守護霊になった葵ちゃんと一緒に悪霊退治を始めることになった

メロンジャム

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怒りの柚奈

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柚奈は必死に刀で黒い霧を払った。暗闇の中で柚奈はもがくが、数分後、そこには傷を負った怜が倒れているだけだった。柚奈は青ざめた顔で怜に近づいた。
　膝枕をし、怜の傷の具合を見た。

「先輩……出血が多いです。早く、病院に連れて行かないと」
「ゔぅ、はぁ……ゆ、柚奈ちゃん」
「大丈夫ですか！？　先輩！　気を確かに」
「怜くん！　頑張って！」

　柚奈と豊姫が声を掛けるが、そのまま怜は意識をなくした。柚奈は震えながらも救急車を呼んだ。柚奈は怜を膝枕したまま、出血を止めるようにお腹を押さえた。豊姫も気づいていたが、葵は結衣に連れて行かれてしまった。悲しむ二人だったが、電話をして数秒後、救急車のサイレンが聞こえてきた。
　そして怜はそのまま救急車に乗せられ、近くの病院へと運ばれた。柚奈も同行し、病院では待合室の椅子に座り込んでいた。

「柚ちゃん。やっぱり葵ちゃんの気配は感じられないや」
「そうですか。あれは私のミスです。先輩を一人で帰らせたのは」
「でも、怜くんの方は致命傷じゃないって先生は言ってくれたから、安心だね」
「うん……」

　柚奈は落ち込み、自分のミスを攻めた。豊姫は葵を連れ去られたことに嫌な予感がし、心配した。
　それから柚奈は怜のスマホから学校の先生や旬に電話をした。旬は今から向かうといい、切った。学校の先生は主任の先生が来るそうだ。

「柚ちゃん。なんて電話したの？」
「冬風くんが何者かに刺さて病院にいますって連絡しました。今から皆さん来るそうです。それで豊ちゃん……お願いがあるんですが、いいですか」
「何？　柚ちゃん。あ！　ダメだよ。今から奴を追うなんて！　危険すぎるよ」
「いいえ豊ちゃん。私は行きます」
「だって柚ちゃん。今日二回目でしょう？　命を危険にさらすことになるんだよ」

　数分後、旬と学校の主任の先生が到着した。

「おい！　怜はどこだ！」
「冬風くんなら地下の手術室にいます。」
「そうか！　ありがとう」

　旬はそのまま走り出した。次に主任先生が声をかけてきた。

「神野さん、こんにちわ。冬風くんはどちらかな？」
「はい、冬風くんは地下です。すぐそこのエレベーターからいけます」
「うむ、ありがとう。大変だったね」

　そういうと主任の先生は柚奈の肩を優しく叩き、去っていった。
　すると柚奈の目が変わった。何かを決心したような目で、目に力が入った。そのまま柚奈は病院を後にし、走り出した。

「柚ちゃん！　どこに向かってるの？」
「・・・」
「ねぇ柚ちゃん！」

　豊姫の言葉に耳を傾けず、柚奈はそのままものすごい速さで走り、結衣の気配を探った。家から家へと飛び、翔子までとは行かないが、念を凝らして結衣の気配を探っては家に飛びを繰り返した。
　そして数時間後、あたりは夕方になり、オレンジ色の太陽が街を染めると柚奈は何かを察知したのか、ふと太陽の方を見た。目を凝らし何か建物の方に気配を感じた。その建物はゲームセンターだった。急いで柚奈は走りだし、向かった。
　豊姫は止めようとしたが、言葉が出てこなかったのか黙り込んだ。

（こんな柚ちゃん。私、初めてだなぁ。いつからこんな熱い子になっちゃったのかなー。まぁ柚ちゃんの悔いのないよう私も戦うかな）

　柚奈はゲームセンターまっしぐらに走り、ものの数分で着いた。
　到着すると異変はゲームセンターの裏から感じた。柚奈は罠も警戒しつつ、裏の様子を伺った。そして壁越しに裏を除くとそこには制服を着た女の子が死んでいた。しかも三人くらい倒れていた。みんな刃物で斬られたあとがあった。すると奥から悲鳴が聞こえてきた。
　柚奈は恐る恐る奥の路地に入っていき、慎重に様子をみた。そこには柚奈の刀を持った結衣の姿があった。結衣は制服を着た女子生徒を壁に追い込み、刀で何かを脅していた。

「あなたでしょう？　嘘の悪い噂を広めたのは」
「ご、ご、ごめんなさい。うぅ……だ、だから、こ、殺さないで」
「はぁ私、あなたたちのせいで学校生活死んだようなものなのよ。なのにあなたたちがヘラヘラ生きてるって、私許せないんだ。だから……私を殺した奴らはみんな殺すわ！」
「嫌ぁぁぁ」

　結衣の刀が女子生徒の心臓めがけ振り下ろされると柚奈が走り、刀で防いだ。問題の顔はなんとかうさぎの面をかぶりバレないようにした。人目がつきそうなところで守護霊使いとして戦うときは、顔を隠す必要があるので、柚奈は翔子からもらった仮面を被った。怜に見られたときは、柚奈は面倒なのでつけなかったらしい。
　柚奈は女子生徒おし、声をかけた。

「逃げて！」
「ちっ後もう少しだったのに」

　結衣は力強く刀をふり、柚奈を飛ばした。柚奈は路地の壁をうまく使い、距離をとった。女子生徒はそのままどこかへと去っていった。怒りに支配された結衣は刀を力強く握り、殺気の満ちた眼差しで柚奈を睨んだ。

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