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豊姫の嫌いな技
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結衣はレイピアを光の速さで斬りかかかり、柚奈は心臓の痛みに耐えながら、刀を振るうのがやっとだった。結衣は朝顔の力をパクリ、慎重に攻撃をしていき、確実に柚奈を殺しにいった。反撃したい柚奈ではあったが、狭い路地裏に相手は素早い武器では柚奈は思うように動けなかったのだ。それに加え、海の技を狭い路地裏で出せるか不安であった。しかし、柚奈はそんなことよりもどうやって葵を助けるかを考えていた。
(この素早い動きでは私でも付いていくのがやっとです。細い刃が特徴的なレイピアに対し、私は日本刀。結構不利ですが、武器を変える暇はなさそうですね。このままでは時間が過ぎていくだけですね。では、あれしかないようですね。豊ちゃんは嫌がると思いますが……)
「柚ちゃん! 今戦ったところで、柚ちゃんの寿命が縮むだけだよ! もう引こう。無理だったら私がやるから」
「黙っていてください!」
「守護霊と喧嘩とは私も舐められたものですね。どっちが優位に立ってるか教えてあげます『花言葉 冷静・平常』」
結衣が朝顔の技を唱えると周りの壁に絡みついた朝顔は紫色に咲き誇った。そして結衣の動きも変わり、壁を利用して最速で柚奈を追い詰める計算を結衣は脳内でした。柚奈も壁を使って結衣の攻撃を受けるが、さっきと打って変わって攻撃が左右上からくるので、何箇所か切り傷を負った。柚奈も刀から海水を出し、結衣に向けて波を出して攻撃するが、波の位置や動きを理解し、避けられてしまった。
そしてあれから三十分が経過した。柚奈の体に異変が起きた。
「ゔぅ、ゔぅ……がはっ」
「柚ちゃん!?」
柚奈はまたさっきよりも多い量の血を吐いた。視野もぼやけているはずの柚奈だったが、決して諦めなかった。心配する豊姫だが、柚奈はそのまま戦い続けた。結衣は血を吐く柚奈に対し、もう時期終わるだろと高を括った。
余裕そうな表情の結衣に対し、柚奈は息を切らしながらも豊姫に小さな声で話した。
「豊ちゃん……ごめんね。私、あの技使うから。もう決めたから」
「もしかして柚ちゃん!? ダメだよ! 自分でもコントロールできてないんでしょ! しかも今の柚ちゃんには荷が重すぎるよ。そのまま飲み込まれてしまう可能性だってあるんだよ」
「いいんです豊ちゃん。そしたら私はそれまでの守護霊使いってことです。もちろん飲み込まれる気もありませんし、負ける気もありません。だって、私の好きな人の大切なものが奪われたんです。必ず取り返します」
「ゆ、柚ちゃん」
「お話は終わりですか? ではこれで終わりです。たった今、私は計算上あなたを描きう実に殺す道が見えました。では、さようならです」
結衣はレイピアを構えると凄まじい速さで走りだし、壁や朝顔の蔓を使って柚奈に接近した。柚奈は接近してくる結衣の姿には目もくれず、刀を地面に力強く差し込んだ。そして両手を合わせて何かを唱えた。
「荒ぶる伝説の海の神よ。今一度、私に力を分けてください。その力と代償に私は寿命一年を差し上げます。さぁその偉大なる龍よ! 私に纏え! 『地球を背負う大魚』」
「は!?」
柚奈の足元からは刀と体を囲むように青い魔法陣が現れた。そしてその魔法陣が光りだすと下からは上に向かって水が飛び散った。その水を浴びると柚奈の体はどんどん人間から離れていった。皮膚は鮮やかな青い鱗になり、耳や手の甲からは鰭のようなものが生え、おでこからは赤いツノが一角はえた。水が上空に飛び散ると急に雨が降ってきた。
結衣がレイピアで柚奈の喉を捉え、突き出した。すると柚奈は素早い速さで刀で防いだ。結衣は驚き、一歩下がった。
(なんだこの子!? さっきまでの雰囲気が違う。全く別の人を相手にしているみたいだわ。なにこれ、冷静なはずの私が震えている!? 復讐したい奴には逃げられたし、まぁ様子を見て引くのが賢そうね)
結衣は震える手を叩き、柚奈から距離を取ろうと後ろに走った。しかし、柚奈のスピードは驚くほど早く、重力を無視して走り、結衣にあっという間に追いついた。焦った結衣はレイピアを振るうと柚奈は刀を思いっきり振った。レイピアと刀がカキーンと激突すると、結衣のレイピアが折れてしまった。そのまま柚奈は刀を振り、結衣の体を斬っていった。斬り刻まれた制服姿の結衣は血を流しながらもなんとか柚奈から距離を取ろうと朝顔の蔓を毟り、武器を生成した。
「柚ちゃん! 柚ちゃん! 今は自我を保ててる?」
