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葵ちゃんと武器化
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「ふー、とりあえず特訓特訓と!」
怜はシャワーを浴びずに一足先に巻物の世界に葵とくると早速、翔子がやっていたみたいに複製人形を出した。
「へぇ~、いろいろいるんだなぁ。よし! 決めたまずはこれでやってみるか」
怜が電子版をポチポチ押すと怜が選んだ複製人形が出てきた。怜が選んだ人形は男性型の戦士だった。人形には銀色に輝く立派な鎧と腰には剣が装備されていた。
怜は葵を呼んだ。
「おーい! 葵ちゃん! こっちきてくれー」
「はーい」
葵は水玉から降りるとプカプカと怜の元へやってきた。怜は葵が来ると修行の流れを話し始めた。
「葵ちゃんまずは俺たち連携していかないと敵を倒せないんだ。だから今日からの修行では葵ちゃんを武器化してやっていこうと思う。どう? 何か覚えてそう?」
「うーん……思い出せ思い出せー」
期待値は高くないが、怜はとりあえず葵に思い出せさるよう頼み込んだ。葵は必死な思いで、眉間に皺を寄せ思い出した。
そして数分後葵はポンと手を叩き、話し始めた。
「うん! 葵思い出したよ」
「本当か!? 出来した葵ちゃん! 俺は信じてよかったよぉ。じゃ早速思い出した姿に武器化できるかな?」
「オッケー」
怜はワクワクしながら大きな期待を持って葵が武器化するのを待った。葵は手と手を合わせて、何かを念じ始めた。そして次の瞬間、葵は光に包まれると葵の姿は無くなった。
怜は光が飛び散ると周りをキョロキョロ見回した。しかし、武器らしいものはなかった。前に歩くと何かを踏んだ。
「いたっ! ねぇ怜踏むな! 葵痛かったよ」
「え!? 葵ちゃんどこにいるの?」
「下だよ下! よく見て!」
怜は右足をどけ、下を見た。するとそこには黒色の手袋があった。それを取ると早速付けてみた。手袋は指先が空いており、黒を基調とした色使いで、右手袋の上の中心には水色で雷のマークが描かれていた。そして指先から下にも水色でラインが両方の手袋に描かれていた。手袋の性質は不思議で、感触は皮だと思うが、重みを感じた。
(なんだこの手袋!? 重いぞ。しかも握る時に力が入れずらい!? しかもなんだこのマーク、雷だよな? にしてはチョイスが水色って、まぁとりあえず葵ちゃんが武器化できたのはよかった。ニャンコ師匠が敵にダメージやら何かをしてくれたんだろう。よし、試していくか)
怜は拳で殴る素振りをしていた。珍しく思い手袋なので、上手く力を込めて殴ることができなかった。しかし、怜は泣き言を言わず、黙々と素振りをした。
そして数時間後、柚奈たちが水の滑り台に乗ってやってきた。
「先輩、もしかしてその手袋葵ちゃんですか!?」
「あぁそうだ。葵ちゃんがこれを思い出してくれたんだ。だから、今はこれを習得しようと思ってね。でも、うまい具合に拳で殴れないんだ。柚奈ちゃん何かわかるか」
数時間素振りをした怜だが、やはり手袋の違和感に上手く拳を振れなかったようだ。柚奈が怜の左手を掴むとじっくり手袋を見始めた。なんだか手を見つめられる怜は恥ずかしかった。そんな怜の気持ちを知らずに柚奈は手袋を眺め、怜の悩みを解決しようと頑張った。
「先輩、分かりました。この手袋は先輩の霊力に反応します。なので先輩が霊力を手袋に伝えて、攻撃する立ち回りになると思います」
「お、おう。ありがとう。早速やってみるぜ」
怜は拳を構えて、息を深く吸った。そして霊力を送る意識をすると手に取るように霊力の流れを呼んだ。そして今だと思うと拳を力強く振った。すると、水色のラインが蛍光色に光り輝き、前に風圧が行った。その風圧は十メートル離れた木に直撃し、木は少し凹んだ。
「おぉ! これがこの手袋の能力なのか!? すげぇ! これで俺は強くなるぜ。早速修行だ。その人形を動かすぜ」
「そうですね。私も修行をしましょう。今日は一人一体人形を使って修行をしましょう」
それぞれ人形との修行が始まり、守護霊を武器化させ、戦い始めた。怜は最初は力加減や狙いが定まらず苦戦した。柚奈はいつもの『絶海の刀』を使い、さらなる進化を遂げるために修行に臨んだ。
それぞれ時間を忘れ、夢中で戦った。
時間が経つほど、霊力の消耗からか、自分の霊力をコントロールするのが難しくなっていった。それでも二人は限界が来るまで修行を続けた。まるで終わらないゲームを進めるようだった。
そして数時間が経ち、守護霊たちの限界がきてしまい、豊姫と葵はヘトヘトになり、武器化を保てなくなってしまった。すると守護霊たちは人魂になり、寝てしまった。柚奈と怜は武器がなくなり、人形にすぐに倒されてしまった。回復すると守護霊たちの様子を見ると二人は顔を見合わせ、笑った。
「どうやら私たち、この子たちに無理をさせてしまったようですね。今日はここまでにしましょう」
「そうだな。俺たちが焦りすぎると葵ちゃんや豊姫にもプレッシャーをかけることになるから、地道に頑張っていくか」
