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葵ちゃんと廃校
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怜のグループが目的地である、廃校の近くについた。
お年寄り達は慣れているように、ゴミ袋を広げ、次々とゴミを拾い始めた。
廃校の周りは草木が生い茂っていた。さらにそこは、車もちょいちょい走るらしいので、車からのポイ捨ても多く見えた。ゴミはペットボトルや缶、タバコの吸い殻や、コンビニの袋など、廃校の周りは数え切れないほどゴミがあった。
怜は唖然とした表情でゴミを見渡した。
唖然と立っている怜に柚奈はゴミ袋を広げながら声を掛けた。
「先輩。早く取り掛かりましょう。これも現実です。私たちの力で少しでも捨てられない環境に作り変え行きましょう。見てくださいお年寄り達を、みんな諦めず毎年やってきたみたいです。あの方達をガッカリさせないくらい頑張りましょう」
「そうだな。俺たちが頑張らなくて誰が頑張るんだ。よっしゃ! やるぞ」
「よし! 葵も頑張るぞ」
みんなで張り切り、ゴミ拾いが始まった。草の中や道路沿い、廃校の周りなどみんなで協力して、ゴミを集めた。
数時間後、お爺ちゃんのアラームが鳴り始めた。一時間を知らせてくれたみたいだ。
休憩の時間になり、みんなは廃校のベンチに座り休んだ。
「ぷはぁー、水ウメェ。集中すると時間てものはあっという間だな」
「そうですね。先輩がこんなにやる気になるなんて思ってもいませんでした」
「ウゥ。葵はもうヘトヘトだよ~」
怜や柚奈は水を飲み、汗をタオルで拭きながら会話を楽しんだ。一方葵は汗だくでプカプカ浮きながらだるそうにしていた。
豊姫は暑いと言いながらゴミ拾いの服の胸元のボタンを外し、手で仰いでいた。
いきなり胸元を開けた豊姫に対し、たまたま見てしまった怜は顔を真っ赤にさせた。
「あぁ~、柚ちゃん。怜くんがエッチな目で私のこと見えてきたんですけどー」
「いいやこれはその、ついそんな格好してるから目がいってしまったというか、事故というか。ごめん……てか、豊姫わざと開けただろ」
お年寄りには葵や豊姫は見えてないため、柚奈は鬼の形相で怜を睨みつけた。
怜は反省し、豊姫も胸元のボタンを閉めた。
怜達が他愛もないことをしているとお爺ちゃんが怖い顔をして話し出した。
「なぁ知ってるか。この廃校なんだけどよ。トイレの花子さんでもなく、人体模型でもなく、この学校には夜な夜な、怖い幽霊が出るんじゃよ~」
「やめなさいよ多田さん。若い子が信じちゃうだろ」
お年寄りのお爺ちゃんの多田さんがいきなりこの廃校の心霊について語り始めた。
悪霊使いの手がかりになると思い、怜と柚奈は目をきらつかせ、続きを聞いた。
「いえいえ、そういうの俺大好きです。もっと話してください」
「はい! 私も心霊大好きです。良ければお話しお聞かせください」
「ほぉー、やっぱり若い子はこういうのが好きなんじゃな。良いぞ、よく聞くがいい。この学校昔は、子供達がたくさんいて、勉学や運動に育んでおったのじゃ。しかし、近年少子化の原因で、スーパーの方の学校と合併することになって、この学校が廃校になってしまったのじゃ。じゃが、合併するまで不可解なことがなかった学校じゃが、最近は何か奇妙なんじゃ」
「奇妙とはなんのことなんだ?」
「それはな、夜な夜な女性の叫び声が聞こえたり、翼を持った幽霊が学校の中に入ったり、少女が本を読みながら歩いている姿が窓から見えたりと、奇妙な目撃があったそうじゃ。だから最近は夜中はここら辺を散歩するのをやめたんじゃ」
「そんな不可解な現象があったんですね。他に何かありますか?」
「すまないがわしが知ってるのはこれくらいじゃ。ぜひお友達に聞かせてあげるのじゃ」
多田さんの心霊話が終わると丁度、休憩終了のアラームが鳴った。
みんな飲み物をリュックにしまうと続きのゴミ拾いを始めた。
それから数時間が経ち、ゴミ拾いの時間が終わった。
慣れてなかった柚なと怜は「はぁー」と息を吐き、汗を拭いたり、水を飲んだ。
ゴミをまとめたり、帰る準備をすると集合場所の公民館に向かった。
公民館では月影が待っており、他のグループもたくさんいた。
怜達はゴミを月影の元に渡しに行った。
