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正妃とは。

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カリー文官長が、国王と王妃に、勇気を出して問いた。

「将来、本当にカデン様が、王妃で大丈夫なのでしょうか?」

「なぜそんなに反対するのだ。王妃なら可愛いカデンがいいだろ。
私たちも執務らしいことしてないわ。」
と言う堂々と国王と王妃。

執務をしていないから、周りの者に負担がかかるし、国のトップの言葉ではない。
前国王様がこの国を平和にしてくれた。
だから、その発言ができるのに、そんなことさえ考えていない国王と王妃に呆れてしまうカリーだった。


「では、失礼を承知で、お話をします。
国王様と王妃様の仕事は、今は、王太子
と外交長、文官長の私が代わりにやっております。
王太子には、国王の代わりに外交に行ってもらうこともあります。
流石に王妃の代わりができなくて、女性の外交官に行ってもらったり、欠席することが多いです。

それに王太子妃の代わりに王太子も動いています。

まずカデン様は、書類を読み取るの時間がかかります。
それを理解するのにも大変です。

今、文官を2人つけています。
カデン様が王妃になるならば、文官を4名つけ、カデン様は、サインするだけになります。そのサインも一日で終わらないと思います。

伯爵令嬢ですが、マナーがやや劣っています。王太子が、外交に行く時に、カデン様を連れて行くと恥をかくと思います。連れて行かない方がいいと思います。」

「そんなことないだろ。可愛い。」

「そうよ。かわいいからみんなに好かれるわ。。」

国王と王妃は、顔合わせていた。


「ただ可愛がられるなら、側妃でよろしいのではありませんか?
側妃なら公に出なくても問題はありません。
正妃になるには、教養が足らず、公務に支障がでるから、側妃にして、新しく正妃を娶る方が、良いと思われます。今なら、まだ間に合うと思います。」


「、、、、、」

「サルウエスト公爵令嬢の次女、シリアル様は、とても有能です。
シリアル様なら、1人で公務をしていただけると思います。カデン様と文官4人分の給料が節約できます。」

「なら、公務をするだけものを正妃としようか。」

「公務だけですか?」

「ああ。シンスは、カデンがいるからから、愛情を注ぐわけにはいかないだろ。」

「子供は、、、」

「カデンのコを王子にすればいいだろ。」

「では、本当に、公務だけの王妃と言うことですか。公爵ですよ。」

「ああ。カデンがいるからな。」

「とりあえず、公爵に話をしてきます。」と言って、部屋を出た。



カリー文官長は、なぜ?カデン様にこだわるのだろうか?全くわからなかった。
何かあるのかもしれない。

公爵令嬢に公務だけの王妃をと国王はよく言えるよな。
カデン様は伯爵令嬢なのに、、、

とりあえず、公爵令嬢を王妃に迎えることをしたら、王太子が何とかしてくれるでしょう。

サルウエスト公爵は、冷徹だと噂をされている。
王族とのつながりほしいと言うことも聞いている。
何とか、王妃になってもらわないと、王太子が大変だ。いや、いずれ国が傾く。

カリー文官長は、うまくいきますようにと願った。


カデン様の面倒を見るのが大変。

全く進歩しない職務の仕方。
努力をしない。
とは、報告を受けている。
ただ、文官たちの中に、伯爵派が多い。
なので、できない者、やらない者も多く、中立派の者が泣いている状態である。

シリアル様が、引き受けてくれた、文官たちも整理されるはず。と期待してしまうカリー文官長であった
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