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葵ちゃんと廃校の少女
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三人は人気のない道に入り、今日掃除した廃校に向かおうとした。空腹すぎて忘れられていたが、守護霊たちは修行の疲れと今から行く廃校でもしものために人魂化して着いてきた。
電灯の光が、切れかけていたり、猫が目を光らせる不気味な道を三人は進んでいった。まだ八時だというのに怜の目には幽霊達が見えた。電灯に寄っかかる幽霊や猫をじっと見つめる幽霊、怜達をじっと睨む幽霊など、その不気味な道にはたくさんの幽霊がいた。
怜は目を合わせないように前だけ見て進んだ。
すると翔子が世間話程度に何か話し始めた。
「ここを抜ければ廃校へはすぐそこじゃ。じゃが、幽霊が多いのぉ。こんなに多いと近くに悪霊が住み着いている可能性もありそうじゃな」
「なぁ師匠幽霊が住み着くってどんなとこを好むんだ?」
「それは幽霊それぞれ好みは違うが、明るいところとか人通りの多いところは好まないのー。まぁ人間と一緒じゃ、人間は綺麗でゆったりできるところを気にいるじゃろ。幽霊もそんな感じで自分の好みの場所を探すのじゃ」
「ふーん」
不気味な道を抜けると月の光で三人が照らされた。さっきの道と比べて月の光が眩しいくらいだった。
ふと怜は前をみるとそこには今日掃除した廃校と周りには草木が生い茂っていた。翔子が身長くらいまで伸びた草をかき分けながら進むと、道路に出た。
「ふー、やっとついたのじゃ。しかし、この廃校はいつ見ても不気味じゃのー」
「俺にはそんな風には見えないけどな~、どこがそんなに不気味なんだ?」
「何も感じないのじゃ。このくらいの学校とかだったら少し幽霊の気配を感じた方がまだ可愛い方だったが、全然何も感じないのじゃ。まぁとりあえず中に入ってみないことにはわからんじゃろ」
そういうと翔子は門を超え、廃校の入り口にやってきた。汚れたドアを開こうとすると廃校のドアはどうやら空いているようだ。翔子は二人に開ける合図をすると、ドアを恐る恐る開けた。ギギギと大きな音をたて、ドアを引きずるように開けた。音は響き渡り、数秒すると廃校内はまた静寂にかえった。
「お主ら、行くぞ」
「おう」
「はい」
翔子に続き、二人は廃校の中に侵入した。廃校内は昔の小学校のままで、玄関に飾ってある大きな絵や受付などはそのまま誇りを被っていた。前には階段があり、左右には教室やトイレに行ける廊下が続いていた。三人が廊下を歩き、一階の教室を探索しようとするとピアノの音がガーンと廃校中に響き渡った。
三人は驚き、固まったが、急いで音楽室のある3階に走り出した。
「師匠、今の音はピアノですね。気配としては誰が原因でしょうか」
「わからぬ、廃校に入った時も気配を探ったのじゃが、何も感じ取れなかった。しかも今も誰がピアノの音を出したのかもわからんのじゃ」
「マジかよ!? そんな慎重に気配を消す幽霊がいるんだな」
「悪霊の場合、気配を消すことができるレベルが高いほど強いのじゃ。じゃが、今のわしに気配を探られないで済むのはたくさんいる。じゃからまだ強敵と決まったわけじゃないが、油断は禁物じゃ」
三人は階段を駆け上がり、廃校中に階段を駆け上がる音が響いた。三階につき、左右をみると、右の奥に音楽室と書かれた部屋を見つけた。三人は走り出し、音楽室に向かった。そして音楽室のドアを勢いよく翔子が開け、怜と柚奈は部屋に走って入った。
部屋中を見渡すが、幽霊の気配は二人には感じ取れなかった。再度ピアノを見たり、肖像画から幽霊の気配を探った。
すると翔子は音楽室の真ん中で座禅を組み、気配を探った。
「わしも舐められたものじゃな。これしきの幽霊。気配を一発で探って見せようぞ」
