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4人だけ
しおりを挟む夜になり、シリアルはベットに入り、シンスは、ソファで眠ろうとした。
「シンス様、こちらで、、、」
というけど、
「ごめん。それは無理だ、、」
「でも、、ソファでは、、」
「大丈夫だから、疲れたでしょ。ゆっくり眠るんだよ」
と言って別々で眠った。
いや。シンスも、シリアルも眠れなかった。
異性と同じ部屋に眠ることが初めてだった、2人は、ドキドキして眠れなかった。
そんな夜を過ごしていた。
4人だけしかいないから、本当に自分達でしないといけなかった。
普通の令嬢は嫌う場所でもあった。
何もない。自分で動かないといけない。
でも、シリアルにとっては、楽しい時間だった。小さい頃から、あまり、遊んでいなかったシリアルは、新鮮だった。
周りを気にせずにいられることもシリアルにとっては良かった。
シリアルは、公爵でも、王宮でも気を張って過ごしていたから、
この場所は、シリアルにとって、気が緩めることができた。
「今日は狩りをするから、シリアルもみる?」
「私一度もみたことないのですが、良いのですか?」
「シンス様、こう見えて、狩りは得意なんですよ。あと乗馬も得意です。」
「ああ。一緒に馬に乗せてあげるよ。駆けるのも楽しいんだよ。」
「嬉しいです。楽しみです。」
まず狩りをした。イノシシを、、、
「凄い、、シンス様。。」と感動していた。
「カイ。あとはよろしく、、、」
ここでの生活のための食事になるので、カイは、さばいた。
メイカは、森の中の果物を探しに行った。
2人がいるから何も不自由なく過ごすことができた。
食事の準備を2人がしてくれる間に
シンスとシリアルは、馬に乗って、走った。
「気持ちいい。」
「そうだろ。」
「でも、少し怖いですね。」
「大丈夫だよ。俺を離さなかったら大丈夫だ。安心しなっ。」
「はい。」シリアルはドキドキした。
かっこよかった。
シンス様もドキドキしてくれたようで、2人の心臓の音はドキドキしてた。
それから2人は、固くならず、リラックスできるようになった。
シンスが、シリアルのことをとてもよくみていて、良いタイミングで、行動してくれるから、邪魔にならない。
自然にいられる。
シンスも同じように感じていたよう。
行動にイライラしない。
狩りをする姿が、びっくりするくらい似合っていた。
普段のシンス様とは違った。
しかも乗馬のとき、たくましい体だったわ。
見た目は華奢なのに、、、
私を包んでくれるような感じ。
シリアルにとっても初めての経験だった。
居心地が良くなってきた。
このまま本当に王妃になり、幸せになれるような気がしてきた。
私も愛してくれるのかしら?
ここに来て、2日しか経っていないのに、2人は惹かれていた。
狩りでとったイノシシを炭で焼いて食べることにした。
お上品ではなく、そのまま刺さっている串のまま。
「美味しい。こんなの食べたことない。」
「普段はこんな風に食べることは、マナー違反だけど、ここなら誰もいないし、気にする必要ない。」
「そうですね。こんなに美味しいなんて、、、」
シリアルはいつもより進んでいた。
その姿を見てメイカは安心していた。
「シリアル様。沢山食べてくださいね。」
「カイ。ありがとう。大変だったよね?」
「いえ、シリアル様が美味しいって言ってくれるので、全然大丈夫です。」
「カイの料理は美味しいのは知っていたが、メイカの料理も美味しいな。
シリアルへの愛情が感じられる」
「はい。シリアル様が一番ですから。」
「メイカ。。。」
シンスとシリアルは、乗馬をしてから、急激に距離が近くなった。
お互い今まで見せていなかったところを曝け出すことができた。
恋をするのに時間は必要なかった。
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