そして二人は修行を終え、元の世界に帰った。
怜はシャワーを浴びずに一足先に巻物の世界に葵とくると早速、翔子がやっていたみたいに複製人形を出した。
「へぇ~、いろいろいるんだなぁ。よし! 決めたまずはこれでやってみるか」
怜が電子版をポチポチ押すと怜が選んだ複製人形が出てきた。怜が選んだ人形は男性型の戦士だった。人形には銀色に輝く立派な鎧と腰には剣が装備されていた。
怜は葵を呼んだ。
「おーい! 葵ちゃん! こっちきてくれー」
「はーい」
葵は水玉から降りるとプカプカと怜の元へやってきた。怜は葵が来ると修行の流れを話し始めた。
「葵ちゃんまずは俺たち連携していかないと敵を倒せないんだ。だから今日からの修行では葵ちゃんを武器化してやっていこうと思う。どう? 何か覚えてそう?」
「うーん……思い出せ思い出せー」
期待値は高くないが、怜はとりあえず葵に思い出せさるよう頼み込んだ。葵は必死な思いで、眉間に皺を寄せ思い出した。
そして数分後葵はポンと手を叩き、話し始めた。
「うん! 葵思い出したよ」
「本当か!? 出来した葵ちゃん! 俺は信じてよかったよぉ。じゃ早速思い出した姿に武器化できるかな?」
「オッケー」
怜はワクワクしながら大きな期待を持って葵が武器化するのを待った。葵は手と手を合わせて、何かを念じ始めた。そして次の瞬間、葵は光に包まれると葵の姿は無くなった。
怜は光が飛び散ると周りをキョロキョロ見回した。しかし、武器らしいものはなかった。前に歩くと何かを踏んだ。
「いたっ! ねぇ怜踏むな! 葵痛かったよ」
「え!? 葵ちゃんどこにいるの?」
「下だよ下! よく見て!」
怜は右足をどけ、下を見た。するとそこには黒色の手袋があった。それを取ると早速付けてみた。手袋は指先が空いており、黒を基調とした色使いで、右手袋の上の中心には水色で雷のマークが描かれていた。そして指先から下にも水色でラインが両方の手袋に描かれていた。手袋の性質は不思議で、感触は皮だと思うが、重みを感じた。
(なんだこの手袋!? 重いぞ。しかも握る時に力が入れずらい!? しかもなんだこのマーク、雷だよな? にしてはチョイスが水色って、まぁとりあえず葵ちゃんが武器化できたのはよかった。ニャンコ師匠が敵にダメージやら何かをしてくれたんだろう。よし、試していくか)
怜は拳で殴る素振りをしていた。珍しく思い手袋なので、上手く力を込めて殴ることができなかった。しかし、怜は泣き言を言わず、黙々と素振りをした。
そして数時間後、柚奈たちが水の滑り台に乗ってやってきた。
「先輩、もしかしてその手袋葵ちゃんですか!?」
「あぁそうだ。葵ちゃんがこれを思い出してくれたんだ。だから、今はこれを習得しようと思ってね。でも、うまい具合に拳で殴れないんだ。柚奈ちゃん何かわかるか」
数時間素振りをした怜だが、やはり手袋の違和感に上手く拳を振れなかったようだ。柚奈が怜の左手を掴むとじっくり手袋を見始めた。なんだか手を見つめられる怜は恥ずかしかった。そんな怜の気持ちを知らずに柚奈は手袋を眺め、怜の悩みを解決しようと頑張った。
「先輩、分かりました。この手袋は先輩の霊力に反応します。なので先輩が霊力を手袋に伝えて、攻撃する立ち回りになると思います」
「お、おう。ありがとう。早速やってみるぜ」
怜は拳を構えて、息を深く吸った。そして霊力を送る意識をすると手に取るように霊力の流れを呼んだ。そして今だと思うと拳を力強く振った。すると、水色のラインが蛍光色に光り輝き、前に風圧が行った。その風圧は十メートル離れた木に直撃し、木は少し凹んだ。
「おぉ! これがこの手袋の能力なのか!? すげぇ! これで俺は強くなるぜ。早速修行だ。その人形を動かすぜ」
「そうですね。私も修行をしましょう。今日は一人一体人形を使って修行をしましょう」
それぞれ人形との修行が始まり、守護霊を武器化させ、戦い始めた。怜は最初は力加減や狙いが定まらず苦戦した。柚奈はいつもの『絶海の刀』を使い、さらなる進化を遂げるために修行に臨んだ。
それぞれ時間を忘れ、夢中で戦った。
時間が経つほど、霊力の消耗からか、自分の霊力をコントロールするのが難しくなっていった。それでも二人は限界が来るまで修行を続けた。まるで終わらないゲームを進めるようだった。
そして数時間が経ち、守護霊たちの限界がきてしまい、豊姫と葵はヘトヘトになり、武器化を保てなくなってしまった。すると守護霊たちは人魂になり、寝てしまった。柚奈と怜は武器がなくなり、人形にすぐに倒されてしまった。回復すると守護霊たちの様子を見ると二人は顔を見合わせ、笑った。
「どうやら私たち、この子たちに無理をさせてしまったようですね。今日はここまでにしましょう」
「そうだな。俺たちが焦りすぎると葵ちゃんや豊姫にもプレッシャーをかけることになるから、地道に頑張っていくか」
そして二人は修行を終え、元の世界に帰った。
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