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パーティー前日
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2日後、国王就任パーティーが、開催される。準備も完璧に終わった。
最後の仕事は、
紅茶とお菓子のセットを手伝ってくれるみんなに先に配れば、終わりだった。
シリアルは、みんなに声をかけて、
「宜しくね。」
と言って渡していた。
仕事の全てが終わり、あとは、パーティーまで、ゆっくりし、着飾るだけだった。
メイカに、紅茶を入れてもらい、ホッとしていた。
「シリアル様。ご家族がみえました。」
「え?」
「今日の予定には、ありませんがどのようにされますか?」
「何人ですか?シンス様は?」
「シンス様は、もうすぐこちらにみえます。四名みえています。」
「四名、、、父と母と姉とその婚約者ね。」
ため息をつく。トラブルが今から起こるというのがわかった。
「訪問客専用の待合室に案内してください。」
「えーと。御家族ですよね?」
「カナリー。
そこは気にしなくていい。お茶は、高級な紅茶を入れてあげて、、、」
メイカが指示をした。
気丈に振る舞っているシリアル様だったけど、手を握りしめている事を気がついた。
しばらくするとシンス様がやってきた。
「シリ。大丈夫か?」
「シンス様。ありがとうございます。来て頂き嬉しく思います。」
「メイカ。紅茶を淹れてくれるか?急に来たんだから、待たせておけ。」
「そうですね。では、お菓子を用意しましょう。そして、シリアル様を着飾っても?」
「着飾ってくれる。俺の瞳の色のものを着せて、、、」
「はい。」
「四名できたんだね。何があっても、私は、シリアルを離すことはないから、堂々として。」
「はい。」
抱きしめられ、キスをされた。
さっきまで震えていた手が治った。
シリアルもシンスの首に手を回してキスをした。
シンスは気がついていた。
手が震えていることを、そして、唇も震えていた。だから、安心できるようにキスをした。
「シリアル。お父さんとお母さんから愛が欲しい?」
「父と母から、愛なんてもらったことありませんよ。今更、愛と言われても、正直戸惑います。というか、必要ありません。私はメイカからずっと愛情をもらって過ごしてきました。」
「シリアルの家族は、俺でいい?」
「もちろんです。シンスさまと将来の子供と一緒に築きたいと思っています。。」
「じゃあメイカに着飾ってもらって。」
メイカに着飾ってもらった。やっぱりシンスの色は、落ち着く。守られてるみたい。
「大丈夫ですよ。シンス様が守ってくれます。」
「メイカ!あなたがいてくれたから、私は今ここで幸せに過ごせている。」
「いえ、、私はあなたの味方です。永遠に、、、」
「ありがとう。」
「シンス様、お待たせしました。」
「シリアルは何着ても、似合うけど、やっぱり一番は、俺の色を来てるのが一番いいな。さぁ行こうか、、、」
訪問客用の待合室に向かった。
メイカが、少しドアをあけてくれた。
中から
「遅いわね。いつまで待たせるわけ?シリアルのくせに、待たせるなんてね。」
「もう1時間もこんなところで待たせてるわ。」
「しかも、こんな客室で、、私たちは家族なのに。」
「でも、シリアルのこと大事に思っていないから、私たち家族がこんなことになっているのよ。」
公爵達の顔がイラついていた。
自分達が来たら、すぐに会えると思ってるんだろうな。
部屋に、入るとシンス様が笑顔で、、
「パーティーの準備で、バタついておりまして、お待たせしてしまい、申し訳ありません。」
「いえ、お忙しいところ、申し訳ありません。王太子殿下まで、、、
シリアルだけでよろしかったのですよ。」
「私よりシリアルのが忙しいですから。」
「そう。」
そっけない返事だった。
「久しぶりね。シリアル。」
母は、涙ぐむようにハンカチで押さえていた。
それが演技であることも、もちろん解っていた。
シンスの方を見ると、こちらを向いて頷いてくれた。
シンスもわかってくれたみたい。
それは嬉しかった。
「シリアル。会いたかったのよ。」
「もうすぐ、国王就任パーティが、開催されるのに、みなさん揃って、どうしたのですか?