「気が散るので、話しかけないでください」
柚奈は今、自分の中でリヴァイアサンの意思と戦っていたのだ。その格の違う力だが、まだ柚奈は上手く使いこなせていないようなので、豊姫は心配だったのだ。それに対し、結衣は朝顔の槍を生成した。槍は長く、狭いこの路地裏では有利になると考えたのだが、柚奈のリヴァイアサンの前では無能ということは一瞬でわかるであろう。
柚奈は刀を鞘に抑え、目をつぶり抜刀の構えをした。深呼吸をし、敵を討つ準備をした。結衣は槍を柚奈の頭めがけ刺し殺すように走り、狙った。
「これで終わりよ! あなたの力、全部私のものにするわ」
結衣が急接近すると柚奈は目を開けると、壁を使い、回転しながら槍を避けて槍を三回斬った。唖然して立っている結衣に対し、柚奈は後ろから結衣の首目掛け、刀を振り下ろした。
(この素早い動きでは私でも付いていくのがやっとです。細い刃が特徴的なレイピアに対し、私は日本刀。結構不利ですが、武器を変える暇はなさそうですね。このままでは時間が過ぎていくだけですね。では、あれしかないようですね。豊ちゃんは嫌がると思いますが……)
「柚ちゃん! 今戦ったところで、柚ちゃんの寿命が縮むだけだよ! もう引こう。無理だったら私がやるから」
「黙っていてください!」
「守護霊と喧嘩とは私も舐められたものですね。どっちが優位に立ってるか教えてあげます『花言葉 冷静・平常』」
結衣が朝顔の技を唱えると周りの壁に絡みついた朝顔は紫色に咲き誇った。そして結衣の動きも変わり、壁を利用して最速で柚奈を追い詰める計算を結衣は脳内でした。柚奈も壁を使って結衣の攻撃を受けるが、さっきと打って変わって攻撃が左右上からくるので、何箇所か切り傷を負った。柚奈も刀から海水を出し、結衣に向けて波を出して攻撃するが、波の位置や動きを理解し、避けられてしまった。
そしてあれから三十分が経過した。柚奈の体に異変が起きた。
「ゔぅ、ゔぅ……がはっ」
「柚ちゃん!?」
柚奈はまたさっきよりも多い量の血を吐いた。視野もぼやけているはずの柚奈だったが、決して諦めなかった。心配する豊姫だが、柚奈はそのまま戦い続けた。結衣は血を吐く柚奈に対し、もう時期終わるだろと高を括った。
余裕そうな表情の結衣に対し、柚奈は息を切らしながらも豊姫に小さな声で話した。
「豊ちゃん……ごめんね。私、あの技使うから。もう決めたから」
「もしかして柚ちゃん!? ダメだよ! 自分でもコントロールできてないんでしょ! しかも今の柚ちゃんには荷が重すぎるよ。そのまま飲み込まれてしまう可能性だってあるんだよ」
「いいんです豊ちゃん。そしたら私はそれまでの守護霊使いってことです。もちろん飲み込まれる気もありませんし、負ける気もありません。だって、私の好きな人の大切なものが奪われたんです。必ず取り返します」
「ゆ、柚ちゃん」
「お話は終わりですか? ではこれで終わりです。たった今、私は計算上あなたを描きう実に殺す道が見えました。では、さようならです」
結衣はレイピアを構えると凄まじい速さで走りだし、壁や朝顔の蔓を使って柚奈に接近した。柚奈は接近してくる結衣の姿には目もくれず、刀を地面に力強く差し込んだ。そして両手を合わせて何かを唱えた。
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「は!?」
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結衣がレイピアで柚奈の喉を捉え、突き出した。すると柚奈は素早い速さで刀で防いだ。結衣は驚き、一歩下がった。
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「柚ちゃん! 柚ちゃん! 今は自我を保ててる?」
「気が散るので、話しかけないでください」
柚奈は今、自分の中でリヴァイアサンの意思と戦っていたのだ。その格の違う力だが、まだ柚奈は上手く使いこなせていないようなので、豊姫は心配だったのだ。それに対し、結衣は朝顔の槍を生成した。槍は長く、狭いこの路地裏では有利になると考えたのだが、柚奈のリヴァイアサンの前では無能ということは一瞬でわかるであろう。
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結衣が急接近すると柚奈は目を開けると、壁を使い、回転しながら槍を避けて槍を三回斬った。唖然して立っている結衣に対し、柚奈は後ろから結衣の首目掛け、刀を振り下ろした。
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