【完結】14★愛する人と一緒に居たい令嬢は愛人のいる王太子に嫁ぐ。

結婚

カリー文官長は、サルウエスト公爵に、話をしにいった。

「国王の命なら従うのみです。うちのシリアルは、優秀ですから、王妃となれるでしょう。愛無しの政略結婚だな。」

「はい。王太子には、側妃のカデン様がいますから、カデン様だけを愛することになります。」

「お受けしましょう」

と返事をされた。

カリー文官長は、ほっとしたけど、愛なし政略結婚に賛成する親ってどうなんだ？
普通は、そんなこと言われたら怒るよな。いくら王命であっても、、




その日の夜に、シリアルは父に職務室にくるように言われた。


「王太子の正妃になりなさい。
ただし、側妃がいるから、愛情は、側妃に注がれる。だから、公務だけをしっかりしてくれ。」

「え？公務だけ」

「ああ。政略結婚だ。」

「子供は、、、」

「普通に考えたら、こちらのが身分は上なんだから、作るだろ？詳しい話は、王太子に聞いてくれ。」

「そうですか、、、お受けしないといけないのですか？」

「王命だからな。」

「お父様は、私に公務だけをするために嫁げと言うのですね。」

「ああ。そうなるな。王族とのつながりはある方が、我が家にとっては、都合がいい。この家は、心配しなくてもいい。シオリーナは、お前より優秀であるからな。」

この父に嫌と言えない。
冷徹と世間では言われていた。
そうわたしには、厳しい。優しくしてもらったことなんてなかった。
本当に父親と思うほど、私には冷たい。

でも、姉には優しい。
わたしには見せたことのない笑顔をみせる。
母もそう。わたしが何かしたわけじゃないのに、よそよそしい。

みんな、姉には優しいのに。
私は、養女なのかもしれない。
でもそれなら王妃には、なれないから違うよう。
血のつながりがある方がつらいな。


お父さんとお母さんに褒めてもらいたくて、辛い公爵令嬢の教育を頑張った。
ほんとに頑張った。
学園で100点をとろうとも、一番になっても褒めてくれなかった。
私には笑顔を見せてくれなかった。


当主になる姉は、よく泣いて、やりたくないと言って、逃げることも多かった。
慰められ、甘やかされ、
みんなにチヤホヤされていた。


執務は、姉がやるべきなのに、結局、私がしていた。姉に押し付けられていたが、父は、気がついていなかった。

令嬢の楽しみである茶会や夜会に出ることも許されなかった。

姉が出ているからあなたは、出る必要がないと言われ、嫌がらせのように、
難しい本やよその国の言葉の本を渡された。

初めはわからなかった本を全て読めるようになっていた。

逆に父からもらう本が簡単すぎるように感じた。

父は知らなかった。その本の内容を全て理解している子供に育っていたことを。。

侍女のメイカだけが、私に優しくしてくれた。いつも一緒に居てくれた。

優秀な侍女で、なんでも話せる唯一の相手。
私が辛い時は、励ましてくれて、
楽しい時は、笑い合い、ずっとそばにいてくれた。

メイカがいてくれたから、私は、今まで頑張って来れた。

メイカが一緒なら王宮でも頑張れるはず、、、

「承知しました。メイカを一緒に連れていきます」

「ああ。メイカは、シリアルが、嫁ぐ日より、シリアル専属侍女になるから、この公爵家とは関係ない。シリアルに全て任せる。」