あー前もって、シリアルの王妃誕生のお祝いですね。
パーティーの準備も全て終えて、シリアルは、とても大変なので、お祝いはまたにしていただけると助かりますが?」
「いえ。お祝いではない。」
公爵は首を振る。
「ああ。この前、シリアルに一人で帰ってこいと言ったことに関係するだろうな?」
シンスは公爵の顔をみた。
最後の仕事は、
紅茶とお菓子のセットを手伝ってくれるみんなに先に配れば、終わりだった。
シリアルは、みんなに声をかけて、
「宜しくね。」
と言って渡していた。
仕事の全てが終わり、あとは、パーティーまで、ゆっくりし、着飾るだけだった。
メイカに、紅茶を入れてもらい、ホッとしていた。
「シリアル様。ご家族がみえました。」
「え?」
「今日の予定には、ありませんがどのようにされますか?」
「何人ですか?シンス様は?」
「シンス様は、もうすぐこちらにみえます。四名みえています。」
「四名、、、父と母と姉とその婚約者ね。」
ため息をつく。トラブルが今から起こるというのがわかった。
「訪問客専用の待合室に案内してください。」
「えーと。御家族ですよね?」
「カナリー。
そこは気にしなくていい。お茶は、高級な紅茶を入れてあげて、、、」
メイカが指示をした。
気丈に振る舞っているシリアル様だったけど、手を握りしめている事を気がついた。
しばらくするとシンス様がやってきた。
「シリ。大丈夫か?」
「シンス様。ありがとうございます。来て頂き嬉しく思います。」
「メイカ。紅茶を淹れてくれるか?急に来たんだから、待たせておけ。」
「そうですね。では、お菓子を用意しましょう。そして、シリアル様を着飾っても?」
「着飾ってくれる。俺の瞳の色のものを着せて、、、」
「はい。」
「四名できたんだね。何があっても、私は、シリアルを離すことはないから、堂々として。」
「はい。」
抱きしめられ、キスをされた。
さっきまで震えていた手が治った。
シリアルもシンスの首に手を回してキスをした。
シンスは気がついていた。
手が震えていることを、そして、唇も震えていた。だから、安心できるようにキスをした。
「シリアル。お父さんとお母さんから愛が欲しい?」
「父と母から、愛なんてもらったことありませんよ。今更、愛と言われても、正直戸惑います。というか、必要ありません。私はメイカからずっと愛情をもらって過ごしてきました。」
「シリアルの家族は、俺でいい?」
「もちろんです。シンスさまと将来の子供と一緒に築きたいと思っています。。」
「じゃあメイカに着飾ってもらって。」
メイカに着飾ってもらった。やっぱりシンスの色は、落ち着く。守られてるみたい。
「大丈夫ですよ。シンス様が守ってくれます。」
「メイカ!あなたがいてくれたから、私は今ここで幸せに過ごせている。」
「いえ、、私はあなたの味方です。永遠に、、、」
「ありがとう。」
「シンス様、お待たせしました。」
「シリアルは何着ても、似合うけど、やっぱり一番は、俺の色を来てるのが一番いいな。さぁ行こうか、、、」
訪問客用の待合室に向かった。
メイカが、少しドアをあけてくれた。
中から
「遅いわね。いつまで待たせるわけ?シリアルのくせに、待たせるなんてね。」
「もう1時間もこんなところで待たせてるわ。」
「しかも、こんな客室で、、私たちは家族なのに。」
「でも、シリアルのこと大事に思っていないから、私たち家族がこんなことになっているのよ。」
公爵達の顔がイラついていた。
自分達が来たら、すぐに会えると思ってるんだろうな。
部屋に、入るとシンス様が笑顔で、、
「パーティーの準備で、バタついておりまして、お待たせしてしまい、申し訳ありません。」
「いえ、お忙しいところ、申し訳ありません。王太子殿下まで、、、
シリアルだけでよろしかったのですよ。」
「私よりシリアルのが忙しいですから。」
「そう。」
そっけない返事だった。
「久しぶりね。シリアル。」
母は、涙ぐむようにハンカチで押さえていた。
それが演技であることも、もちろん解っていた。
シンスの方を見ると、こちらを向いて頷いてくれた。
シンスもわかってくれたみたい。
それは嬉しかった。
「シリアル。会いたかったのよ。」
「もうすぐ、国王就任パーティが、開催されるのに、みなさん揃って、どうしたのですか?
あー前もって、シリアルの王妃誕生のお祝いですね。
パーティーの準備も全て終えて、シリアルは、とても大変なので、お祝いはまたにしていただけると助かりますが?」
「いえ。お祝いではない。」
公爵は首を振る。
「ああ。この前、シリアルに一人で帰ってこいと言ったことに関係するだろうな?」
シンスは公爵の顔をみた。
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