【完結】14★愛する人と一緒に居たい令嬢は愛人のいる王太子に嫁ぐ。

バザー

シリアルは、回復して、いつも以上に働いていた。

孤児院と修道院の主催のバザーを行うことができた。
シリアル1人の力ではなく、シリアルに好意的な伯爵の令嬢と令息が力を貸してくれた。

今回の主催が、私、王太子妃であるということを理解して、支援されない貴族も多かった。
中立派の貴族は、様子見であり、寄付はしてくれた。
側妃派の貴族は、何も支援してくれなかった。
ちなみにうちの実家も支援をしてくれなかった。正直、立場がない。

でも、支援してくれる貴族は、純粋に孤児院と修道院をなんとかしたいと考えている貴族だったから、実家というより私を見てくれていたので、批判は出なかった。
シリアルは人一倍動いていたから、余計に。


シンス様には、
カデン様と一緒に、後半に来て欲しいと頼んだ。
王太子殿下が挨拶をしてくれると国が、考えていると街のみんなが考えてくれる。
そのこともシンス様には、伝えたら、快く弾く受けてくれた。
シンス様は、孤児院や修道院のことは気になっていたけど、知識もなく、時間もなかったから、後回しにしていた。
そこにシリアルが、動いてくれたから、シンスは、シリアルに感謝をしている。
シリアルに任せようと思う。
人任せにするのではなく、シリアルの思いを優先にし、いろいろと教えてもらおうと思っている。と言ってくれた。


私を否定せずに、受け入れてくれ上に、学びたいって。
そんなこと言われたことがなかったから嬉しかった。
シンス様が私から学ぶことは、ほとんどない。
今まで、見えなかった。いや。見せてこなかったのかもしれない。
いろんなことを知っているし、私にも教えてくれる。
もちろん、書類上で。
私たちは、まだ周りには公務だけの関係にしておかないといけないから。


バザーは、
子供たちが育て花の苗、花のアレンジ、クッキーなどの焼き菓子。
手作りの布製品。

みんな一生懸命準備をした。
その時の顔がよかった。
夢中になれる時の顔がいい。


街の子達と触れ合うきっかけになってくれたらいい。

親がいないために、幸せではないのではなく、自分で幸せを掴み取って欲しい。

そして、親がいても、辛い子がいるかもしれない。そんな時、逃げる場所もあることを知ってほしい。

と、シリアルは考えていた。

バザーは、思ったより、賑わった。
街の子達が、来てくれた。

少し裕福な街の子や貴族の子たちは、難しいようだった。
寄付はするけど、、、という方もいた。

それでいいと思う。
みんなが、集まる必要はないもの。
今回は、まず、街の人たちとの交流。それが大事だった。
ゆくゆく、広がっていったらいい。

孤児院に協力的な、令息や令嬢は、
参加してくれて、いろいろ考えてくれた。

シリアルだけの力では、うまくいかないから、令息、令嬢が進んでしてくれることは、本当に嬉しく思っていた。
もちろん感謝をみなさんに伝えた。



後半に、シンス様がきてくれたことで、話題になった。
カデン様は、仕方なくついてきて、バザーを遠目で見ていた。その後気がついたら居なかった。

シンス様が、最後に挨拶をしてくれて、

バザーは、何もトラブルも起こらなくて、無事終わった。

カデン様は、つまらなくなり帰ったそうだ。

「シンス。私はこのようなところは、合いません。私は、王宮で、居たいので、一緒に帰りましょうよ。」

「そうだね。カデンのドレスは今日も綺麗だからね。
流石に最後の挨拶を頼まれているから、俺はいないといけない。王太子としての仕事を放棄するつもりはない。カデンは先に帰っていいよ。」

「えーと。では、先に帰って待っていますね。」

帰っていたそう。