上 下
7 / 50

公爵邸

しおりを挟む
リサは、会社に帰った。
必要なものは全て会社に保管してあった。

少しショックを受けていた。
私ってこんなに嫌われてだんだ、、、
今更何言ってんだが、、、と考えていたら、

しばらくすると公爵がやってきた。
多分プランが連絡してくれんだと思う。

「リサ。大丈夫か?」

「あっ。はい。」

「今日からどうするんだ?」

「今日から、私は平民ですので、、、ここに住みます。」

「ここ?」

「ここが私の居場所ですもの。だから、大丈夫です。キッチンもありますし。」

「料理するのか?」

「いえ。今日から覚えますし、今までもそんなに大したもの食べていませんもの。なんとかなると思います。」
笑顔で答えるリサ。

「え?」


「いつもだいたい、執務しながらサンドを食べていましたから、、、」


この子は何を言ってるんだろう。侯爵令嬢なのに。今までなんて生活をしてきたんだ。

「そんなことになれてはいけない。
私の家にきなさい。
これは仕事を覚えることの一つだ。
そして、あちらこちら出かけなさい。私が連れて行く。」

「ご迷惑では、、」

「リサ!迷惑じゃないよ。みんなリサの事好きだから、、、それができないなら、仕事だと思って割り切りなさい。」

「ありがとうございます。でも公爵様はお忙しいのでは、、」

「そうだな。私みたいなおっさんよりわかいのがいいな。」

「そんなことはありません。でも奥様にわるいですもの、、」

「リサは優しいな。なら、私の息子でどうだ。暇してるから、、」

「でも、、、」

「大丈夫だ。とりあえず、1ヶ月ほど、リサはゆっくりしなさい。今は、表立って仕事はできないから、」

「はい。では、お言葉に甘えます。よろしくお願いします。」

「じゃあ帰ろうかあ。」


公爵邸についた。
「リサおかえり」とカオリーナ様が出迎えてくれた。そして、抱きしめてくれた。
「頑張ったわね。まずお茶にしましょう。その時に、話をしましょう
カイトとシーナも呼んできて。」



サロンにみんなが集まった。
「カイト、シーナ。こちら、リサ。元ラインスズ侯爵の長女だ。」

「ラインスズ侯爵って、跡取りではありませんでしたか?」

「はじめまして、リサと申します。公爵様、奥様には、大変お世話になっております。」

「ああ。聞いてるよ。カイトだ。妹のシーナだ。でも、なぜうちに?」

「リサは、婚約破棄をされて、違う家の者と婚約しろと言われて、断ったら平民にされたんだ。」

「それで住む場所がなく、うちに来たのですか?」

「いや。リサは会社を設立しているんだが、会社に住むって言ったのだが、流石に休めないし、食事も自分で作るもいうから、連れてきたんだ。」

「私ではなく、公爵様の、、」

「リサ。それは違うよ。リサの仕事に、公爵の力は、働いてないよ。」

「え?」

「今出ている利益に関しては、全てリサの力だよ。公爵は何も関わっていない。リサの力は本物だよ。」

「ありがとうございます。
では、1ヶ月だけお世話になります。
カイト様、お忙しいところ申し訳ありませんが、お時間のある時にお付き合いしていただければ、、、」

「リサは、私のこと気に入らない?」

気に入らない?よくわからないけど、、、

「見た目も振る舞いも素敵ですわ。カイト様のこと気に入らない人なんていませんよ。
でも、私は、婚約破棄された傷物ですわ。カイト様に、私なんかが合うわけがありませんし、身分も、、、」

「それなら尚更、俺を欲しがるんじゃないのか?」

「よくわかりませんが、私はいま、仕事がしたいのです。早く、会社に行きたい。」

「リサ。それは、だめだよ。せめて1ヶ月は、遊びなさい。
カイト。リサは小さい頃から執務していて、普通の令嬢の幸せを知らない。
教えてやってくれ。
シーナ。お前も令嬢としての楽しみを教えてあげてほしい」

父は、リサのことを本当に気に入っている。確かに、普通の令嬢とは違う。
俺に媚をうってこない。
真っ直ぐだ。




「リサ様。私、シーナと申します。」と可愛い笑顔で挨拶をしてくれた。


「シーナ様。リサと申します。リサとお呼びください。」

「はい。私をシーナと呼んでください。」

「はい。よろしくお願いします。」

「じゃあ。お話は終わったのよね?行きましょう。リサ。あなたの部屋を案内するわ。」

「私の部屋は、下の階なの。だからいつでもきてね。」

「こんな立派な部屋、私なんかが、、、」

「リサ。今日から、お姫様よ。みんなに愛されるんだから、、、。
まず、お父様が、この家に呼ぶってことは、あなたは、気に入られてるのよ。。お父様は、冷血だから、普通そんなことはしないわ。」

「でも奥様の弟のプランが、私の家の執事だから、、」

「それでも、普通は家まで呼ばない。」

「それにまず、お兄様があんなにリサのこと聞かないわ。お兄様も気に入ってる証拠よ。」

「でも、迷惑そうではありませんでしたか?」

「あれは、照れてるのよ。」

「そのうちわかるわよ」





しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

お兄様の指輪が壊れたら、溺愛が始まりまして

みこと。
恋愛
お兄様は女王陛下からいただいた指輪を、ずっと大切にしている。 きっと苦しい片恋をなさっているお兄様。 私はただ、お兄様の家に引き取られただけの存在。血の繋がってない妹。 だから、早々に屋敷を出なくては。私がお兄様の恋路を邪魔するわけにはいかないの。私の想いは、ずっと秘めて生きていく──。 なのに、ある日、お兄様の指輪が壊れて? 全7話、ご都合主義のハピエンです! 楽しんでいただけると嬉しいです! ※「小説家になろう」様にも掲載しています。

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……

buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。 みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

不実なあなたに感謝を

黒木メイ
恋愛
王太子妃であるベアトリーチェと踊るのは最初のダンスのみ。落ち人のアンナとは望まれるまま何度も踊るのに。王太子であるマルコが誰に好意を寄せているかははたから見れば一目瞭然だ。けれど、マルコが心から愛しているのはベアトリーチェだけだった。そのことに気づいていながらも受け入れられないベアトリーチェ。そんな時、マルコとアンナがとうとう一線を越えたことを知る。――――不実なあなたを恨んだ回数は数知れず。けれど、今では感謝すらしている。愚かなあなたのおかげで『幸せ』を取り戻すことができたのだから。 ※異世界転移をしている登場人物がいますが主人公ではないためタグを外しています。 ※曖昧設定。 ※一旦完結。 ※性描写は匂わせ程度。 ※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載予定。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

【短編】婚約破棄?「喜んで!」食い気味に答えたら陛下に泣きつかれたけど、知らんがな

みねバイヤーン
恋愛
「タリーシャ・オーデリンド、そなたとの婚約を破棄す」「喜んで!」 タリーシャが食い気味で答えると、あと一歩で間に合わなかった陛下が、会場の入口で「ああー」と言いながら膝から崩れ落ちた。田舎領地で育ったタリーシャ子爵令嬢が、ヴィシャール第一王子殿下の婚約者に決まったとき、王国は揺れた。王子は荒ぶった。あんな少年のように色気のない体の女はいやだと。タリーシャは密かに陛下と約束を交わした。卒業式までに王子が婚約破棄を望めば、婚約は白紙に戻すと。田舎でのびのび暮らしたいタリーシャと、タリーシャをどうしても王妃にしたい陛下との熾烈を極めた攻防が始まる。

処理中です...