守護霊になった葵ちゃんと一緒に悪霊退治を始めることになった

メロンジャム

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豊姫ちゃんは恋バナが好きなのだ

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 時を少し遡り、廃校ではちょうどリリィの処刑が終わったようだ。『学校ゲーム』をしたリリィは息絶え、周りには大量の血でリリィの体はバラバラだった。そう、包丁を持った人体模型に八つ裂きにされ、死ぬまで苦しんだのだ。
 オブリドはリモコンの電源を消し、画面を消した。楽しそうにはぁはぁしながら見ていたオブリドは本の山からおり、少年の前に立った。

「どう? 面白かったでしょ。私ゾクゾクしてはぁはぁが止まらなかったよ。リリィちゃん頑張れって応援してたけどー、あそこ出口なかったの忘れてた」
「はぁ、そうですか。俺はとりあえず奴らの動きを探って、チャンスがあれば仕掛けます。なかったら計画通りあの日に仕掛けます。では」

 少年は興味なさそうな顔をして、オブリドに言い、背を向け歩き出した。
 オブリドは少年の肩をポンポンと叩き、振り向かせ、顔を近づけた。

「君もしくじったらわかってるよね?」
「あぁわかった。手を離せ」

 少年は煙たそうにオブリドの手を払い、図書室を後にした。オブリドは山にジャンプし、本を読み始めた。
 画面に映らなくなったリリィの死体は人体模型が棺桶の中に入れ始め、どこかに持っていった。
 数分後、オブリドは何かを思い出し、本をパタリと閉じ、手をパンパンと2回叩いた。すると床からリリィの悪霊だった右半分が魔法少女で左半分がゾンビ体の幽霊が現れた。オブリドは右手の平を幽霊に向けた。手の平には小さい魔法陣が描かれていた。

「君たちご苦労さん。さぁ私のところへ戻っておいで」

 そうオブリドが言うと幽霊は吸い込まれるようにオブリドの手の中に入っていった。用が済むとオブリドはまた本を読み始めた。

 場所を戻し、怜は翔子と話が済むとお風呂いは入ろうとした。部屋に戻り、バスローブとタオルを持つとスキップをしながらお風呂場に向かった。怜は夕方の戦いで、汗をかき、おまけに傷だらけなので、お風呂はとても嬉しかった。ニコニコしながらドアを開けると電気がつけっぱなしだった。
 怜は柚奈が犯人だと思い、注意しに行こうとした。しかし、また下着姿で怒られるのも勘弁だったので、怜はそのままお風呂に入ることにした。
 制服を脱ぎ、天国に行くようにお風呂場のドアをガラガラと勢いよく開けた。
 するとそこにはお湯に浸かる柚奈の姿があった。柚奈は怜を肉眼で確認すると、顔を赤くし、サイレンのように大きな声で、叫び、怜に向かって桶や石鹸を投げ始めた。

「きゃぁぁぁぁ! 変態! 昨日に引き続き、今回は私の裸ですか! もうやめてください。警察に通報です!」
「うわぁ! ごめんごめん。これは間違いだ。すぐに出るよ」

 怜はクタクタになりながらもなんとか出口のドアに手を置いた。しかし、柚奈の怒りは頂点に達したのか、寝ている豊姫を無理やり武器化させ、海水で怜に攻撃をした。
 怜はまともに受け、目を回し廊下で寝た。
 柚奈は怒りながらお風呂のドアを閉め、また入浴した。
 叫びを聞き付け、走ってきた翔子だが、もう遅かった。目を回して寝ている怜を見て、ドンマイじゃといった。
 数分後柚奈がお風呂から出るとバスローブに着替え、お風呂場を後にした。ドアを開けると怜が寝ていたので、揺さぶって起こした。

