守護霊になった葵ちゃんと一緒に悪霊退治を始めることになった

メロンジャム

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葵ちゃんとバタバタの一日が終わる

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頭が氷のように冷たくなった旭はタオルで頭を拭きながら、リビングのソファで休んだ。柚奈は息を切らしながら旭に質問した。

「旭ちゃん。一体あなたは何をして酔ったんですか?」
「あぁ……そこにあるアルコールが少し入ったチョコを食べたんだ」
「そうなんですね。旭ちゃんは結構お酒が弱いみたいですね」
「って柚奈も二十歳超えてないけどな」

 いつの間にか旭は柚奈のことを名前で呼ぶようになり、仲が深まった。怜が出てくると、旭が顔を真っ赤にしてお風呂に入ろうと立ち上がった。しかし、旭はあることに気付いた。

「あ! そういや、私服ないわ」
「え!?」
「じゃ、どうして過ごしてきたんだ!」
「ネットカフェは洗濯機が常備しているため、それで洗っていたんだ。まぁその間はバスタオルで体を隠していたけどね!」
「ギリギリの戦いしすぎでしょ! まぁここは柚奈ちゃんの服もあるし、バスローブもあるから大丈夫っしょ」
「そうか、柚奈。ジャージ貸してくれ」

 旭は柚奈より少し身長は高かったが、大きめのサイズのジャージを貸してもらった。そのままお風呂場に向かった。
 数分後、旭がバズタオルを首にかけ、半袖短パンのジャージ姿であがってきた。その姿を見た怜は鼻血を吹き出し、倒れた。それもそのはず、大きいサイズとはいえ、胸が大きい旭にとって旭のサイズのTシャツじゃ、胸はパンパンだった。谷間が見え、今にもはちきれそうだった。柚奈は急いで旭の手を引き、部屋に連れ出した。

「おいおい柚奈、何をするんだよ」
「何って旭ちゃん! 今にも弾けそうなその胸を見てください。それを女子が見て、止めないはずがないでしょ!」

 柚奈は嫉妬と焦りで激怒し、素早く旭の服をぬがせ、バスローブに着替えさせた。そして旭は戻り、柚奈はお風呂に入った。
 旭が戻ると怜の姿はなかった。何事も起きないうちに寝てしまおうと怜は考えていたのだ。一人で何もすぐことのない旭も部屋に行き、頭を乾かしてベッドに入った。
 一方守護霊たちも人魂になって眠った。しかし、豊姫だけは、一人で夜空を見上げプカプカ浮いていた。
 そしてバタバタした一日が終わった。
 次の日の朝、台風並みの雨風がタワマンを揺らし、その音で怜は目を覚ました。それと同時にセットしたタイマーが鳴り、止めた。いつも通り部屋を出て、柚奈が朝の支度をしているリビングへと向かった。

「おはよう柚奈ちゃん」
「おはようございます。今日から雨風がひどいようなので、ボランティアはないかと思います。今日も中止のメールが届きました」
「そっかー。あれ? 旭ちゃんは?」
「多分寝ていると思いますよ。私たちはこの生活が慣れてしまったので、苦じゃないと思いますが、旭ちゃんにとっては今起きるのはきついですからね」

 怜と柚奈は何気ない会話をしながら朝の支度をした。
 そしていつも通り、七時に支度が終わった。怜はワイシャツに黒いズボンを履くと、早速修行に行こうとした。柚奈は怜の姿を見て、思った。

「先輩、そろそろ服に興味を持った方がいいと思いますよ」
「え? でも制服とかこういう格好の方が俺は慣れてるし、動きやすいんだよなぁ。彼女もいないし、出かけないからこれが一番だな」
「いやいや先輩、そういう格好だからできないんですよ」
「うるさいなぁ。それより、早く行こうぜ」

 守護霊たちも眠そうにゆらゆら動き、二人についていった。朝顔は笑顔で手を振った。

「それじゃ朝顔ちゃん。旭ちゃんが起きたらきてくれよな」
「朝ごはんはテーブルにあるので、お願いします」
「はい、皆さん。頑張ってくださいね」
「うん! 葵頑張るよ」

 みんな張り切って、巻物の世界に向かった。それにひきかえ、旭は寝言を言いながら夢の世界で、気持ちよく寝ているのであった。
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