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4視察

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視察の朝。

「アルフレッド皇太子様。今日の視察は、馬で行こうと思います。」

「嬉しいね。では、ルーセント王太子と一緒にいけば宜しいのかな?」

「はい、私もご一緒させていただけたらと。」

「えー。マリーンは、馬なんて乗れないの。女の子なんだから馬に乗らずに、馬車に乗ればいいのに、なぜ馬に乗るの?」

「マリーン1人では、かわいそうだから、俺も馬車に乗っていく。」

「ルーセント様。それは、、、」

「王太子妃が、馬に乗れるんだから、お前が行けばいい。」

「そーゆうことでは、、」

「クレスタ王太子妃。私は、あなたの案内で構わないよ。
あなたは、私の好きなことをわかってくれるんだね。
馬に乗りたいと思ってたからね。ありがとう。」

クレスタは、白い馬を二頭用意した。

「名前は?」

「アニーと言います。」

「アニー。よろしくな。アルだよ。これ。」

にんじんとりんごをあげた。

その姿にびっくりした。クレスタもいつも馬に乗る前にする事だった。

上水道についたので、先にいるはずの王太子を探すと、マリーンとイチャイチャしていた。ルーセント様、アルフレッド皇太子に説明をお願いに行った。

「いいところ邪魔するなよ。」と一言小言言われた。

アルフレッド様を案内はしてくれたんだけど、なんせ頭に入っていない。上辺だけ。

資料も渡したのに、見てくれてもないんだわ。

アルフレッド様も微妙な顔付きになってるし、、、

アルフレッド様が質問された。でもルーセント様は答えれない。
恥ずかしい。

「下水道の方も見せてほしい。急に申し訳ないが、」

「えーと。クレスタ王太子妃」

「はい。ご案内させて頂きます。」

「ありがとう。上水道をみたら、やはり下水道もみたくなったんだ。」

「王太子妃に案内を任せ、私たちは、先に帰る。」

「、、、、、」

「クレスタ王太子妃。よろしくお願いします。」

「はい、かしこまりました。少し席を外させて頂きますね。
その間、ルーセント様は、アルフレッド皇太子様のお相手をお願いします。」

クレスタは、少し気分転換をしないと顔が崩れてきそうだった。

アルフレッド様は、聡い方だから、気づかれてしまったと思う。情けないな。

「お待たせしました。アルフレッド皇太子様。
あらっルーセント王太子は?」

「どこかに行かれたよ。」

「すみません。お一人にしてしまって、、、」

「大丈夫だよ。クレスタからもらった資料は、わかりやすかったよ。心配しなくても大丈夫だからね。下水道は、クレスタを説明してくれるんだろ。楽しみだよ。」

「では、行きましょう。」

下水道のほうは、しっかり説明もできて、資料も渡した。

「クレスタ。ありがとう。私が下水道に来たいことわかってたんだね、」

「はい。でも、上水道をみたら、下水道を見たくなるのは当然かと。上下水道が成立して、より良い水ができるのですから。」

「流石だね。と頭をポンポンとした。

クレスタは、真っ赤になった。

「あの。すみません。褒め慣れてないもので、、」

「え?クレスタは優秀だよ。帝国にもクレスタみたいな人いないよ。」

「いえ。私は、何をしても、だめなんです。つまらないみたいです。」

「クレスタ。あの丘の上で、ランチしないか?王宮でランチの予定だっただろ?

急な話だけど、クレスタと2人で、ゆっくりしたい。私の護衛が、遠くで、見ているから、大丈夫だよ。」

「では、サンドイッチでも。。」

「クレスタは、何もしなくてもいいよ。こちらで手配済みだよ。じゃあ行こうかぁ。」

一本の大きな木の下に敷物を敷き、2人で並んで、アルフレッド様が用意してくた、お昼を頂いた。

私の好きな、ローストビーフとチキンバジルのサンドイッチだった。

「クレスタ。このサンドイッチは、僕の好きなものなんだ。食べてみて、」
「私も好きなんです。この二つが1番。これを食べてる時が、ほっとできるんです。美味しい。」

「良かった。いい顔してる。普段クレスタは、何してるの?街に行ったりしてる?」

「私は、街に私用で入ったことがないんです。
幼い頃から、王太子の婚約者で、王宮に住んでいました。
両親や兄弟とも離れて過ごしていましたので、甘え方がわからないんですよ。だから、可愛くないって言われる。」

「クレスタは、がんばったんだね。だから、色んな事出来るんだね。
でも、クレスタは誰に癒されてるの?
甘え方がわからなくても、心を許している人はいるの?」

「心を許せる人はいません。王妃様にも嫌われています。
王妃様は、マリーンの方が好きみたいです。
私みたいに可愛げのない子は、嫌いだそうです。
小さい頃から、言われてますので、メイド達も私とは、距離があります。
私と仲良くしてしまうと、王妃様の怒りに触れてしまいますから。
みて、おわかりのように、王太子も私の存在は、王太子妃という地位だけです。

でも、私は、小さい頃、犬に襲われそうになって助けてもらったので、好きになったんです。
その後、妃教育で、王太子のためにと教育されたので、それが普通だと思いました。

でも、それが恋ではないとやっとわかりました。そして、王太子のためではなく、困ってる人のために動きたいと思いました。」

「クレスタが、自分の話をしてくれて嬉しいよ。僕の話も聞いてくれる?」

「もちろんです。」

「私は、将来皇帝になるんだか、婚約者が必要なんだ。

私も好きな人と、2人で帝国を守りたい。でも、見つからない。
婚約者候補で、ダイアナがいるんだ。
ダイアナは、私の弟と思い合っていて、でも、僕が見つけない限り、2人は幸せになれないんだ。」

「そうなんですね。。。
アルフレッド様の叶う人が見つかる事を願っています。」

「聞いてくれてありがとう。そういや、クレスタは、馬を早く乗ったことがある?」

「いえ。流石にそこまでうまくありませんわ。駆け巡る景色に自分がいると想像するとワクワクしますね。アルフレッド様は、感じてますよね?」

「気持ちいいよ。」

「流石に、毎日練習しないと難しいですね。」

「いやいや。練習って騎士になるつもり?乗せてもらわないと。」

「ここでは、私を乗せてくれる人は、誰一人いませんわ。諦めますわ。」

「帝国にきたら、乗せてあげるよ。」

「楽しみにしていますね」

「クレスタ。少しは気分転換になったかな?」

「お気遣いありがとうございます。そんなに顔に出ていました?」

「いや。わからないはずだよ、僕以外は。
僕は帝王学を学んでるから、クレスタのことがわかるのかもね。
顔には出ていないよ。手の動き。」

「手。。気がつきませんでした。気をつけないいけませんね。
ご指摘ありがとうございます。アルフレッド様は、瞬きの回数が、ほんの一瞬多くなりますよね。」

「クレスタには、バレてるんだ。だいぶ
気をつけてるんだけどね。クレスタだけだよ。帝国では、誰一人わからない。
流石だね。そろそろ帰ろうかぁ。」

王宮に着くと、アルフレッド様は、アニーにご褒美をあげた。そして、今日は楽しかった。
アニーのおかげで、無事ここまで帰ってこれた。ありがとうと声をかけていた。

嬉しかった。馬を大切にしていた。

アルフレッド様と一緒に過ごすうちに惹かれていた。
優しいし、強いし、優秀な方。スタイルもお顔も全て、完璧。何より尊敬できる。
惹かれないわけがない。

でも、私は、ただの王太子妃。誰にも愛されていない私が、惹かれてはいけない。
しかも、私は、結婚している。
好きになってはいけない。。。







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