「起きてください先輩。いや変態さん。風邪ひきますよ」

 怜は漂流した無人島で起きたやつみたいにぎょろりと目を覚ました。揺さぶる柚奈を見ると、自然と怜の視線は柚奈の胸元にいった。柚奈は水玉のブラをつけており、バスローブ越しに見え、怜は顔を赤くした。
 その視線に柚奈が気づくと、また怒りが頂点に来たのか、拳を振り上げ、怜の右頬を殴った。
 殴られた怜はその後、頬を赤くしながらお風呂に浸かった。自業自得だが、お風呂は気持ちいし、柚奈の下着を見れたので、一件落着な怜であった。
 お湯に浸かっていると怜の前から豊姫が浮かび上がってきた。
 思わず怜は驚いた。

「おいおい。豊姫さんこんなところで何をしに来たんだよ。俺の裸にでも興味があるのか?」
「えぇ? あなたの裸なんかに興味はないわ。柚ちゃんの裸の方がよっぽどいいわ。ただ私はお話をしに来たんだよ」
「話? 俺に何の用だ? そんなあてにならんぞ」

 豊姫はジロリと怜の顔を見つめ、ニヤニヤしながら聞いた。怜も不思議そうに質問を聞いた。

「ねぇ怜くん。君は柚奈のことどう思ってんの? 葵ちゃんに聞かれた時にはあんな風にいってたけどさ~本当のところどうなの? ここだけの話聞かせてくれよー」
「えぇ! ゆ、柚奈ちゃんのこと。まぁか、可愛いし、しっかりしている子だとは思っているよ」
「えぇー、そうじゃんくて、焦れったいな怜くんは。好きかどうかよ。この質問に対してはあたりまでしょう。怜くんだってもう高2の思春期でしょ? 彼女くらい欲しくならないの?」

 怜は一気に顔を赤くし、質問の内容に困った。葵の時は誤魔化せたが、今回は相手が違う。そう大人のお姉さんの豊姫だからだ。誤魔化そうにも逃げ場のない質問だった。怜は恥ずかしながらも勇気をだし答えた。

「豊姫さん。お、俺は柚奈ちゃんのことをどう表していいか分からないが、隣にいて楽しいと思っているよ。可愛いし、美味しい料理だって作れるし、時には怒るけど、でも俺はそんな柚奈ちゃんと一緒にいて楽しいんだ。率直すぎるかもしれないけど、どういう感情か分からない」
「ふーん。君にしてはいい答えだね。それってもうさ、一緒にいて飽きないってことでしょ。それでもって柚ちゃんの好きなところもあると、それはもう好きっていう感情なんだよ怜くん。まぁ答えてくれてありがとうね。ここから先は自分の手で頑張ってね。困ったらなんでもお姉さんに相談してね」

 いい情報を聞けて嬉しい豊姫はお風呂の中に潜り、消えていった。怜は今自分がいったことを少し後悔した。そしてこれは熱いお風呂のせいに怜はした。
 お風呂を出ると、怜は切り替えようと頭を乾かし、バスローブを着て、自分の部屋に向かった。だが中々お風呂でいったことが頭の中でぐるぐる回り、混乱していた。
 その晩、怜は柚奈のことが頭に浮かび、あまり寝付けない怜であった。
 いつものように今晩も翔子は深夜3時に暗闇に包まれた街に出た。悪霊の気配はあまり感じられなかったが、悪霊は気配を消せる奴もいるので注意が必要なのだ。
 マンションの外で、座り込み、まだ傷は癒えてないが、集中して坐禅を組んだ。すると僅かだが、悪霊の気配を感じ取るのに成功した。急いで翔子はその気配をしたところに向かった。
 たどり着くとそこは小さな保育園だった。園庭のブランコに1人の少女がブランコに乗っているのが見えた。
 翔子は警戒しながら近づくと、少女の顔は白目を向いており、真っ青だった。体を見るとやせ細り、シャツ越しに爬虫類っぽい鱗が見えた。
 少女はぎょろりと翔子を睨んだ。目は黄色に光り、トカゲのようだった。いきなり長い舌を出し、翔子に襲いかかった。

「こんな幼い子まで悪霊化してしまうとは、一体何に恨みを持っておるのじゃ」

 翔子は悲しそうな顔で少女の心臓に短剣を突き刺した。
 少女は倒れ、カラスが少女を天国へ送り届けるようについばんだ。少女が煤になると翔子は他の気配を探りながら家に帰宅した。
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