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外食

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ある日のこと、めずらしく、陸から

「今日は久しぶりに、外食しようかぁ。」

「よろしいんですか?」

「なんで敬語なの?」 

「部長さんに失礼にならないように練習。」

「ああ。そうゆうことね。部長は喜んでくれてるみたい。優秀だってよ。」

「それは良かったわ。」

「お前が、唯一できることだもんな。」
苦笑いをしながら、
「料理は、大丈夫なのかな?」と聞いた。

「美味しいって言ってたよ。
かりんの料理で大丈夫なら、そこまで、美食じゃないじゃない?」

「、、、、、」

「それより、早くでかけよう。。」
本当に失礼。私にも、部長にも、、、
この人は、思いやりがないんじゃない。
父と同じ性格だもんな。


陸は、パスタが好きになったみたいで、最近、パスタが多いよう。。特にカルボナーラが好きみたい。

私は、チーズアレルギーで、食べれない。
もちろん知ってるはずだから。
久しぶりの外食。
今日の店は、和食にしてもらえると思ってたら、パスタだった。
しかもチーズの匂いが充満している。
嫌がらせのよう。


「かりん。このお店は、人気なんだよ。」

「そうなんですね。」
少し嫌な顔をしたけど、陸は気がつかない。そのまま店の中に入って行った。


「俺は、チーズがたくさん入ったカルボナーラ」

「私は、半量ミートソースで、チーズとサラダでお願いします。」
この中でも食べれそうな物を選んだ。


「こんばんは、」

「部長、、ミカさん。どうされたんですか?」

【え?どうゆうこと?二人が一緒なんて、、、】ともやもやするかりん。

「一緒にいかがですか?」と誘う陸。

「久しぶりの夫婦水入らずの時間、邪魔したら悪いよね。」と部長が、言った。

「いいんですよ。いつも一緒にいるから、気にしないでください。」
私が席を立とうとしたら、ミカさんが、陸の隣に座った。そして、部長さんが、私の隣に座った。


「はじめまして、妻のかりんと申します。
主人がお世話になっています。」

「え?なんで?」

「陸の会社の人でしょ?違うの?」

「私、湘南は会社、営業部の松本ミカと申します。
陸さんとは、お世話になっております。
いつも、たくさんのことを教えてもらい、助かっております。」

「そうだったんですね。主人の取引先の方ででしたのね。。」

「奥様は地味な方なんですね。」
クスクスと笑う。。

「かりんは、地味なんですよ。
松本さんみたいに綺麗ではありません。
おしゃれをしても、変わりませんよ。」

今日は、いつもよりおしゃれはした。。晴翔さんのところに行くほどではないけど、、、


「主人も、綺麗人と出来て、、幸せですわ。
これからもよろしくお願いします。 
  ミカさんが使ってる化粧品教えてください。私あまり、詳しくなくって、主人に教えておいてください。同じのを使うとミカさんみたいに綺麗になるかもしれませんわ。主人に教えてください。買ってきてくれると思いますので、、、」
とにっこりした。

ミカさんは、チーズたくさんのクリームパスタ。
部長は、ミートソースを注文した。


「ここのチーズが美味しくて、ついつい食べてしまうの。チーズが好きなの。」

「松本さんは、チーズ好きなんですね。
ほんと、このチーズ美味しいよ。
かりんもチーズをたくさん振ってたべないと、、せっかくの料理が台無し、、、」

と、私のわざわざチーズに抜いたものにチーズをかけた。
しかも、口の中に入れてきた、、、

「ほらっ。」

普段しないくせに、なんのため?
席も向かい合わせだから少し遠いのに。

食べないわけにはいかず、飲み込んだ、、、


その時、部長の電話がなる、、、
「抜けていいかな。」

「「「はい。」」」部長は、その場を離れた、、、


しばらくするとミカさんが、、
「少し気分が悪くなってきたので、失礼しようと思います。。」

もちろんパスタは、食べ尽くしてあった。
顔色も悪くなく、私のが悪かった。

「私が送りますよ。顔色が悪いので、心配です。かりん。1人で帰って。」

「わかりました。ミカさん大丈夫ですか?気をつけて帰ってください。」
と必死で、笑顔で返答した、、
 

「ごめんなさい。ご主人を借りますね。。」

「部長には、連絡しておくから、、、」

「はい。」


2人は去っていった、、、



「奥さん地味ね、、、」

「ああ。あんなのでは、たたない。
ミカさんは、綺麗だし、、、比べられないよ。一応、俺に好かれようとしてるみたいだけどな。」

「そうね。貴方もかわいそうね。離婚したらいいのに、、、」

「ああ。でもな。あいつの親に好かれてるし、跡継ぎなんだよな。財産もあるしな。」

「貴方も悪い人ね。」

「じゃあ家に送って、、、」

「そーいや。なんで部長と一緒だったの?」

「たまたま会って、仕事の話をしていて、お腹が空いたから、この店に入ったわけよ。偶然だったのよ。」

「偶然。ミカさんに会えるなんて俺はラッキーだ。」

部長は、わざと外に出て、様子を見ていた。
松本ミカが、体調悪いなんて嘘ってことは、わかっていた。
かりんが体調悪そうなのが心配だったけど、完全にいなくなってから、声をかけたかった。
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