63 / 153
葵ちゃんと考えなしの旭
しおりを挟む
柚奈が勇気を振り絞って質問した言葉が、怜の胸に響いた。だが、怜の中ではその言葉に対しての気持ちを伝えるべきか、聞き間違いだなと話すべきか迷っていた。
(どうしよう。柚奈ちゃんのことは正直惚れている。一目見てからこの子と一生過ごしたいと思った。でも、告白のタイミングとか、今の質問にどう話していいかわからない。また失敗して一緒に過ごせなくなったらと考えると、話ずらい。だが、こんなにも知りたいってことはまさか……いや、女性としての本能なのかもしれないな。だから俺は、本当のことを話そう)
怜は決心し、緊張している柚奈ちゃんに向かって話した。
「柚奈ちゃん。すまないが、その言葉を言ったこと自体は、覚えてないんだ」
「え!?」
「でも、それだけじゃ柚奈ちゃんに失礼だから、きちんと話そうと思う」
「うん……」
二人の間に緊張が走った。しかし、柚奈はどこか嬉しかった。それに対して怜は緊張からか、あったかいお湯に浸かっているはずなのにどこか寒いのか、寒気を感じた。
「ふぅ。あの言葉の、意味だけど……」
怜が本当の意味を話そうとした時、いきなり脱衣所のドアが勢いよく開き、旭が突っ込んできた。顔を赤くし、大声で叫んできた。
「私もお風呂に入れろ!」
「え!?」
「は!?」
柚奈は旭を避け、しゃがみこんだ。旭はそのままお風呂のドアを開け、お風呂場で倒れ込んだ。怜は何事だと驚き、湯船で青ざめた顔で、倒れる旭を見た。怜と柚奈はこいつ正気なのかと驚いた。しかし、そうではない。少し時間を避けのぼり、柚奈が怜に話しかけた時、トイレから出た旭がドアの前で聞き耳を立てていたのだ。そのまま旭は会話を聞き、あの話の話題だと気付いた。
(はぁスッキリした。うん? なんだ柚奈の声がするな。今は怜が入っているはずだぞ。え!? あの話の話題じゃん! まずいまずい、あの話を聞かれたら怜が私のことが好きってのが柚奈にバレて、私が追い出されちゃうかもしれない! まずいとまなくちゃ。でもどうする? 手段がない。やばいもうすぐで話し始める。もうこうなったら突っ込むしかないでしょ! おりゃー)
という感じで旭はいきなり突っ込んだのだ。しかし、ここから何も考えてなかった旭はどうしようと考え込んだ。一方驚いた二人は石像になってしまったかのように固まってしまった。よろよろと旭は立ち上がり、服を脱ぐそぶりをした。両手で服の下を掴み、上に引っ張り、脱ごうとした。その様子をみた怜は顔を赤くし、ラッキーだと思い、目を輝かせた。柚奈はやばいと思い、お風呂のドアを閉め、旭を止めた。
「あ、旭ちゃん! 何をしているんですか!」
「えへへ~」
そう旭は酔った真似をした。証拠としてはアルコールの入ったチョコレートを食べたと言い張ればいいと考え、なんとかこの場を凌ごうとした。しかし、本気で酔っていると思っている柚奈は真剣な眼差しで、旭の首を掴み、脱衣所の手洗い場に旭の頭を突っ込ませた。蛇口から冷たい水を出し、旭の頭を冷やした。予想外の行動に旭は焦り、苦しんだ。それに対して柚奈は必死なので、勢いよく水を出し、旭の頭を急いで冷やした。
「あぁ! やめろやめろ! もう酔い冷めたから! もうやめてくれよ」
「いいえ! 早く酔いを覚ましてください。私は冷たいのは平気なので!」
「私が限界なんだよ! 冷たすぎて頭がアイスクリームになっちまうわ!」
旭は両手で柚奈の手をどけようとしたが、その強さに旭も驚き、中々柚奈の手から逃れることができず、数分が経った。旭はもう酔った嘘をつくのは懲り懲りだと思った。
その後怜と柚奈はさっきまでの会話どころじゃなくなったので、そのままその話は無くなったのだった。
(どうしよう。柚奈ちゃんのことは正直惚れている。一目見てからこの子と一生過ごしたいと思った。でも、告白のタイミングとか、今の質問にどう話していいかわからない。また失敗して一緒に過ごせなくなったらと考えると、話ずらい。だが、こんなにも知りたいってことはまさか……いや、女性としての本能なのかもしれないな。だから俺は、本当のことを話そう)
