【完結】14★愛する人と一緒に居たい令嬢は愛人のいる王太子に嫁ぐ。

出発前

「私は、半年後に国王となり、正妃のシリアルが王妃になる。
それで今日から、各国に挨拶をしに行くことになった。
王宮のことを頼む。」

「あの、、カデン様は、一緒に連れて行かれないのでしょうか？」
とメイド長が、食ってかかってきた。

「ああ。今回は、側妃を嫌がる国王がいるから、」

「それなら、シリアル様ではなく、カデン様を正妃として、、」

「外交ができるのか？
カデンは、帝国語を理解していたか？
通訳ができるなら変わってもいい。」

「カデン様は、ワイマール共和国とは、外交の経験があり、親しい人もいます。後の国は、通訳を別に呼んだらいいですよね？」

「帝国語も、他の言語も通訳ができる正妃がいるのに、なぜわざわざ通訳を呼ばなければならないのだ？
それに、今回の挨拶は、失敗が許されない。わかるか？」

「では、一緒に、、、」

「だから、側妃を嫌う国王がいるからと、言ってるのだが、、」

「そこに行かなければいいのでは？」

メイド長は、やけに食ってかかってくる。多分カデンが泣きついたようだな。

「行かない？挨拶に？何を言ってる？
今後の将来が決まってくるんだぞ。」

「いつもならカデン様を優先にされますよね？なぜ今回は、カデン様をおいて行かれるのですか？」

「いつも外交についてきたか？」
「いえ、、、」


「メイド長、本当にそう思っているのなら、シリアルに代わってカデンを連れていってもいい。ただ、失敗した時はどうなるかわかるか？カデンの一言で、この国を滅ぼすことになるかもしれない。その覚悟ができてるだろうな？」

「正妃様にその覚悟があるのでしょうか？」

「はい。マナーを学び、他の国の言語、歴史、文化を学びました。正妃を引き受けた時から、その覚悟があります。」

「ありがとう。」

「それでも、カデン様を1人にするのですか？」

「今回は、失敗したくないと言ってるんだが、わからないのか？
シリアルは、外交の経験がある。
カデンは、今まで外交の経験がない。
公務をするならどちらがいいかわからないのか？」

「申し訳ありません。
公務だけをするなら、シリアル様のが速いと思います。」

「なら問題ないな。
公務をするのだ。遊びに行くのではない。勘違いするな。
それに、メイド長が、私に意見ができるのか？」

「はい。失礼しました。」

「私がいない時は、アデルに任せるので、わからないことがあったら、聞いてくれ。執務全般を任せる。」

「、、、、」

「あの方は、、、、」

「どうした？」

「いえ。」

「なら、、あとはよろしくな。」


シンスとカイが馬車に乗り
シリアルとメイカが、馬車に乗った。
別々の馬車に乗って、出かけた。

仲が悪いと見せかけた。
バカなカデンは、2人は仲が悪いと思って気を抜くだろうと考えた。

そして、一番近い街で、降りて、買い物をして、馬車に乗り込んだ。

「やっとふたりだね。体は大丈夫？」

「はい。」

馬車では、横に座っていた。

「シンス様。私、、」

「ん？どうした、」

「いえ、、何も、、」 

「どうしたの？」

真っ赤になりながら、
「本当にわたしでいいの？」
と俯いて言っている

「可愛い。」抱きしめた。

「シリは、公務してる時は、俺に頼らず、キビキビして隙がないのに。

俺といる時は、純粋だし、可愛いし、守ってあげたくなるよ。凄いね。シリアルは、理想の女だよ。俺をどうしたいの？」笑顔で見つめた。

「私、、、シンス様に愛してほしいから。。。」見つめ返した。

「可愛い。愛してるよ。シリアル以外考えられないよ。帰ってきた時に、全て終わるせるから。俺のそばにいて。」

馬車の中で二人は、ラブラブモードだった。
長い旅だけど、二人きりになれる空間。二人にとっては、大事な時間だった。