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記憶喪失

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使者がきて、
「近くのメイリキ公爵邸に、応急処置のために運ばれたようです。」

メイリキ公爵邸に着くと、門扉で足止めを食らった。
王妃様がいたから、すんなり入れたけど、私だけだと無理だったわね。

でも、シンス王太子が運ばれたのに、私が入れないというのはいかがなものか?
何かがある。と確信していた。

公爵邸の中へ進むと、なぜかカデンがいた。
なぜ?ここに?まさか、、、、

そこへカイがやってきた。
「シンス様は、落馬により胸骨を骨折され、頭を打ち、記憶喪失になりました。」

「え?カイのこともおぼえていないの?」

「はい。残念ながら、私のこと、覚えておりません。一時的なのか?そうでないのか?先のことはわかりません。
カデン様は、なぜか?このメイリキ公爵邸にいました。もしかして、、、」

「カイすぐに調べてほしいことがあるわ。
ここにカデンがいたこと、
ここに運ばれた経緯、
そして、ここに書いてある令嬢を調べて、、、」

サイクル伯爵令嬢のサリナを筆頭に数名の名前を書かれた紙を渡された。

「、、、」

「さきほどのお茶会の言動がおかしかった人よ。」

「わかりました。すぐに動きます」
カイと話をしていると、カデンがシンスに近づいた。

「シンス。カデンよ。覚えていない?」

「、、、」

「あなたの愛するカデンよ。」

「、、、、」

「私のシンス。これからも仲良くしましょう。」

「、、、」

カデンはなにも言わないシンスに痺れを効かせて、シンスの顔を触った。

「触るな。」

「なにを今更、、いつも私たちは、触っていたのよ。愛し合っていたんだから。」

「近寄るな」

「なぜですの?私にはいつもドレスと宝石を買ってくれましたわ。
長い間一緒にいましたわ。シリアルより私を愛してくれていましたわ。」

「シリアル?」

「シリアルは、私の代わりに公務だけをする正妃ですわ。」

「そのものはどこに?」
シリアルを探した。

シリアルは、近づき、、、
「シンス様、私がシリアルです。命があって、良かったです。」
とシリアルは、ホッとして、一筋の涙を流した。

「シリアルと2人にしてくれ。」

みんなが外にでていだたが、カデンだけは、睨みながら2人を見て、出ていかなかった、、、
「君も出て行ってくれ。」声のトーンを下げた。
公爵が、カデンを連れ出した。

シンスはシリアルの涙を触った。

「シリアルと言ったね。僕は落馬をして、頭を打ったようで記憶にないんだ。思い出せそうで思い出せなくて、、、」

「良いんです。あなたが無事だったから、、、あなたがいなくなったら私は生きていけない。」
大粒の涙を流した。

「君の涙を見たことがない。俺のために泣いてくれてるの?」

「当たり前です。、シンス様が生きてくれるだけで嬉しいのです。」

「でも、君のこと忘れたんだよ?」

「忘れても大丈夫ですわ。何度目でも好きになってもらえるように努力しますもの。」

「好きにならなかったら?」

「昔みたいに、公務をするだけの妃にもどるだけですわ。貴方のそばにいれたらいいの。」

「シリアル。君のこと忘れてしまってごめん。今は、君のことを好きかわからないけど、君の方が、安心する。さっきの女は嫌だ。それだけは感じるんだ。」

「嫌と言われても、一緒にいますからね。」

「ありがとう。あと、、俺たちは視察でここにきたんだよな?元々この国じゃないよな?」

「そうですわ。視察でこの国に来ました。緊急でこの公爵邸に来たそうですよ。」

「ここは居心地が悪い。場所を変えてくれないか?」

「わかりました。」

「王妃様を呼びます。」
王妃様だけ入ってきてもらった。

「王妃様、、、今から王宮に行きたいのですが、手配していただきたいのですが、、、」

「公爵では、落ち着きませんか?」

「はい。そう見たいです」

「わかりました。手配します」

王妃は、部屋を出て、手配をしてくれたけど、公爵では落ち着きませんか?という?普通、王宮で過ごすように手配する方が、普通だわ。

「シンス様。私、少し席を外したいのですが、、、、」

「ああ」

シリアルが少し席を外している間に
カデンが入ってきた。

「シンス様。私カデンですよ。思い出しましたか?私たちは愛し合っていたんですよ。」
シンスに迫ってきた。
カデンは記憶がないことをいいことに、既成事実を作ろうとした。

「来るな!近寄るな。」と大声を出した。

シリアルと護衛達が戻ってきた。

「シンス様!」

「この女を近寄らせるな!
お前のことも覚えていない。
でも、嫌な気持ちになる。
なんでかわからないが、、、
こんな気持ちを持って愛し合っていたのか?」

「そうよ。私たちは長い間、愛し合っていたのよ。」

「なんで、俺の心配をしない?」

「え?私は貴方のこと心配していましたよ。記憶喪失で、、、」

「君の第一声は、私は、カデンよ。貴方の愛するカデンよ。って、、」

「そうよ。記憶喪失と聞いて、、、、」

「なぜか、お前から焦りを感じた。俺を愛していると感じられない。シリアルは?記憶喪失は聞いていたよね?」

「はい。知っておりましたわ。」

「シリアルは、確かに名前を名乗った。それは私が、シリアルを探したから名乗るは当然だ。だけどそのあと、私の心配をしてくれた。自分のことより、私が生きていて良かったと、、、」

「私も心配しましたわ。声に出していないだけで、、、、」

「君とは居たくないから、離れてくれ。」

「シリアル。馬車の用意はできたかな?」

「はい。今手配をしています。」

「着替えたいから出ていってくれ。シリアル。服を着替えるのを手伝ってくれるか?」

「はい。メイカ。シンス様の服の手配をお願い。」



服を着替ている時に、、、

「シリアル。俺の体に赤いものがたくさんついているんだが、、、」

シリアルは、真っ赤になりながら、答えた。

「それは、、おいおい。」

「なんだこれ?」

「シンス様。声を抑えてください。恥ずかしいですから、、」

シンス様は、そのことも忘れていて、純粋な何も知らない男の人だった。

「教えてくれ、、気になるから。」
では失礼しますね。耳元で話をした。

「それは、私にもたくさんついています。シンス様が、俺のものだと言ってつけてくれました。ですので、シンス様についているのは、わたしのしるしです。」

シンスは少し理解したけど、本当の意味が理解できていなかった。
その後、
馬車に乗り、王宮に向かった。




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