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13副隊長

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隣国の護衛に行くことになった時、

カイレ王太子の横に、あの時の女の人がいた。
あの時見たより、綺麗で、幸せそうな顔をしていた。

まさか、、ラビートとの関係が良いのか?
心配していた。

でも王太子との仲が良かった。
それも少し気になるところだった。

今回、王女の仕事は、王太子の仲良くなることだったから、、


それ以前に、王太子は、王女の振る舞いを見て、いいように思っていなかった。

今回、うまくいかないだろうな。。なんとかしないといけないな。と思っていたら、
ラビートが、その女の人のことに気がついた、、

「アリエンス、、なぜ、、」
と小さい声で漏れていた。

「副隊長、、申し訳ありませんが、時間をください」
真剣な顔をして言われたから、断れなかった。
だから、最終日に時間を作ってやった。


多分その女と会ったんだろうな。気楽に思っていた。

帰ってきた、ラビートは、青ざめていた。

「婚約破棄、、、」

小さい声で、言ったのが聞こえた。

その姿を見て、俺はなんてことをしたんだ。と後悔した。

国に戻るとしばらくすると
ラビートから、
「申し訳ありませんが、退職したい。」

「なぜだ?」

「私は婚約者がいました。
幼い頃からずっと一緒にいて、気が合い、これからもずっと一緒にいるものだと思っていました。
王女の護衛になり、安定した収入が、得ることができたら、彼女を幸せにできると信じていました。
でもそれは間違いだったのです。
彼女は、私から去っていきました。
彼女のために護衛についたのに、意味がありません。」


「王女の護衛は名誉あることだ。」

「私にはその価値がありません。意味がないのです。辞めさせてください。」

「少し休暇をとり、それから考えよう。」

と助言した。


俺は、ラビートの人生を台無しにしてしまったんだ。と後悔したが、後の祭りだ。

王女は、ラビートを呼び出し、

「私はあなたのが好きだから、婚約者になって」と伝えそうだが、はっきりと断られたらしい。

王女も靡かない者に飽きたらしく、手放した。


この後どうするのかと聞くと、
「私は、アリエンス以外のものを愛せないので、旅に出ます。
この国には、思い出がありすぎて辛いので、よその国に行きたいと思っています。」


「謝って、元に戻るように努力したらいいじゃないか。ラビートは仕事をまっとうしていたんだから。」

「もう無理なんです。
彼女は、私と違う相手と結婚するから、、」

「新しい相手、、?」

「はい。従兄弟が、ずっと彼女のことを好きで、、、彼女のことを幸せにするそうです、、、」


「ラビートは彼女を愛してたのに、、浮気をしたわけじゃないよな。」

「王女が、彼女に牽制したそうです。そして、私は仕事だからと言って、彼女との約束を破った。」

「約束?」

「付き合った記念に、俺が彼女にブレスレット、彼女が俺にカウスとタイピン。
離れていてもずっとつけていようと約束したのです。俺が、どんな理由があっても、他の者の色をつけた。それを彼女が見てしまった。そして、彼女のブレスレットもキレてしまった。」

副隊長も顔色が悪くなった。
そんな約束をされていると思わなかったから、、、。


俺は、なんてことをしたんだ、、、
自分の欲のために、ラビートの人生を狂わしてしまった。



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