「先生。Dグループ掃除終わりました。ゴミはこっちですか?」
「はい、怜くんお疲れ様、ここにお弁当とお茶があるから柚奈さんにも持って行ってね」
「はい、ありがとうございます」
怜はお弁当とお茶を持つと、柚奈の元に戻った。
「これで終わりらしい。まぁ明日もあるし、解散式とかはないらしい。早く帰って昼飯にでもしようぜ」
「わかりました。そうですね。私もお腹ペコペコです。でも、シャワーは私が先ですからね」
「へいへい」
怜達はその後翔子の家に向かった。
柚奈が周りを確認すると多田さんの心霊話のことについて話した。
「先輩。あの話どう思います」
「あぁ。多田さんの話ね。俺さ~小学校あそこだからどうしても心霊っていう感覚にならないんだよね。夏休みとかに夜中あの学校行ったけど、なんの怖さもなかったし、後日先生に怒られるくらいしかなかったからな。ちなみに柚奈ちゃんはどう? 何か感じ取った」
「いえ、残念ながら私も何も感じることができませんでした。しかし、多田さんの話が妙に引っかかるので、一回師匠に気配を探ってもらうようお願いしてみようと思います」
「そっかー、幽霊関係なしに懐かしいから俺もついて行こうかな」
「師匠の了承が得てからですよ。その前に修行があるので気は抜かないでください」
「あ、そうだな。まずは修行だな」
多田さんの心霊話についての会話が終わるり、他愛もない会話を楽しんでいるとあっという間に翔子の家についた。
怜達は翔子の家に入ると、早速お弁当を食べ始めた。汗を気にする柚奈は帰って早々お風呂場に直行した。
翔子が抹茶オレを飲みながら弁当にがっつく怜に声をかけた。
「どうじゃ怜、どこか気になるところとか幽霊を感じるところはあったのか?」
「うーん。俺は全然、そうは思わないんですけど、柚奈ちゃんがなんか妙にひっかるとこがあるらしい」
「ほぉそうか。ではシャワーを浴び終わったら聞くとするかの」
その頃お風呂場では柚奈が気持ちよくシャワーを浴びていると、壁を抜け、葵と豊姫が裸でやってきた。
「え!? ちょ……二人とも何やってるんですか!?」
「なぁ柚ちゃん。守護霊って汗書くんだな。早く私にシャワーよこせ」
「葵も汗びっしょりで気持ち悪い。早くシャワー貸して」
一人と二霊でシャワーの取り合いをするのであった。
お年寄り達は慣れているように、ゴミ袋を広げ、次々とゴミを拾い始めた。
廃校の周りは草木が生い茂っていた。さらにそこは、車もちょいちょい走るらしいので、車からのポイ捨ても多く見えた。ゴミはペットボトルや缶、タバコの吸い殻や、コンビニの袋など、廃校の周りは数え切れないほどゴミがあった。
怜は唖然とした表情でゴミを見渡した。
唖然と立っている怜に柚奈はゴミ袋を広げながら声を掛けた。
「先輩。早く取り掛かりましょう。これも現実です。私たちの力で少しでも捨てられない環境に作り変え行きましょう。見てくださいお年寄り達を、みんな諦めず毎年やってきたみたいです。あの方達をガッカリさせないくらい頑張りましょう」
「そうだな。俺たちが頑張らなくて誰が頑張るんだ。よっしゃ! やるぞ」
「よし! 葵も頑張るぞ」
みんなで張り切り、ゴミ拾いが始まった。草の中や道路沿い、廃校の周りなどみんなで協力して、ゴミを集めた。
数時間後、お爺ちゃんのアラームが鳴り始めた。一時間を知らせてくれたみたいだ。
休憩の時間になり、みんなは廃校のベンチに座り休んだ。
「ぷはぁー、水ウメェ。集中すると時間てものはあっという間だな」
「そうですね。先輩がこんなにやる気になるなんて思ってもいませんでした」
「ウゥ。葵はもうヘトヘトだよ~」
怜や柚奈は水を飲み、汗をタオルで拭きながら会話を楽しんだ。一方葵は汗だくでプカプカ浮きながらだるそうにしていた。
豊姫は暑いと言いながらゴミ拾いの服の胸元のボタンを外し、手で仰いでいた。
いきなり胸元を開けた豊姫に対し、たまたま見てしまった怜は顔を真っ赤にさせた。
「あぁ~、柚ちゃん。怜くんがエッチな目で私のこと見えてきたんですけどー」
「いいやこれはその、ついそんな格好してるから目がいってしまったというか、事故というか。ごめん……てか、豊姫わざと開けただろ」
お年寄りには葵や豊姫は見えてないため、柚奈は鬼の形相で怜を睨みつけた。
怜は反省し、豊姫も胸元のボタンを閉めた。
怜達が他愛もないことをしているとお爺ちゃんが怖い顔をして話し出した。
