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街に出かける

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シリアルは、時間があると街に出かける事にした。

孤児院、修道院に行った後は、必ず街に寄る。

街のみんなが、どのように過ごしているか?
困ったことはないか?
みんなが話しやすいように、
街娘の服装をして出かける。
シリアルも街娘風の格好は、気に入ってる。


はじめは、みんなが気がつかなかった。
まさか正妃が、街をふらふらしてるとは、思わなかったみたい。

街娘だけど、気品が違ったらしい。
どっかの貴族の娘さんかな。と思う程度だったけど、
孤児院の子達が、「シリアル様」と呼んでることに気がついた人がいて、それから、正妃である事がわかった。

でも、街の人は、知らないふりをしてくれてた。



毎回、街娘風にし、護衛も一人しかつけずに、メイカと3人で動いていた。

ちなみにその護衛は、シンス王太子殿下が、信頼しているマリスだった。
王太子殿下がつけてくれた。

マリスは、カデン派ではない。
なので、安心できる。
でも、王太子殿下派ではあるので、安心はできない。

シリアルが安心できるのはメイカといるだけ、毎日気を使い、安らぐところはなかった。でも、それは公爵邸でも同じだったので、慣れたものだった。



街のみんなはシリアルを受け入れてくれてた。
初めは、遠慮気味だったけど、何回も通うに連れて、信頼されていた。

いや。シリアルの人柄の良さなんだろう。

みんな声を揃えて言う。
「「可愛い。優しい。頼りがある。」」

街もシリアルが来てから、明るくなった。


ケーキ屋さんの見学をすると、

「シリアス様。クッキーは簡単ですよ。」

「つくらせてくれるの?」

シリアルはクッキーを作り出した。
普通令嬢でも、クッキーを作ろうとしないのに、王太子妃が作るなんて、街のみんなが驚いていた。

「シリアス様。初めてなのにお上手です!!」

「ほんと?嬉しい。今度、孤児院に行く時に持って行きたいから、作りに来ていい?」

「もちろんです。」

「楽しみです。」

八百屋さんでは、
「少し野菜を王宮に届けてほしいの。
王宮の料理には野菜が少なくて、、、朝、サラダが食べたいわ。」

「わかりました。
毎朝、新鮮な野菜を届けますよ。
苦手な野菜はありますか?」

「ないわ。たのしみにしています。」

「それは良かった。いろんな野菜を届けますよ。」


肉屋さんや魚屋さん、八百屋さんには、
孤児院や修道院に定期的に配達をしてもらっている。

シリアルの狙いは、
街のみんなとも交流して、仲良くして欲しい。誰が助けることができることがいい。

それに、助けてと言える環境は大切。


そんな環境をまず作ることだった。




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