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嫁ぐ
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シンス王太子殿下のところに、嫁ぐ日が来た。
公爵令嬢が王太子殿下に嫁ぐのに、父も母も何故か見送りもない。
「本当に今日だよね?」と心配になり、メイカに確認してもらった。
「はい。今日です。シオリーナ様の婚約者が来ているらしいですよ。」
父か母かどちらでもいいのに。
王族に嫁ぐのに、親にも見送ってもらえないのね。
王族と関係を築きたいと言ってたのに?
姉は、まだ婚約者なのに、、、
なぜ今日来る?
あっ。わざと時間を合わせたのね。
理由を作るために。
「私は、いらない子なのね。」
とぼそっと嘆いた。
私がいなくなってせいせいしてるのね。
この国は、結婚式やお披露目はしないことになっている。家に嫁ぐのに、派手にしない事が昔からいい伝わっていた。
それに、公務を優先ということらしい。
どんなに仕事が溜まってるのかしら?とある程度の覚悟が必要。
王宮に着くと、王太子殿下の執事が、出迎えてくれた。
「お待ちしておりました。シリアル様。お付きの人は、1人ですか。」
「遅くなり申し訳ございません。シリアルと申します。侍女1人です。」
王太子殿下の待つ客室に案内された。
王太子殿下は、見た目はカッコよかった。
でも、この人は、側妃を愛してるのよね。私は公務をするだけなのね。
「はじめまして、シリアルと申します。」
「シンスだ。こちらが、側妃のカデンだ。
君は、優秀なんだって、公務は、君のやりやすいようにしてもらって良い。
外交もお願いしたい。頼むぞ。シリアル。」
少しこわばった笑顔で話された。
「ハイ、シンス王太子殿下」
「シンス。こちらは?」
「正妃になるシリアルだ。カデンの苦手な公務を手伝ってくれるよ。」
「そーなんですかぁ。嬉しいです。
シンスは、私のことを思って、してくれたのですね。
もう挨拶はいいですね。早く行きましょうよ。」
ニヤニヤしながら
王太子殿下を引っ張って、部屋を出て行こうとした。
「ああ。では、シリアルよろし頼む。部屋はメイド長が案内せてくれる。とりあえずゆっくりしておくれ。」
と言って去っていた。
1人、ぽつんと残された。
「シリアル様」
「部屋の案内はしてもらえるのかしら?」
「確認してきますね。」
「よろしく。メイカ」
メイカだけは、知っている。
「私は、好きな人を旦那様にしたいこと職務より幸せな家庭を築きたいことを、」
私は、普通の家庭に憧れる。
優しい旦那様に、可愛い子供たち、それにメイカも。そんな暮らしが憧れた。
公爵令嬢でいる限り政略結婚は、理解できる。でも、初めから、愛人のいる男のところに嫁ぐなんてあり得ない。
と父にいっても、強制的に結婚されるだけだから、言わないけど、
と考えていたら、メイカが戻ってきた。
「案内してくれるそうです。」
と王宮のメイド長がやってきた。
「シリアル様。メイド長のハルカと言います。
カデン様の親戚になります。以後よろしくお願いします。
お部屋を案内しますね。」
部屋を案内されたのは、王太子殿下の隣の部屋ではなかった。
「王太子殿下の隣の部屋は、カデン様が、使っておりますので、こちらの部屋でお願いします。」
連れて来られたのは、何もないただ広い部屋だった。ただベットがあるだけ、、
「ありがとう」というと
「メイカさん、あなたの部屋も案内します」
と使用人部屋を案内された。
ただ広い部屋で寂しさを感じた。
ここで1人で寝るの?
ドレスを確認するためにクローゼットを開けたけど、そこには、何一つなかった。
さすが酷すぎる。
自分のドレスは持ってきたから着る服はあった。
宝石もあるもので、補えるからいいけど、
一応正妃よね?公爵令嬢だよね?
