です」
「なるほど。あなたはあの暴走した力をコントロールできるようになったんですね。では、拝見しましょう」
柚奈は刀を強く握り、構えた。すると柚奈の周りは光り輝くコバルトブルーの海が広がり、その上を柚奈は駆け抜けた。刀もコバルトブルーに光り輝き、海水が刀を纏った。結衣に接近すると柚奈は大きく刀を振り上げた。結衣は後ろに避けようとすると海水が壁になり、結衣の避けるルートを妨害した。避けられない結衣はそのまま立ち尽くすと柚奈は刀を結衣の首筋狙って斬りかかった。
しかし、結衣はピンチであるのに余裕そうな表情をしていた。どこか気味が悪かったが柚奈はそのままいった。
「彼の方の能力を使う時が来たとは、任務のためですね。また怒られそうだけどまぁいいか。『再構築・無力化』」
柚奈の刀は結衣の首まで届いたが、斬り落とすことができなかった。それだけでなく、刀を纏っていた海水は消え、周りの海も消え去っていた。
「あなたのその前から突っ込むだけの性格、私は好きだよ。なんでかって? それは~殺しやすいからだよ」
「何!?」
「『目殺しの盾』あなたの目にはもう光は届かないわ」
「は!?」
結衣の持っていた盾のテープが破けちると、盾は開きその中からは盾に収まらないくらい大きな目がギョロリとあった。その目が閃光玉のように光り、旭は直視してしまったため、光を失った。
盾は役目を終えると消えてしまった。旭は光を食らうと目が麻痺し、その場で近くを殴り始めた。
適当なパンチは結衣に届くはずもなく、結衣は余裕そうな表情をして話した。
「あら? どこを狙っているのかしら私はここですよ」
「クソ! なめやがって!」
「旭ちゃん。そんな出鱈目なパンチじゃ通りませんよ」
(朝顔の言う通り私の適当な位置を狙ったパンチはどうやら通らないのは知っている。だが、相手を油断させて目が回復すればこっちのものだ。さてあとどのくらいで回復するか)
旭は目が見えない中、感覚や聴覚を研ぎ澄まし、相手の位置を予測して攻撃をした。しかし、どれも全て軽く避けられてしまい、結衣は遊んでいるようだった。
数分後、結衣は飽きてしまったのか立ち止まり話した。
「はぁ~もう終わりかなぁ。旭ちゃんだっけ? そろそろ死んでもらうよ」
「ふん。それはどうかな私はまだ耳と感覚でお前がどこにいるかわかるぜ。目がなくともそれだけで十分だ」
「ふーん。じゃ次は私が行くよ」
(とりあえず、目が見えなくて不憫だが、あともう少しで回復するはず。それまではあいつの攻撃を耐えなければ)
「旭ちゃん攻撃です」
朝顔の声とともに結衣は刀を構え接近してきた。足音で大体どこらへんにいるかは予想はつくが、どんな方向から攻撃してくるかは予想がつかなかった。とりあえず拳を構えてみたものの、どう反撃するか定まらなかった。
結衣は旭に接近すると風を斬り、旭に斬りかかった。結衣の刀は旭の腕や足など身体中を斬りつけた。旭は反撃ができず、傷を抑えながら次の攻撃の警戒をした。しかし、旭は結衣の攻撃を読めきれず、どんどん傷が広がっていった。旭のオレンジ色を基調としたジャージはどんどんボロボロになっていき、肌の露出が増えた。
「どうかしら? ワザと致命傷を負わせないよう優しく斬り刻んだけど、反撃できそう?」
「あぁもう少しで本気が出せるぜ。これで準備体操は終わりだな」
「まだそんな減らず口が叩ける元気があるようね」
(まだだ。あとほんの数秒で治るはず。そう信じれば、きっと回復するはず)
結衣は何かに気付いたのか片手で口を押さえ、旭を見下すように笑い始めた。
「ウフフ、もしかしてあなた目が治るとでも思ってるの? 無理無理私の出した盾はね。相手の目を麻痺どころか直視した場合は失明するのよ。だからあなたは一生光を見ることはないわ。じゃね、さようなら」
(そんな……私の目が一生開かないなんて!? 嘘だ嘘だ。私はこのまま)
結衣は刀を構えると刀から海水が溢れ出てきた。そして結衣は走りだし、肩は海水を纏い、長くなった。失明と聞いて絶望した旭はそのまま立ち尽くしていた。まるで死を待っているかのようだった。
一方、柚奈は旭の能力をパクった結衣と戦っていた。柚奈は刀を振るい、果敢に攻めた。対する結衣は頑丈そうな朝顔の蔓でできたグローブを両手に装備していた。
柚奈は海水を溢れ出しながら結衣の首を斬り落とすように斬りかかった。結衣は避けたり、装備しているグローブで弾いたりして防いだ。しかし、柚奈が疑問に思ったのは結衣が反撃してこないことだった。もちろん反撃をしたら霊力を大きく減らしてしまうことには変わりはないが、反撃できる隙はあったのになぜと柚奈は考えたが、このまま押し切ろうと警戒しながらも刀を振るった。
「中々の斬り筋だね。刀変えたの? 私それは写せないなぁ」
「うるさいです。あなたは今真剣に戦っていないようですが、狙いはなんですか?」
「そうだね。狙いはあなたとお友達になることかしら。私、友達はほとんど殺しちゃったからさ」
「では、あなたももうじきそのお友達のところに送ってあげます」
「柚ちゃん。同じペースに合わせないで。きっとまた変なことをしてくるはずだよ」
「ありがとうございます。先輩のためにもこの子は私がやります」
柚奈は真剣な眼差しで刀を振り、攻防を繰り広げた。柚奈の先輩という言葉に結衣は興味を持った。
「ねぇ先輩って誰? 気になるな」
「あなたには絶対教えません」
「あれ? まさか私が墓場で仕留め損なった冬風くんかぁ。冬風くん、私好きなんだよね。殺したくなるほどね」
「くっ。よくも先輩を!」
柚奈は熱くなりさっきよりも剣筋が激しくなり、霊力をたくさん消費しながら技を出した。結衣は技を出してくる柚奈に対し、何もせず、ただただ避けたり技を食らいながらも守っていた。
「先ほどから何もしてきませんね。さっさとけりをつけましょう。『竜殺しの刀・海』リヴァイアサンを超えた力です。これで王手です」
「なるほど。あなたはあの暴走した力をコントロールできるようになったんですね。では、拝見しましょう」
柚奈は刀を強く握り、構えた。すると柚奈の周りは光り輝くコバルトブルーの海が広がり、その上を柚奈は駆け抜けた。刀もコバルトブルーに光り輝き、海水が刀を纏った。結衣に接近すると柚奈は大きく刀を振り上げた。結衣は後ろに避けようとすると海水が壁になり、結衣の避けるルートを妨害した。避けられない結衣はそのまま立ち尽くすと柚奈は刀を結衣の首筋狙って斬りかかった。
しかし、結衣はピンチであるのに余裕そうな表情をしていた。どこか気味が悪かったが柚奈はそのままいった。
「彼の方の能力を使う時が来たとは、任務のためですね。また怒られそうだけどまぁいいか。『再構築・無力化』」
柚奈の刀は結衣の首まで届いたが、斬り落とすことができなかった。それだけでなく、刀を纏っていた海水は消え、周りの海も消え去っていた。
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