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修道院、孤児院に挨拶

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「王太子殿下に話をしたいので、時間を作っていただけるように」
と文官長に言い、手配してもらった。

案内された部屋に行くと、
王太子殿下と何故か側妃も一緒にいた。


「王太子殿下。貴族、修道院、孤児院に挨拶回りをしたいのですが、私一人で行ってきても良いですか?」

王太子殿下に向かって聞くと、


「王太子妃が挨拶なんて、素晴らしいですわね。しかも1人でいかれるのですね。」

と何故か?側妃が答える。
なぜこの人が答えるのかしら?
私は、王太子殿下に聞いているのに、マナー違反どころか、権限までもっているの?

「はい。よろしいでしょうか?」
もう一度、王太子殿下に向かって聞く。

「正妃として、初めての外出だし、孤児院と修道院については、私も行こう。」

「シンスは、職務がありますよね。
それを早く終わらせてくださいよ。
私と会う時間を増やしてほしいわ。」
王太子殿下に向かって言う。

今も一緒にいるのに、まだ要求するのかしら?

「王太子殿下。私は、1人で大丈夫ですわ。時間もかかりますので、」

「ほらっ。そー言ってますわよ。」
と勝ち誇った顔で言う。


「申し訳ないな。お願いできるかな。」
本当に申し訳なさそうに言う王太子殿下。


「はい。では、失礼します。」

「シンス。早く行きましょう。」
とベタベタ腕を触っている。

普段から一緒にいるのに、まだ一緒に居たいのね、、、

マナーは大丈夫なのかしら?


修道院に行った。
「シスター。私、今度、正妃になるシリアルと言います。生活用品や毛布の補充をと思いまして、、」

「ありがとうございます。」

「質問させていただいても、よろしいでしょうか。」

「はい。どーぞ」

「あの。ここを無くすつもりですか?」

「え?なぜ?」

「カデン様は、ここを無くしたいと考えてると噂で聞きました。」

「なぜ?そんな噂が?」

「カデン様の実家の伯爵が、そー考えてるそうです。」

「でもここは、伯爵の土地ではありませんよね。」

「そうなんですよね。」

「少しその噂を調べてみますね。
私は、修道院、孤児院は、大事だと考えています。
ゆくゆく話すつもりだったのですが、学業をもう少しさせてほしいのです。
そして、親から捨てられた人や親から逃げたい人など、居場所がない人を保護する事を目的にしたい。
まだ、私の理想だけで、実現できるかは、また別です。
ですから、無くすつもりはありません。」

「ありがとうございます。」

「私も時間がある時には、なるべく顔を出しますので、、、」

シスターは、理解してもらえたよう。
とりあえず今後、訪問を拒否されることはないわね。


今度は、
孤児院に行った。
「こんにちは。シリアルと言います。
よろしくね。今日はみんなと遊びたいと思ってきたの。遊んでくれる?」

「はーい。」

シリアルと子供たちは、走り回っていた。

「お姉ちゃん。こっち。。」

ドレスが汚れても気にせず走り回っていた。
その後お菓子を配ると
みんなが喜んでくれた。

「お姉ちゃん。またきてね。楽しみにしてる。」

「時間がある時には、来るから、、そうだ。みんな私が次、来るまでに一つ覚えてほしいことがあるの。」

「なーに?」

「お姉ちゃんの名前は、シリアルと言うのね。ちっちゃい子は私の名前を覚えてほしいの。大きい子は、私の名前を書いてほしいな。」

「うん。書いて、、」

砂地に、シリアルと書いた。

「頑張るね!ー」

「「バイバイ」」

孤児院への挨拶は終わった。
うまくいった。
次は問題の貴族ね。












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