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東條家

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東條家は、
父、定夫。母、裕子。 兄、薫。私、かりん
の4人家族であった。

父が、祖父に譲り受けた会社を継ぎ社長であった。
跡継ぎの兄は、父と考えが合わず、家を継がないと言った。

なので、婿養子が必要になり、私は、必然的に、父が選んだ人と結婚することになった。
それが陸だ。
陸は、婿養子となり、いずれ、会社を継ぐことになる。

父は、まず、第一条件に自分と気が合う人。父に良く似ている性格の人に決まってる。
父と兄とは性格が違う。私は兄と合うので、
心配だった。。。

もちろん、父は、わたしには、相談もなく、拒否権もなく、勝手に勧められていた。。
両家の顔合わせをして、結婚式のドレスも母に決められ、お飾りの花嫁が出来上がった。


「ごめん。かりんに迷惑をかけて、、、」とお兄ちゃんが謝ってくれた。

「お兄ちゃんが、大変な思いをしていたの知ってるもの、、、私は、好きな人もいないから、陸さんを好きになれるといいな。
だから、お兄ちゃんは気にしないで、しっかりと自分の事考えてね!!」
とお兄ちゃんが心配しないように返事をした。。




陸と結婚して、2年が経った。

正直、仲の良い夫婦ではない。陸のことを知る前に結婚して、それを受け入れるしかなかった。

こんなに他人との生活が、難しいとは思わなかった。。
他人と生きることのつらさを感じていた。


陸は、自分勝手で、相手の気持ちを考えない。
陸に合わせないといけなかった。
まさか。結婚してまで、父と同じような性格の人と暮らさないといけないとは思わなかった。

食べるものが1番困った。
私には、アレルギーがある。子供の頃から、食べるものは自分で、注意していた。。

結婚する時も、きちんと話をしたし、それが面倒ならこの結婚は無かったことにしてほしいとのことを陸には、伝えていた。

それでも結婚するとなったのだけど。

結婚してから、2人で私の実家に行った時、

「かりんのご飯は、ボリュームがない。ガッツリ食べたいのに。俺とは食べ物の好みが合わない」と母の前で言った。

その日の夜は、焼肉になった。
陸はガッツリ食べていた。
私にも食べろっていうけど、私は、牛肉をあまり摂るとダメって言うことも陸には言ってあるし、親はもちろん知ってる。
なのに、、、

「かりんも食べなさい。貴方が食べないと陸さんが遠慮するでしょ、、」と言った。

びっくりした。まさか、実の親からこんな言葉出るとは、
私のことなんてどうでもいいみたい。

「こってりしたものが、食べたかったら、いつでも来たらいいのよ。」と母は、楽しそうに言う。

その後、陸は、度々と私の実家に1人で、行って、ご飯を食べて帰ってくることがあった。

その度に、メールが来る。

「あなたは、自分勝手に、食事を作らず、陸さんの希望を聞いて、もっとコッテリしたものを作りなさい。」

「唐揚げ、トンカツ、牛丼、カルビ丼、すき焼きを量多く作りなさい。陸さんが食べたいものよ。野菜より肉なのよ。」

「生活費のこともありますし、
健康のために、、、」と返信したら、

「それをなんとかするのは貴方の仕事よ。陸さんが稼いでいるのだから、」

陸は、手作りより、市販の味のが好きなよう。
だから、味は濃いめにした。野菜も食べないかなら、工夫して食べさせるようにしていた。

唐揚げも、油を気をつけて、ポン酢と大根おろしや、
甘酢餡と蒸し野菜和えにしたりしていたけど、普通の唐揚げでいいと。

陸のご飯は作るけど。食事を作るのが楽しくなくなってきた。自分のも食事を美味しいと感じなくなった。
段々と、食べない時が多くなったし、受け付けなくなってきた。

結婚してどんどん痩せていった。
痩せていることがわからないように、ブカブカのワンピースなどの服を着ていた。




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