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陸side

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俺は、社長になりたかった。
東條商事の社長とは、飲み屋で知り合った。なぜか気が合った。
飲み方も豪快で、女遊びもして、社長なんて、うらやしい。
仲良くなり、何度も一緒に飲みに行く関係になった。

「俺の娘と結婚したら、社長になれるぞ」という提案をもらった。

「え?いいんですか?」
「ああ。じゃあ顔合わせするな。」と淡々と進んでいった。

かりんとはじめてあった時、
「若かった。」これが第一印象だった。
歳を聞いたら19歳。
何も知らない子だから、俺色に染めれる。

「社長。お受けします。」とその場で返事をした。
「あの。私には、チーズアレルギーがあるので、和食生活になりますが、難しいならこの話は受けないでくださいと個人的言われた。」
「ああ。君が料理をしてくれるならいいんじゃない?」
そう、社長の座が目の前にあった。だから、手放すことはしたくなかった。
結婚して、生活が始まった。

料理が質素だった。本当に地味。
俺色に染めるどころか、人形みたいだった。


お義父さんが言った通りに、人形だった。
愛する時間だって、つまらなそうで、
思ったより、つまらない生活だった。

料理ぐらい、こってっりしたものを食べたかった。
お義父さんの家で、好きなように、食べさせて、もらって、
俺一人で、かりんの実家で好き放題してた。

お義母さんも好きにさせてくれてた。
かりんより俺の味方をしてくれた。
かりんは、親から親の愛を受けていない。
人形のように過ごしていた。
社長になる為、気にしないことにしてた。

それから、俺の態度が悪くなっていった。
かりんの気持ちを考えることがなくなった。

ミカと出会い、かりんとは反対の派手なミカに惹かれ、ハマっていた。
その不倫が、部長にバレた。
その時に、家政婦の話をしていた部長にに自ら、かりんを家政婦にと提案した。

俺の心の中では、かりんが、俺の役に立つのは、それぐらいしかないと思い込んでいた。

まさか、罠だとは知らずに、、
それに常識から外れていたことを、離婚されてからはじめて、理解した。

かりんにとって、はじめて会う男の家に、一人で送り込んだ。
かりんは何度も確認してくれたのに、それを無視してた。

結果、自分の女を奪われた。

性処理のことも書いてあった。お金も受け取っていたから、かりんと部長の関係に何も言えなかった。
全て、自分が悪かった。

ミカに夢中になり、かりんが何してるかなんて、興味がなかった。

離婚を告げられて、サインして、家に帰ると、
元々かりんのものは少なかったけど、家から、かりんの痕跡が、無くなっていた。

玄関の靴が、なかった。化粧品、服、全てのものがなかった。
確かに、ここ、最近ではなかった。
ずっとこんな感じだった。。
食器が少なくなっていた。

ゴミ箱には、食器が捨てられていた。
この家に来た時に、買った食器は、全て割られていた。


冷蔵庫の中を覗くと、
いつも飲むビールが一本、水が、一本
調味料があるのは、マヨネーズと塩胡椒

冷凍庫には、冷凍食品ばかりだった。
レトルトも多く、今までのかりんにはない状態だった。

確かに、ここ最近、俺好みの味だった。
喜んでいたけど、
パスタも冷凍だったわけだ。

かりんが一生懸命作ってくれてた料理。
今ならわかる。
文句ばっか言ってた、、、

かりんのものは、何一つ残っていなかった。
残っていたのは、結婚する前に、誕生日プレゼントであげた小物入れ。
これをあげた時、喜んでくれた。その時の顔も思い出したけど、、、
一度きりしか見たことがなかった、

その中には、傷ひとつついていない婚約指輪と結婚指輪が、入っていた。
指輪をつけ無くなったのは、いつだったかも思い出せなかった。


かりんは、俺のことを愛してるから何をしてもいいと思ってた。

いつも俺のために尽くしてくれてた。
だから、俺のこと愛してると思ってた。。

ただのお義父さんからの命令だった。
それを知ったのは、、離婚してから。


今考えると、あのパスタ屋に行ってから、かりんは、俺を避けるようになった。
もちろん口では、ちゃんと俺に尽くしてくれてたし、ミカに夢中だったから、、
だから、あの時はわからなかった。



ミカが、お義父さんと関係していたなんて、いや、今も関係してるとは、

ミカと会うのは、夜遅めだった。
仕事も実際残業していて、遅かった。

いつも会う時は、シャワーを浴びていたよう。いつもいい匂いをさせていたから、そんなものだと思ってたけど、違った。

お義父さんと済ませてから、俺に会いにきていたわけだ。

かりんとやる時もミカさんとやる時も、やり方は同じだった。
かりんの反応は、面白くなかった。
ミカさんは演技をしていたわけだ、、

お義父さんとしてるから満足してて、そのあと俺とだから、演技してくれるわけだ。。

まさか、お義父さんと出来てるとは、考えなかった。
昔からの付き合いだって。
いくつなんだよ。

俺はこれから先どうなるんだ?
東條を継ぐのか?








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