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葵ちゃんと紫髪の少女再び!?

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 怜の髪の毛や目は蛍光色の青色のように光り、人形の目の前まで一瞬でたどり着いた。そして人形の体を捉え、拳を突き出した。拳は人形の腹を貫通し、そのままスピードに逆らえず、ものすごい勢いで怜は浮き出た地面に激突した。それはまるで雷が光って落ちるまでの時間だった。その速さに柚奈は驚き目を見開いていた。
 人形は倒せたものの、その人形を倒した張本人は浮き出た地面に激突し、目を回していた。
 柚奈はその様子を見ると微笑み、怜を膝枕して目を覚ますのを待った。
 数分経つと怜はその頭の下の柔かい太ももの感触に気づき、目を覚ました。目を開けるとそこには柚奈が優しい瞳で怜を見ていたのだ。
 怜は顔を赤くし、動こうとしたが、霊力の使いすぎで体に負荷がかかり、動けなくなっていたのだ。

「体が動かない?」
「もう先輩。あれは霊力の消費が多すぎです。でも、頑張ってくれたので、その、これは……ご、ご褒美です」
「は!?」

 怜と柚奈はお互いに照れながらも、怜はその柚奈の膝枕を堪能した。
 そして数分後怜は右手が動かせるようになってきたのか、右手を挙げた。

「うわぁ手がボロボロだ。実際の世界ではこんなことできないからよかったー」
「そうですね、先輩はもうちょっと霊力のコントロールを覚えないといけなさそうですねぇ」
「へいへい。お腹も空いてきたし、俺の体が動かせるようになったら一旦戻るか」
「そうですね。そうしましょう」
「ごめん、少し眠くなってきたわ。数分経ったら起こしてく……」

 怜はまた疲労から眠ってしまった。柚奈は眠る怜を優しく見守りながら休憩した。心地よい風が二人の傷を癒すように気持ちが良かった。
 そして数分後、怜は目を覚まし、疲労は少し回復し、立ち上がれるようになった。

「ふー、ありがとう柚奈ちゃんおかげで少し、楽になったよ」
「では、お昼にしましょうか」
「私もお腹すいたー」

 豊姫も眠そうに話すと、二人は元の世界に戻った。
 元の世界に戻ると怜は疲れた顔で、椅子に座り、テーブルにうつ伏せになった。柚奈は昼食の準備をした。
 そして数分後、昼食が出来上がり、テーブルに並べた。どうやら今日の昼食はパスタのようだ。パスタはペペロンチーノでピリッと効いた辛さがアクセントでなんともハマる一品だ。みんなでパスタを食べようとした瞬間、翔子の家のドアが力強く開けられた。

「え!? 何事?」
「鍵は閉めていたはずです。きっと不審者ですね。先輩、お願いします」
「えぇ!? 俺かよ。まぁ男は俺一人だからなぁ。よし、行くぞ」

 怜は恐る恐る玄関に近づいた。そして玄関にはあの時の少女がいた。

「やっとたどり着いたわ! 師匠の家!」
「あっ! お前! 何しにきたんだ」

 そこにはあの時の少女、紫髪の緑の瞳、そして巨乳。怜にいきなり襲いかかった少女だった。怜は驚き、拳を構えた。

「あぁ! あなた! 私の胸を触った変態じゃん! 今度こそ容赦しないわよ」
「え!? あ、あの時は仕方ないだろ」
「うるさーい」

 少女は靴のまま家に上がり、怜に襲いかかった。何の武道か分からないが、拳の重みが重く、怜は拳を受け止めるが、その勢いに尻餅をついた。そして少女が馬乗りになると怜は反射的に両手を前に出した。その両手は少女の拳ではなく、巨乳を受け止めてしまった。その感触に怜が気づくと慌てて手を離した。
 しかし、じっと後ろから見ていた柚奈は顔を強張らせ、怜を睨みつけていた。後ろの柚奈にビビると怜は少女にビンタされ、目を回した。
 数分後、怜は目を覚ますと柚奈と少女が言い争いをしていた。それもそうだ少女は土足で翔子の家に入ったのだ、怒る柚奈も仕方がない。

「あなたは一体何なんですか? 人の家に勝手に上がり込んで、先輩に胸を揉ますなんて!」
「違うわよ! あいつは自分から私の胸を揉んだんだわ! まぁあなたの胸と比べて私の方が立派だからねぇ。仕方ないわね、そりゃ男の人は大きい方が好きですから」
「あぁそうですか、そんな脂肪の塊なんか誰が好きになるんですかねぇ」

 二人の言い争いだったが、少女はテーブルに並ぶペペロンチーノを見るとよだれを少し垂らした。すると少女は怜の分のパスタを一気に食べてしまった。

「あぁ! それは俺のペペロンチーノだぞ! 返せ!」
「いいじゃない、これで胸を触ったお詫びよ。許してあげるわ」
「もう! いい加減にしてください。豊ちゃんこの人、私斬ります」

 柚奈が鬼の形相で、少女に攻撃しようとすると豊姫は眠そうに答えた。

「まぁまぁ柚ちゃん。私この子どっかで見たことあるような気がするんだよなぁ」
「いやぁ私はあなたと会ったことがないわ」

 すると少女の後ろから守護霊らしき女の子が出てきた。女の子は緑色の髪でツインテールだった。身長は小学生くらいのサイズで、瞳は黒で幼い顔つきだった。服装は緑を基調とした浴衣を着ていた。そして恥ずかしそうに少女に話しかけた。

「ねぇ旭ちゃんもうやめようよ。喧嘩は良くないよ」
「うるさいわね! 私は師匠の家に見知らぬ人たちがいるから怒ってるの!」
「うぅ……」

 気が弱そうな守護霊は少女に怒られると一歩後ろに引いてしまった。その様子をじっと豊姫が見ていると、手を叩き、何かを思い出した。

「あぁ~あなた。翔子ちゃんからは聞いてるよ。あなたが朝川旭あさがわ あさひちゃんね」
「そうだけど、あなた達まさか師匠の知り合いなの!?」
「えぇそうよ。旭ちゃんいらっしゃーい」

 笑顔で迎える豊姫だが、怜と柚奈はマジかよと思い、今からこの少女と一緒に共にしていくことを考えると顔が青ざめた。
 柚奈は豊姫に耳元で確認した。

「ねぇ豊ちゃん。まさか師匠が助っ人に来るって言ったのってこの子?」
「そうだけど?」
「あぁそうなんですねー」

 最悪な空気に三人はどう切り出していいか分からず、沈黙した。
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