上 下
2 / 5

2

しおりを挟む
ある日、学園の帰りに、街の本屋さんに寄り、カフェに行くことにした。
カフェで本を読みたかったから。

案内された隣の席から、ルシーダの声が聞こえた。
ここは、個室ぽっく、観葉植物で区切られているので、隣に誰がいるかわからない、
わたしからは、案内の時に、たまたま姿を見ることができた。
ルシーダだから、隣に意識をしていた。
普通のお客さんならわからない空間だから、
ルシーダは、わたしが隣にいることを知らないから、わからない。

向かい合わせには、綺麗な女の人がいた。
仲良さそうに、わたしには見せてくれない笑顔で話をしていた。

「ルシーダ。仕事は順調?」
「ああ。順調だよ。忙しいけど、大丈夫だよ。」

「疲れているわよ。」

「奥さんには癒してもらえないの?」

「あいつといる休まらないな。」

「え?ちょっと待って、、、休まらないって、癒してもらえないの?」

「ははっ。」
「わたしが癒してあげるわ。行きましょう。」
二人は、カフェから消えていった。

ショックだった。そっか。わたしがいると休まらないんだ。
そんなことを知らないで、わたしは甘えていた。

少しでも手伝えるといいと思ってだけど、邪魔だよね。
なんでもできるのに、わたしなんかといるほうが迷惑だよね。

なんでわからなかったのかな?
わたしなんて何にも魅力ないし、勉強しても、実践には何も使えない。
つまらない女よね。

どうしよう。
これから、わたしはこのままで良くない。わたしはどうしようかな、、、

爵位の引き継ぎは、もうすぐだから、
ルシーダが正式に伯爵になったら、わたしは、小さい街に行き、一人で暮らそう。食堂で働かせてもらおうかな。


「働かせてもらえるといいけど、、」

学園を時々休んで、仕事を見つけるために小さな街に出かけた。
そこで、食堂を見つけた。
とても可愛い店だったから、気に入ったので、一度、入ることにした。


「お嬢さん。どうしたんだい?なんか辛いことがあった?」

「え?どうして?」

「頑張って隠してるいるのがわかるから。」

ルシーダにも使用人にもバレたことがなかったのに、、、、

「何もありませんよ。お腹が空いて。」


「そうかい。美味しいものを食べるか?」

「はい。食べたいです。」

具沢山スープと焼きたてのパンだった。
「いただきます。」
食べてみると、美味しかった。わたしの冷えた心があったまった。

涙が出てきた。

「美味しい。」

「そうか。やっぱり心が冷えていたんだね。よかったら話をしてごらん。」


カルリーナは、あったことを話をした。
「ちゃんと旦那様と話をしたほうがいい。何かあったら、ここにおいで。」
と言ってくれた。


帰ると、ルシーダは、友達が来ていて、
お酒を飲んで話をしていた。
時々あることだから、気にしていなかったけど、
わたしが帰ってきていないと思って、友人が、

「子供は?」


「子供はいい。」

「なんでだよ。可愛いぞ。」

「まぁーな。でも今はいい。もう少ししてからだ。」

「キスしてるんだろ?」

「ああ。してるよ。可愛いよ。」

「仲良くてよかったな。」

「ああ。可愛いよ。離したくないな。いつもドキドキする。愛しくてたまらない。あいつがいるだけで、いい。」







しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

幽霊が見える私、婚約者の祖父母(鬼籍)に土下座される

恋愛 / 完結 24h.ポイント:773pt お気に入り:82

剣を手に取り抗う者は

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:39

「ざまぁしないで下さい」とヒロインが土下座してきた

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:49pt お気に入り:16

子供を産めない妻はいらないようです

恋愛 / 完結 24h.ポイント:369pt お気に入り:281

高慢悪女とヘタレ騎士

恋愛 / 完結 24h.ポイント:106pt お気に入り:362

継母の心得

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:69,767pt お気に入り:24,166

聖女クローディアの秘密

恋愛 / 完結 24h.ポイント:71pt お気に入り:1,450

処理中です...