上 下
74 / 153

旭の本当の武器

しおりを挟む
旭は矢を乱れ打ち、すべてリヴァイアサンに命中させた。しかし、簡単にやられないリヴァイアサンは刀で、すべての矢を斬り落とした。矢は地面に落ちると朝顔の種となり、地面の中に潜っていった。戦法を変えようと旭は矢筒から紫色に光る矢を取り出した。そして力強く射ると紫色の矢は紫色の朝顔のように輝きながらまっすぐ飛んで行った。リヴァイアサンが刀を構えると旭はニヤリと笑った。

「上に進路変更。のちに上で待機だ」
「何!?」

 紫色に光る矢は刀で切られる前にリヴァイアサンの目の前で上に進路変更した。驚いたリヴァイアサンは距離を取ろうと後ろに下がるが、前を見ると矢が休ませまいとどんどん飛んできた。
 リヴァイアサンは壁を上手く使い、避けたり刀で防いでいると上からさっきの矢が落ちてきた。矢はまだ紫色の光を放っており、落ちてくるというよりかは上空で待機していうように見えた。そう旭の射った紫色の矢はには『花言葉 冷静・平常』の効果が付与されており、一つの生き物として矢が旭の命令を聞いたのだ。

(意外と効いているのか。とりあえずここは連射して相手に距離を取られないようにするのが先決だな。しかし、柚奈の様子が変だ。数時間前に朝顔が怜と柚奈が大変だと知らされていたが、一体……しかも怜の姿がない!? まさか奴らが動き出したのか)
「旭ちゃん。事態は深刻な可能性があります。早くこの戦いを終わらせましょう」
「うるせぇな。今、私はそうしようとやってんだろ」

 矢を連射しながら朝日は朝顔に話すとリヴァイアサンは刀を地面に突き刺した。旭は技を出させないよう上空の矢に落ちてくるよう命令した。上空の矢は紫色の光を放ちながら光の速さでリヴァイアサン目掛け矢が飛んできた。まるで天の上から天使が狙撃しているように見えた。
 リヴァイアサンの頭上に矢がくると左手から一瞬でもう一本の刀を出した。その刀は青と黒が入り乱れており、少し禍々しさを感じた。するとその刀で飛んできた矢を容易く斬って防いだ。

「二本目だと!?」
「予想外でしたか? 私は普段、二刀流なものでしてね。早く人間の魂を喰らいたいので、本気を出します」
「ちっ! 今まではほんの肩慣らし程度ってことかよ。朝顔! 生成と武器化変更だ」
「でも、旭ちゃんの霊力が一気に削れるけど……」
「いいから! 早くしてくれ。後悔しないように今は戦いたいんだ」
「うん」

 旭は弓矢を変更し、武器ではないが、靴が変わった。見た目は緑と黒を基調にしたブーツに見えるが、これが旭の本気の武器なのだ。両手には朝顔の蔓を巻きつけ、グローブ代わりにした。旭が拳を構えるとさっきリヴァイアサンが地面に刺した刀からは海水が湧き出てきた。旭は走り、これ以上戦いを続けさせないよう決着をつけようと拳を力強く握った。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

うちの冷蔵庫がダンジョンになった

空志戸レミ
ファンタジー
一二三大賞3:コミカライズ賞受賞 ある日の事、突然世界中にモンスターの跋扈するダンジョンが現れたことで人々は戦慄。 そんななかしがないサラリーマンの住むアパートに置かれた古びた2ドア冷蔵庫もまた、なぜかダンジョンと繋がってしまう。部屋の借主である男は酷く困惑しつつもその魔性に惹かれ、このひとりしか知らないダンジョンの攻略に乗り出すのだった…。

【書籍化進行中、完結】私だけが知らない

綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化進行中です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ 目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2024/12/26……書籍化確定、公表 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

性転のへきれき

廣瀬純一
ファンタジー
高校生の男女の入れ替わり

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

日本国転生

北乃大空
SF
 女神ガイアは神族と呼ばれる宇宙管理者であり、地球を含む太陽系を管理して人類の歴史を見守ってきた。  或る日、ガイアは地球上の人類未来についてのシミュレーションを実施し、その結果は22世紀まで確実に人類が滅亡するシナリオで、何度実施しても滅亡する確率は99.999%であった。  ガイアは人類滅亡シミュレーション結果を中央管理局に提出、事態を重くみた中央管理局はガイアに人類滅亡の回避指令を出した。  その指令内容は地球人類の歴史改変で、現代地球とは別のパラレルワールド上に存在するもう一つの地球に干渉して歴史改変するものであった。  ガイアが取った歴史改変方法は、国家丸ごと転移するもので転移する国家は何と現代日本であり、その転移先は太平洋戦争開戦1年前の日本で、そこに国土ごと上書きするというものであった。  その転移先で日本が世界各国と開戦し、そこで起こる様々な出来事を超人的な能力を持つ女神と天使達の手助けで日本が覇権国家になり、人類滅亡を回避させて行くのであった。

愛人をつくればと夫に言われたので。

まめまめ
恋愛
 "氷の宝石”と呼ばれる美しい侯爵家嫡男シルヴェスターに嫁いだメルヴィーナは3年間夫と寝室が別なことに悩んでいる。  初夜で彼女の背中の傷跡に触れた夫は、それ以降別室で寝ているのだ。  仮面夫婦として過ごす中、ついには夫の愛人が選んだ宝石を誕生日プレゼントに渡される始末。  傷つきながらも何とか気丈に振る舞う彼女に、シルヴェスターはとどめの一言を突き刺す。 「君も愛人をつくればいい。」  …ええ!もう分かりました!私だって愛人の一人や二人!  あなたのことなんてちっとも愛しておりません!  横暴で冷たい夫と結婚して以降散々な目に遭うメルヴィーナは素敵な愛人をゲットできるのか!?それとも…?なすれ違い恋愛小説です。

処理中です...