【完結】23侯爵の跡継ぎのはずですが、突然平民になりましたが。

侯爵

結局、支払いはすることになった。
裁判所からの要請なので、拒否できなかった。
ルビーの鉱山に、家にある美術品などを売り、支払いする事はできた。


「ロバート。小麦はどうなってるんだい？最近、食事の質が落ちたのはわかるんだが、小麦の量も少なくないか？我が家は小麦の生産地だろ？君は領地に行っているんだから、きちんとしてくれよ」


「領地に行き、精一杯やりましたよ。マリにも言ったように、他から還元しないとリサがいた時のようにはできないと言いました。
宝石の利益を買い物に使い、小麦には、全く還元していないので、小麦の質は落ちます。
災害もあり、収穫も減っております。」

「それでもうちが食べる分はあるだろ？」


「侯爵での食べるものは一番最初に無くなりますよ。他所から買えばいいとマリが言ったので、手配しているのでしょう。」


「ロバート。君は侯爵がどうなってもいいのか？」

「おっしゃる意味がわかりません。あなた方が、領地に行きませんでしたよね？

お義父様にも、還元してほしい事何度も言いました。でも、マリの言うことを聞いてくれと言うだけ。

還元もなく、ギリギリの中、今の状態を保つのが精一杯。

侯爵の小麦は前年度ものですよ。今年の分は、他所から買うのでしょう？輸出もほとんどできませんよ。人々の分の確保だけできたよ。きちんと税収表に記載しましたから、把握されていますでしょう。」

マリに、確認した。

「マリ。小麦は他所から買ったのか？来年の食べる分を確保しないとないぞ。」


「もうすぐ出産よ。終わってからするわ」


「頼むよ。」


出産してから手配しても大丈夫でしょう。
マリは知らなかった。もう来年の分の取引は終了していて、来年の小麦は、侯爵には入らないことを。

早く宝石を取り戻さないと、小麦なんて嫌だわ。
とにかく出産して、身軽になってからしか動けないわ。

また、なんとかして鉱山を取り戻さないと。


ロバートは、私のことを信じているわ。
それに愛しているわ。
信じていると言ってくれたもの。


私を助けると思って、領地で小麦の経営をしてくれたんだもの。
今も続けてくれてる。そうじゃないとあんな地味な事進んでやるわけないわ。

私たちが食べれなかったら、平民達の分を少なくしたらいいわ。

ロバートなら、ちゃんとしてくれるでしょ。


子供が好きだから、子供が生まれたら面倒見てくれるでしょう。

たとえルカルドの子供でも。

早く子供を産んで、今までの生活に戻りたいわ。

私はロバートを選んで正解だったわ。
ロバートも幸せなはずよ。