政略結婚でも、私は愛される努力はしようと思っていた。
でも、、これでは、最初から拒絶されているのね。
と悲しくなりながら、、その日は、さすがに疲れて眠りについた。
公爵令嬢が王太子殿下に嫁ぐのに、父も母も何故か見送りもない。
「本当に今日だよね?」と心配になり、メイカに確認してもらった。
「はい。今日です。シオリーナ様の婚約者が来ているらしいですよ。」
父か母かどちらでもいいのに。
王族に嫁ぐのに、親にも見送ってもらえないのね。
王族と関係を築きたいと言ってたのに?
姉は、まだ婚約者なのに、、、
なぜ今日来る?
あっ。わざと時間を合わせたのね。
理由を作るために。
「私は、いらない子なのね。」
とぼそっと嘆いた。
私がいなくなってせいせいしてるのね。
この国は、結婚式やお披露目はしないことになっている。家に嫁ぐのに、派手にしない事が昔からいい伝わっていた。
それに、公務を優先ということらしい。
どんなに仕事が溜まってるのかしら?とある程度の覚悟が必要。
王宮に着くと、王太子殿下の執事が、出迎えてくれた。
「お待ちしておりました。シリアル様。お付きの人は、1人ですか。」
「遅くなり申し訳ございません。シリアルと申します。侍女1人です。」
王太子殿下の待つ客室に案内された。
王太子殿下は、見た目はカッコよかった。
でも、この人は、側妃を愛してるのよね。私は公務をするだけなのね。
「はじめまして、シリアルと申します。」
「シンスだ。こちらが、側妃のカデンだ。
君は、優秀なんだって、公務は、君のやりやすいようにしてもらって良い。
外交もお願いしたい。頼むぞ。シリアル。」
少しこわばった笑顔で話された。
「ハイ、シンス王太子殿下」
「シンス。こちらは?」
「正妃になるシリアルだ。カデンの苦手な公務を手伝ってくれるよ。」
「そーなんですかぁ。嬉しいです。
シンスは、私のことを思って、してくれたのですね。
もう挨拶はいいですね。早く行きましょうよ。」
ニヤニヤしながら
王太子殿下を引っ張って、部屋を出て行こうとした。
「ああ。では、シリアルよろし頼む。部屋はメイド長が案内せてくれる。とりあえずゆっくりしておくれ。」
と言って去っていた。
1人、ぽつんと残された。
「シリアル様」
「部屋の案内はしてもらえるのかしら?」
「確認してきますね。」
「よろしく。メイカ」
メイカだけは、知っている。
「私は、好きな人を旦那様にしたいこと職務より幸せな家庭を築きたいことを、」
私は、普通の家庭に憧れる。
優しい旦那様に、可愛い子供たち、それにメイカも。そんな暮らしが憧れた。
公爵令嬢でいる限り政略結婚は、理解できる。でも、初めから、愛人のいる男のところに嫁ぐなんてあり得ない。
と父にいっても、強制的に結婚されるだけだから、言わないけど、
と考えていたら、メイカが戻ってきた。
「案内してくれるそうです。」
と王宮のメイド長がやってきた。
「シリアル様。メイド長のハルカと言います。
カデン様の親戚になります。以後よろしくお願いします。
お部屋を案内しますね。」
部屋を案内されたのは、王太子殿下の隣の部屋ではなかった。
「王太子殿下の隣の部屋は、カデン様が、使っておりますので、こちらの部屋でお願いします。」
連れて来られたのは、何もないただ広い部屋だった。ただベットがあるだけ、、
「ありがとう」というと
「メイカさん、あなたの部屋も案内します」
と使用人部屋を案内された。
ただ広い部屋で寂しさを感じた。
ここで1人で寝るの?
ドレスを確認するためにクローゼットを開けたけど、そこには、何一つなかった。
さすが酷すぎる。
自分のドレスは持ってきたから着る服はあった。
宝石もあるもので、補えるからいいけど、
一応正妃よね?公爵令嬢だよね?
政略結婚でも、私は愛される努力はしようと思っていた。
でも、、これでは、最初から拒絶されているのね。
と悲しくなりながら、、その日は、さすがに疲れて眠りについた。
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