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その後


12歳になっても、フィルはよく物を壊す。勉学もしないし、遊び呆けている。
学校の宿題も全てキィラにさせて、テスト対策は、教えてもらい、それなりの成績を収めていた。もちろん親や先生に内緒。

キィラは、成績を上げるなと言われてたから、わざと答えを書かなかった。

学園の先生も人間。ドラキュラをあまり好きではなかったから、フィルのやることに目を瞑ってきた。
両親もフィルが、優秀だと勘違いしていた。


「また、おもちゃを壊したのね。せっかく私たちがあげたものを!!
なんでフィルのものをこわすの!!」


「勉強も全てのことがフィルより劣ってるわ。ドラキュラのくせに、、、」
両親から怒られ続けた。


「奥様、キィラ様には、何も買っていませんよね?
誕生日プレゼントさえ、あげてませんよ、キィラ様は、壊したりしません。」

「この子はいつも壊してばかりでしょ。フィルのものも全て壊すから、、、」

「奥様!旦那様!もっとキィラ様のことちゃんと見てあげてください。」

「キィラは、ドラキュラよ。人間と違うから!私たちの子ではない。」と父が言った。

「旦那様!!」

「リーは、解雇だ。この家から出ていけ!!」


「リーありがとう。もういいよ。僕のためにごめんね。」

両親に見えないように、自分の首にぶら下げていた十字架のネックレスを渡した。


「キィラ様。これは、、、」

「大丈夫だよ。もう、僕には必要ないから。」

キィラから仮面の笑顔が消えた。
輝いて瞳からひかりが、なくなった。

十字架は、フィル様、キィラ様を守るために、首から下げていなければならなかった。

そっと部屋から出ていった。

「お前も早く荷物をまとめて出ていけ!!」と言われて、リーも部屋から出た、

リーは祖父の領地まで、乗り継ぎの馬車に乗って行く事にした。
お金がないから、何度も乗り継がないといけなかった。
時間はかかるけど、方法がなかった。

早く行かないとキィラ様が死んでしまう。
領地に着いた頃には、1週間が経っていた。

「私、使用人のリーと申します。キィラ様のことで緊急にお話があります。」

「リーと言ったね。キィラがどうかしたのか?」

キィラ様の十字架を渡した、、、

「これは、、、何があったんだ。
急いで、キィラのところへ、、
話は馬車の中で、、、」

侯爵家の馬車を使い、すぐ向かったので、3日で到着することができた。

でも、もう10日経っている。
心配でたまらないリー。何もないことを祈るのみだった。

「リーありがとう。君がキィラのそばにいてくれてありがとう。君みたいな人がいてくれたから、キィラは、心優しい子に育ったんだよ。感謝する。」


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