そして数秒後翔子は目を見開き、立ち上がると、短剣を一瞬で右手に出し、指揮棒が飾ってあるガラスケースに投げた。短剣は空気を切り裂き、指揮棒めがけ飛んで行った。指揮棒と短剣が当たる瞬間、ピアノの音がガーンと低い音が響き渡り、短剣は弾かれてしまった。
「ふん。等々姿を現しおったようじゃな」
「え!?」
翔子が短剣を投げた先を二人はみるとそこには指揮棒を持った小学生くらいの少女が立っていた。少女は黒髪で髪の長さはミディアムで目は黒く、どこか悲しい目をしていた。服装は紫色を基調としたドレスを着ていた。
「あ、あなた達誰? きっと私を殺しに着たんでしょ!? やめて! 近かないで」
少女は指揮棒を優雅に滑らかにふると近くにあった楽器がなり始めた。ピアノやバイオリン、フルートにトランペット。しかしどれも古くなり、埃を被っていたのか美しい音とはいえず、聞き苦しい音だった。その音は形となり、大きな音符になって三人に襲いかかってきた。
「なんだよこれ!? 音符が襲ってくるぞ」
「きっと彼女の攻撃です。一旦この部屋から出ましょう」
柚奈は走り、音楽室のドアを開けようとすると鍵が閉まっているのか全然開けることができなかった。翔子は二人に指示をした。
「怜、柚奈よ。ここで奴をやる」
「はい、分かりました」
「え!? おい待てよ。あんな小さい子をやるのか」
翔子と柚奈は走り、少女に攻撃を仕掛けようとした。
「行きます。豊ちゃん刀になってください」
「お主はこの短剣で決める」
二人は連携し、音符の間をくぐり抜け、刀と短剣で少女に斬りかかった。
少女は攻撃を仕掛けた二人に恐怖し、さらに指揮棒をふり、だんだんその振り方は荒くなっていった。振り方が荒くなるたび、攻撃も音符も大きくなり、二人を襲った。
怜はか弱い恐怖から逃れようとしている少女に手を下すことを恐れていた。怜は何もすることができず、ただただ立ち止まって見ていることしかできまかった。
二人はぼーっと立っている怜を無視し、必死に少女に攻撃を仕掛けた。
「師匠。この音符の量じゃこちらが、やられてしまいます。同時に決めましょう」
「うむ。わかった。柚奈は前をそのうちにわしが決めよう」
二人で作戦を立てると叫びながら身を守る少女に二人は仕留めにかかった。
電灯の光が、切れかけていたり、猫が目を光らせる不気味な道を三人は進んでいった。まだ八時だというのに怜の目には幽霊達が見えた。電灯に寄っかかる幽霊や猫をじっと見つめる幽霊、怜達をじっと睨む幽霊など、その不気味な道にはたくさんの幽霊がいた。
怜は目を合わせないように前だけ見て進んだ。
すると翔子が世間話程度に何か話し始めた。
「ここを抜ければ廃校へはすぐそこじゃ。じゃが、幽霊が多いのぉ。こんなに多いと近くに悪霊が住み着いている可能性もありそうじゃな」
「なぁ師匠幽霊が住み着くってどんなとこを好むんだ?」
「それは幽霊それぞれ好みは違うが、明るいところとか人通りの多いところは好まないのー。まぁ人間と一緒じゃ、人間は綺麗でゆったりできるところを気にいるじゃろ。幽霊もそんな感じで自分の好みの場所を探すのじゃ」
「ふーん」
不気味な道を抜けると月の光で三人が照らされた。さっきの道と比べて月の光が眩しいくらいだった。
ふと怜は前をみるとそこには今日掃除した廃校と周りには草木が生い茂っていた。翔子が身長くらいまで伸びた草をかき分けながら進むと、道路に出た。
「ふー、やっとついたのじゃ。しかし、この廃校はいつ見ても不気味じゃのー」
「俺にはそんな風には見えないけどな~、どこがそんなに不気味なんだ?」
「何も感じないのじゃ。このくらいの学校とかだったら少し幽霊の気配を感じた方がまだ可愛い方だったが、全然何も感じないのじゃ。まぁとりあえず中に入ってみないことにはわからんじゃろ」
そういうと翔子は門を超え、廃校の入り口にやってきた。汚れたドアを開こうとすると廃校のドアはどうやら空いているようだ。翔子は二人に開ける合図をすると、ドアを恐る恐る開けた。ギギギと大きな音をたて、ドアを引きずるように開けた。音は響き渡り、数秒すると廃校内はまた静寂にかえった。
