守護霊になった葵ちゃんと一緒に悪霊退治を始めることになった

メロンジャム

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葵ちゃんと寂しい朝食

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リポーターが狐を映しながら、狐についての豆知識を教えてくれた。

「はい、それでは狐についての豆知識を教えたいと思いまーす。よく皆様は『狐に摘まれる』と言いますが、本当の字は『狐に抓まれる』そうです。意味としては意外なことが起こり、呆然としていることを表すそうです。実際私も狐の赤ちゃんを見て、抓まれませんでしたが、麗しい瞳につい、抓まれてもいいと思っちゃいました。ではここからは狐に詳しい山田さんにお話を伺っていきたいと思います。山田さーんお願します」
「はい、山田です。今映している狐の赤ちゃんは~……」

 怜は狐に抓まれるという意味について記憶操作について考え、スマホで調べてみた。しかし、狐に抓まれるに関しては驚いて呆然とするくらいしかなく、記憶の操作や抹消について何もなく、ため息をついた。怜はテレビを消し、ぼーっとスマホを眺めた。
 するとお風呂から上がった、柚奈がバスローブ姿で、ソファに寝転ぶ怜に話しかけた。

「先輩、お風呂の中で、じっくり考えてみましたが、小さい頃の思い出の方が思い出せますが、そのことは全然思い出せませんでした」
「そっかー、とりあえず俺らに必要なのは、修行かぁ」
「でも、記憶をいじってきた敵を倒したり、記憶自体を奪い取れば、記憶が元どおりになると思います。なので、戦い方のヒントにはなりませんが、私たち自体強くならないと解決はしませんね」

 その日二人は修行の疲れもあったのか、その後は自分たちの部屋に戻り、就寝した。
 そして次の日、怜のスマホの目覚ましがいつも通りなり始めた。朝にもやっと慣れてきた怜は珍しく六時に起きることができた。それは昨日あんなことがあったからか、修行のやる気はマックスのようだ。しかし、気持ちはそうでも体は言うことをきかないもので、睡魔が怜を襲った。目をこすりながらトイレに入ったり、歯磨きをした。
 柚奈は怜よりも早く起床をしており、食パンを焼いていた。食パンの焼き終わると香ばしい小麦の匂いが怜の鼻まで来ると、吸い寄せられるようにリビングに入った。
 怜が入ってくると食パンをテーブルに運ぶ柚奈が驚いた。

「え!? 先輩ですか? 本当に先輩なのですか? なんでこんなに早く起きれているんですか」
「朝からうるせぇなぁ。俺だってこれくらいの時間余裕だよ。今日も早くゴミ拾い終わらせて修行すっぞ」
「はい、結構やる気なのは伝わりましたが、眠そうなのも伝わりました」

 守護霊たちも目覚め、四人揃って食パンを食べ始めた。みんなチョコやピーナッツ、イチゴジャムなど、自分の好みに合わせて食べた。
 柚奈はコーヒーを飲むと、話した。

「こういうこというと気まずい空気になりますが、すみません。我慢できなんで言わせてください。なんだか人がいないとこんなにも寂しいものなんですね。私、師匠と一緒に今までいたのでなんだか不安です。でもこれを機に私も自立といいますか、頑張ろうと思います。あとボランティアの方で月影ははじめの方だけらしかったので、今日からは違う先生が入るらしいです」
「柚ちゃん……そんなに自分に厳しくしなくていいんだからね」

 寂しそうに話す柚奈に豊姫は抱きしめて声をかけた。柚奈は安心したのか少し涙がこぼれた。葵も元気つけようと立ち上がり話し始めた。

「大丈夫だよ! 柚ちゃん。葵も頑張るから一緒に翔子ちゃんを助けよう」
「そうだな。俺も一日でも早く強くならないとな!」
「葵ちゃん、先輩……ありがとうございます。なんだか心のモヤモヤがなくなったようでスッキリしました。ゴミ拾いも頑張りましょう」

 朝ごはんを済ますと、怜と柚奈は制服に着替え、外に出た。
 公民館に着き、昨日同様ゴミ拾いが始まった。
 数時間後、ゴミ拾いが終わった。

「なぁ柚奈ちゃん俺さ着替えがないから家寄ってもいい?」
「はい、構いませんが、私も同行しますよ」
「え!? なんで同行? まさか俺の家気になるの~」
「はぁ、先輩。今私たちは追われる立場ですよ。考えてください。先輩と葵ちゃんだけだったらすぐに捕まってしまいますよ」
「それもそうだったな。サンキュー」

 四人は怜の家に向かった。十分くらい歩くと怜の家についた。怜は家の鍵を開け、紙袋に必要最低限のものを詰めてきた。それはものの十分くらいだった。

「お待たせ~」
「え!? 先輩もう終わったのですか? ありえないです。そんな紙袋で済むのですか? でも、男性の方はそこまでありませんものね」
「まぁ俺の場合はそんなに服ないし、速さが俺の売りだぜ」
「怜、そんな自慢できるのんじゃないよ」

 自慢気に話す怜に対し、葵はツッコミを入れた。そして四人は翔子の家に向かった。翔子の家に住む理由が不思議な怜は柚奈に質問した。

「なぁなんでニャンコ師匠の家に住むんだ? 別に俺とか柚奈ちゃんの家じゃダメなのか」
「そうですね。師匠の家は相手に気配を探らせない特別な力が施されています。なので身を隠すにはいいところだと思います」
「なるほど! そういうことだったのか」

 他愛もない会話をしていると、あっという間に翔子の家についた。
 そして弁当を食べ、柚奈たちはお風呂に入るが、怜はいち早く巻物の世界にいき、修行を始めた。
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