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アントニオ伯爵

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アントニオ伯爵は、ブラックリー公爵の友人だった。


伯爵の領地は、台風のため、洪水になり、農作物がダメになってしまった。


リサの領地にも同じように、台風の被害があったけど、リサが対策をしていたから、間に合った。

公爵は、伯爵にリサのことを紹介して、
農地改革を学んでいた。

リサの領地は、毎年、手入れをしないといけなかったけど、
それより進化したものをリサは考えていたが、お金がいった。

でも、伯爵は、その案を受け入れた。
「私が苦労したらいいだけ。これで人々がラクになるならいい。」


公爵から、借金をしたのだ。利子もある。

公爵は、利子なしで、お金を貸すつもりだったけど、断られた。
そんなことはあなたとはしたくない。
友人なんだからと。

でも、借金の額を考えると伯爵にとってはきついものだった。
利子だけでも精一杯。
でも、彼は、私のせいで、苦しんでるのは申し訳ない、私が、苦しいのは仕方ないことだと譲らない。

彼は一生懸命だし、何より、年下のリサの意見を受け入れた。
普通は、親子ぐらいの歳の差のある娘の言うことなんて聞かない。
でも、伯爵は関係なかった。
良いものは、良い。と判断する。
そんな伯爵だから、助けたい。
何とかしてあげたいと思っていた。




「利子を免除するから、仕事をうけてくれないか?」

「どんな事?」

「うちにあるルビーの鉱山をラインスズ侯爵に売って欲しい。」

「ラインスズ侯爵?リサさまのところ?」

「ああ。それだけ。」

「そんなことで、利子を無くしてもらうのは悪い。」

「いや。伯爵にとっては、そんな大したことないかもしれないが、これは公爵にとって、リサにとっても重要なことなんだ。」

頭を下げた。

「少し迷惑がかかるかも知らないけど、何も悪いことはしていない。理由は、話すつもりはない。知らない方がいい。」

と言ったら、快くうけてくれた。




ラインスズ侯爵から、鉱山を奪うことが目的だった。


あの鉱山は、リサが見つけたもの。
リサの名前の鉱山。
だけど、あいつらは絶対に、あの鉱山を自分のものにする。

だから、はめたかった。

鉱山のことも勉強せずに安易に手を出したことを後悔させたい。
そんな公爵の想いがあった。

その話を受けてから、1ヶ月が経つと、
ラインスズ侯爵から、ルビーについて相談があるから、会いたいということだった。

やってきたのは、リサ様ではなかった。
跡継ぎが変わったと。妹のマリ様がやってきた。

それで、公爵が言っていたことがわかった。
リサ様が、悲しい思いをすることになったのだと。
それなら私も全力で、やらないとな。

リサ様にも恩がある。

今返す時だった。












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