「なぁ知ってるか。この廃校なんだけどよ。トイレの花子さんでもなく、人体模型でもなく、この学校には夜な夜な、怖い幽霊が出るんじゃよ~」
「やめなさいよ多田さん。若い子が信じちゃうだろ」
お年寄りのお爺ちゃんの多田さんがいきなりこの廃校の心霊について語り始めた。
悪霊使いの手がかりになると思い、怜と柚奈は目をきらつかせ、続きを聞いた。
「いえいえ、そういうの俺大好きです。もっと話してください」
「はい! 私も心霊大好きです。良ければお話しお聞かせください」
「ほぉー、やっぱり若い子はこういうのが好きなんじゃな。良いぞ、よく聞くがいい。この学校昔は、子供達がたくさんいて、勉学や運動に育んでおったのじゃ。しかし、近年少子化の原因で、スーパーの方の学校と合併することになって、この学校が廃校になってしまったのじゃ。じゃが、合併するまで不可解なことがなかった学校じゃが、最近は何か奇妙なんじゃ」
「奇妙とはなんのことなんだ?」
「それはな、夜な夜な女性の叫び声が聞こえたり、翼を持った幽霊が学校の中に入ったり、少女が本を読みながら歩いている姿が窓から見えたりと、奇妙な目撃があったそうじゃ。だから最近は夜中はここら辺を散歩するのをやめたんじゃ」
「そんな不可解な現象があったんですね。他に何かありますか?」
「すまないがわしが知ってるのはこれくらいじゃ。ぜひお友達に聞かせてあげるのじゃ」
多田さんの心霊話が終わると丁度、休憩終了のアラームが鳴った。
みんな飲み物をリュックにしまうと続きのゴミ拾いを始めた。
それから数時間が経ち、ゴミ拾いの時間が終わった。
慣れてなかった柚なと怜は「はぁー」と息を吐き、汗を拭いたり、水を飲んだ。
ゴミをまとめたり、帰る準備をすると集合場所の公民館に向かった。
公民館では月影が待っており、他のグループもたくさんいた。
怜達はゴミを月影の元に渡しに行った。
「先生。Dグループ掃除終わりました。ゴミはこっちですか?」
「はい、怜くんお疲れ様、ここにお弁当とお茶があるから柚奈さんにも持って行ってね」
「はい、ありがとうございます」
怜はお弁当とお茶を持つと、柚奈の元に戻った。
「これで終わりらしい。まぁ明日もあるし、解散式とかはないらしい。早く帰って昼飯にでもしようぜ」
「わかりました。そうですね。私もお腹ペコペコです。でも、シャワーは私が先ですからね」
「へいへい」
怜達はその後翔子の家に向かった。
柚奈が周りを確認すると多田さんの心霊話のことについて話した。
「先輩。あの話どう思います」
「あぁ。多田さんの話ね。俺さ~小学校あそこだからどうしても心霊っていう感覚にならないんだよね。夏休みとかに夜中あの学校行ったけど、なんの怖さもなかったし、後日先生に怒られるくらいしかなかったからな。ちなみに柚奈ちゃんはどう? 何か感じ取った」
「いえ、残念ながら私も何も感じることができませんでした。しかし、多田さんの話が妙に引っかかるので、一回師匠に気配を探ってもらうようお願いしてみようと思います」
「そっかー、幽霊関係なしに懐かしいから俺もついて行こうかな」
「師匠の了承が得てからですよ。その前に修行があるので気は抜かないでください」
「あ、そうだな。まずは修行だな」
多田さんの心霊話についての会話が終わるり、他愛もない会話を楽しんでいるとあっという間に翔子の家についた。
怜達は翔子の家に入ると、早速お弁当を食べ始めた。汗を気にする柚奈は帰って早々お風呂場に直行した。
翔子が抹茶オレを飲みながら弁当にがっつく怜に声をかけた。
「どうじゃ怜、どこか気になるところとか幽霊を感じるところはあったのか?」
「うーん。俺は全然、そうは思わないんですけど、柚奈ちゃんがなんか妙にひっかるとこがあるらしい」
「ほぉそうか。ではシャワーを浴び終わったら聞くとするかの」
その頃お風呂場では柚奈が気持ちよくシャワーを浴びていると、壁を抜け、葵と豊姫が裸でやってきた。
「え!? ちょ……二人とも何やってるんですか!?」
「なぁ柚ちゃん。守護霊って汗書くんだな。早く私にシャワーよこせ」
「葵も汗びっしょりで気持ち悪い。早くシャワー貸して」
一人と二霊でシャワーの取り合いをするのであった。
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