怜は決心し、緊張している柚奈ちゃんに向かって話した。
「柚奈ちゃん。すまないが、その言葉を言ったこと自体は、覚えてないんだ」
「え!?」
「でも、それだけじゃ柚奈ちゃんに失礼だから、きちんと話そうと思う」
「うん……」
二人の間に緊張が走った。しかし、柚奈はどこか嬉しかった。それに対して怜は緊張からか、あったかいお湯に浸かっているはずなのにどこか寒いのか、寒気を感じた。
「ふぅ。あの言葉の、意味だけど……」
怜が本当の意味を話そうとした時、いきなり脱衣所のドアが勢いよく開き、旭が突っ込んできた。顔を赤くし、大声で叫んできた。
「私もお風呂に入れろ!」
「え!?」
「は!?」
柚奈は旭を避け、しゃがみこんだ。旭はそのままお風呂のドアを開け、お風呂場で倒れ込んだ。怜は何事だと驚き、湯船で青ざめた顔で、倒れる旭を見た。怜と柚奈はこいつ正気なのかと驚いた。しかし、そうではない。少し時間を避けのぼり、柚奈が怜に話しかけた時、トイレから出た旭がドアの前で聞き耳を立てていたのだ。そのまま旭は会話を聞き、あの話の話題だと気付いた。
(はぁスッキリした。うん? なんだ柚奈の声がするな。今は怜が入っているはずだぞ。え!? あの話の話題じゃん! まずいまずい、あの話を聞かれたら怜が私のことが好きってのが柚奈にバレて、私が追い出されちゃうかもしれない! まずいとまなくちゃ。でもどうする? 手段がない。やばいもうすぐで話し始める。もうこうなったら突っ込むしかないでしょ! おりゃー)
という感じで旭はいきなり突っ込んだのだ。しかし、ここから何も考えてなかった旭はどうしようと考え込んだ。一方驚いた二人は石像になってしまったかのように固まってしまった。よろよろと旭は立ち上がり、服を脱ぐそぶりをした。両手で服の下を掴み、上に引っ張り、脱ごうとした。その様子をみた怜は顔を赤くし、ラッキーだと思い、目を輝かせた。柚奈はやばいと思い、お風呂のドアを閉め、旭を止めた。
「あ、旭ちゃん! 何をしているんですか!」
「えへへ~」
そう旭は酔った真似をした。証拠としてはアルコールの入ったチョコレートを食べたと言い張ればいいと考え、なんとかこの場を凌ごうとした。しかし、本気で酔っていると思っている柚奈は真剣な眼差しで、旭の首を掴み、脱衣所の手洗い場に旭の頭を突っ込ませた。蛇口から冷たい水を出し、旭の頭を冷やした。予想外の行動に旭は焦り、苦しんだ。それに対して柚奈は必死なので、勢いよく水を出し、旭の頭を急いで冷やした。
「あぁ! やめろやめろ! もう酔い冷めたから! もうやめてくれよ」
「いいえ! 早く酔いを覚ましてください。私は冷たいのは平気なので!」
「私が限界なんだよ! 冷たすぎて頭がアイスクリームになっちまうわ!」
旭は両手で柚奈の手をどけようとしたが、その強さに旭も驚き、中々柚奈の手から逃れることができず、数分が経った。旭はもう酔った嘘をつくのは懲り懲りだと思った。
その後怜と柚奈はさっきまでの会話どころじゃなくなったので、そのままその話は無くなったのだった。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説

懐いてた年下の女の子が三年空けると口が悪くなってた話
六剣
恋愛
社会人の鳳健吾(おおとりけんご)と高校生の鮫島凛香(さめじまりんか)はアパートのお隣同士だった。
兄貴気質であるケンゴはシングルマザーで常に働きに出ているリンカの母親に代わってよく彼女の面倒を見ていた。
リンカが中学生になった頃、ケンゴは海外に転勤してしまい、三年の月日が流れる。
三年ぶりに日本のアパートに戻って来たケンゴに対してリンカは、
「なんだ。帰ってきたんだ」
と、嫌悪な様子で接するのだった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?

最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる