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葵ちゃんと三人暮らしの再開!?

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 怜と旭は人間の姿に戻ると旭は顔を赤くして怜に接近した。怜は驚き、一歩下がった。

「ちょ、ちょっとこっち……来なさいよ」
「え!? どうゆうこと?」

 怜は旭に引っ張られ、そのまま柚奈たちから離れ、二人だけで会話が始まった。怜はどんなことを言われるか心当たりがなく、緊張から胸がドキドキしていた。それに対して旭は怜の言葉の真相を確かめようと恋心がときめき、胸がドキドキしていた。

「あ、あんたさ……試合中に変なこと言ってたの覚えてるわよね?」
「あぁ、えーと……まぁ覚えてるよ」

 怜の頭の中では旭の想像していた言葉はすでに忘れ去られていた。怜は頑張って何に対してかを考えた。顔を赤くして近づく旭に対し、怜は心当たりがある言葉を思い出した。

「で! あの言葉はどうゆう経緯があってあんな場所で言ったのよ?」
(経緯!? あんな場所? やっべ~、俺そんなこと言ってたの!? まさか心の中で揺れる巨乳に凝視してすげーって思ったのまさか俺、口に出していたのか!? でも胸はセーフって言ってたし、とりあえず旭には失礼なことだから謝るか)

 怜は真剣な眼差しで旭を見つめ、一歩前に出た。急に前に出てきた怜に対し、旭は告白でもされるのかと思い、焦り始めた。しかし、緊張からか旭の口からは言葉が出ず、ただ黙ることしかできなかった。そんな旭の心情も知らず、怜は頭を下げた。

「ごめん。旭ちゃん。俺も男なんだ! そうゆうところはきになる年頃で、つい言葉にしてしまったんだ。以後気をつけます!」
(はぁ~!? 謝るのはいいけど恥ずかしい! もうこの場から逃げ出したい!)

 今二人の中では綺麗なすれ違いが起きた。怜はとっさに言ったことを忘れ、違うことに対して謝ってしまい、旭はずっと怜は自分に恋していると勘違いし、それを止めるものはいなかった。旭は頭を下げる怜に対し、どう言葉を掛けていいかわからなかったが、恋愛漫画での教訓を生かし、優しい言葉をかけようと勇気を振り絞った。

「し、仕方ないわね。でも、そうゆう気持ちって女の子は嬉しいのよ」

 旭は今ハマっている恋愛漫画のセリフを怜に伝えた。するとまた顔を赤くし、走って巻物の世界から出て行った。もちろん怜は軽いパニック状態に陥った。顔を下げていてわからないが、表情もまるでモアイ像のようになっていた。

(えぇー!? ちょい待ちちょい待ち! みんな女の子は揺れる胸を見られるのが嬉しいの!? 嘘だろ嘘だろ! 初耳なんですけどぉ! 触られるのは嫌だけど見られるのはウェルカム? は!? 美術館と一緒ってことか!? わかったぞ、わかってきたぞ! 今まで女子と関わらなさすぎて気付いてあげれなかったけど、これからは女子の胸を見て褒めてあげれば、喜ぶってことか! でも待てよ、裸ごしの胸はどうなんだ? 美術館でも服という名の額縁に飾ってあるしなぁ。でも、額縁にハマってない作品もあると思うし、よし! そこらへんは今度、身近にいる柚奈ちゃんに聞いてみよう)

 怜は自己解決をすると顔をあげ、清々しい顔をして、柚奈の元へ駆け寄った。柚奈は不思議そうな顔で、怜に質問した。

「先輩、謝っている姿を見たのですが、何を話していたんですが?」
「うーん、難しいなぁ。まぁとりあえず二人の秘密だ」
「ふーん、そうですか」
「えぇ! 私秘密知りたい~」
「豊ちゃん、私たちは仲間はずれのようですからいいですよ」

 柚奈は勝手に拗ねて、電子版を触り、修行を始めた。それもそのはずだ。柚奈はこれまで怜と一緒に過ごしてきて、隠し事は少なかったが、これが初めてだ。しかもその相手だ自分の気に入らない同性となるとイラつくのも仕方がない。怜も柚奈には悪いと思ったが、どう話せばいいかわからず、今回は口を閉じた。
 二人は別々で修行を始め、夜ご飯の時間になるまで、続いた。それまで旭は公園で恋愛漫画をブランコに乗りながら読んでいた。
 時間が経ち、夜ご飯どきになると柚奈のイライラもなくなり、怜に話しかけた。

「先輩、そろそろご飯にしましょう」
「お、おう。さっきは秘密なんて言ってごめんな。ご飯の後に訳を話すからさ」
「いえ、先輩。私もつい旭ちゃんとの秘密だったのでムカついてしまいました。私もごめんなさい」

 二人は無事、仲直りをして元の世界に戻った。元の世界に戻ると早速柚奈は夜ご飯の支度を始めた。怜はくたびれ、リビングのソファに寝転んだ。
 数分後、また玄関のドアが勢いよく開いた。二人は嫌な予感がして、玄関を見るとそこには旭がいた。

「おい! 旭ちゃんなんでまた、ここにきた?」
「何でって、私もここに住むからに決まってるだろー、あぁお腹すいた」
「私も住むって、いきなりすぎです。私は反対ですし、出て行ってください」
「えぇ~私、方向音痴すぎて、ここまでたどり着くのに一ヶ月たったんだぞ! それまで近くのカラオケとかネットカフェで寝てたんだぞ。しかも今はお金ないし、このままだと外で寝ることになるんだ。お願いだよ、私を泊まらせてくれよー」

 麗しい水のように瞳を輝かせ、旭は二人に住むことをお願いした。外で寝ることが可愛いそうだと思った怜は、柚奈にお願いした。

「柚奈ちゃんさ、急なのは旭ちゃんが悪いけどさ。外で寝るのはキツいと思うし、旭ちゃんにお金ができるまでの間、泊まらせてあげようぜ」
「うーん、そうですね。確かに相当な方向音痴ってのはわかりましたが、さすがにそこまで私は汚れてないので、今回はいいでしょう。でも……まとまったお金ができたら早く出て行ってくださいね」
「うんうん、ありがとう。ってことでお邪魔しまーす」

 今夜からドタバタの三人の生活が始まった。
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