「お主ら、行くぞ」
「おう」
「はい」
翔子に続き、二人は廃校の中に侵入した。廃校内は昔の小学校のままで、玄関に飾ってある大きな絵や受付などはそのまま誇りを被っていた。前には階段があり、左右には教室やトイレに行ける廊下が続いていた。三人が廊下を歩き、一階の教室を探索しようとするとピアノの音がガーンと廃校中に響き渡った。
三人は驚き、固まったが、急いで音楽室のある3階に走り出した。
「師匠、今の音はピアノですね。気配としては誰が原因でしょうか」
「わからぬ、廃校に入った時も気配を探ったのじゃが、何も感じ取れなかった。しかも今も誰がピアノの音を出したのかもわからんのじゃ」
「マジかよ!? そんな慎重に気配を消す幽霊がいるんだな」
「悪霊の場合、気配を消すことができるレベルが高いほど強いのじゃ。じゃが、今のわしに気配を探られないで済むのはたくさんいる。じゃからまだ強敵と決まったわけじゃないが、油断は禁物じゃ」
三人は階段を駆け上がり、廃校中に階段を駆け上がる音が響いた。三階につき、左右をみると、右の奥に音楽室と書かれた部屋を見つけた。三人は走り出し、音楽室に向かった。そして音楽室のドアを勢いよく翔子が開け、怜と柚奈は部屋に走って入った。
部屋中を見渡すが、幽霊の気配は二人には感じ取れなかった。再度ピアノを見たり、肖像画から幽霊の気配を探った。
すると翔子は音楽室の真ん中で座禅を組み、気配を探った。
「わしも舐められたものじゃな。これしきの幽霊。気配を一発で探って見せようぞ」
そして数秒後翔子は目を見開き、立ち上がると、短剣を一瞬で右手に出し、指揮棒が飾ってあるガラスケースに投げた。短剣は空気を切り裂き、指揮棒めがけ飛んで行った。指揮棒と短剣が当たる瞬間、ピアノの音がガーンと低い音が響き渡り、短剣は弾かれてしまった。
「ふん。等々姿を現しおったようじゃな」
「え!?」
翔子が短剣を投げた先を二人はみるとそこには指揮棒を持った小学生くらいの少女が立っていた。少女は黒髪で髪の長さはミディアムで目は黒く、どこか悲しい目をしていた。服装は紫色を基調としたドレスを着ていた。
「あ、あなた達誰? きっと私を殺しに着たんでしょ!? やめて! 近かないで」
少女は指揮棒を優雅に滑らかにふると近くにあった楽器がなり始めた。ピアノやバイオリン、フルートにトランペット。しかしどれも古くなり、埃を被っていたのか美しい音とはいえず、聞き苦しい音だった。その音は形となり、大きな音符になって三人に襲いかかってきた。
「なんだよこれ!? 音符が襲ってくるぞ」
「きっと彼女の攻撃です。一旦この部屋から出ましょう」
柚奈は走り、音楽室のドアを開けようとすると鍵が閉まっているのか全然開けることができなかった。翔子は二人に指示をした。
「怜、柚奈よ。ここで奴をやる」
「はい、分かりました」
「え!? おい待てよ。あんな小さい子をやるのか」
翔子と柚奈は走り、少女に攻撃を仕掛けようとした。
「行きます。豊ちゃん刀になってください」
「お主はこの短剣で決める」
二人は連携し、音符の間をくぐり抜け、刀と短剣で少女に斬りかかった。
少女は攻撃を仕掛けた二人に恐怖し、さらに指揮棒をふり、だんだんその振り方は荒くなっていった。振り方が荒くなるたび、攻撃も音符も大きくなり、二人を襲った。
怜はか弱い恐怖から逃れようとしている少女に手を下すことを恐れていた。怜は何もすることができず、ただただ立ち止まって見ていることしかできまかった。
二人はぼーっと立っている怜を無視し、必死に少女に攻撃を仕掛けた。
「師匠。この音符の量じゃこちらが、やられてしまいます。同時に決めましょう」
「うむ。わかった。柚奈は前をそのうちにわしが決めよう」
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