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結婚相手

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ある日、突然プレーリーが、家に来た。
不思議に思っていたら、

「ごめん。別れてくれ。君とは結婚できない。」
頭を下げられた。

「え?」
何を言ってるかわからなかった。
ドレスも選んだし、結婚式の準備もした。なのに?何を言ってるかの?

「君の妹リリーが、僕の子を授かったんだ。」

意味がわからなかった。私たちはうまく言ってたよね?なぜ?リリーが、、、

「どうして?」


「君のこと愛していたんだ。ずっと、、、
君となら、幸せになれると思っていた。でも、君の妹に誘惑されて、一夜を過ごしてしまった。
そして、その一回で、子供が、授かった。責任をとらないといけない。すまない。」

頭を下げたプレーリー。

「そんな。。。」


「ごめん。君のこと好きは変わらない。でも、、、。」


また妹に捕られるのね。
私は、やっと居場所ができた思ったのに、今度こそ幸せになれると思ったのに。


「やっと私の居場所ができたと思ったのに、、、、」
つぶやいた。

「え?君は両親から愛されているんだろ?
 あんな素敵なドレスを贈ってもらえるほどに。
 リリーは、両親の愛も少なく寂しいと、嘆いていて。それで慰めていたら、、、」 

もうその後は、聞きたくなかった。
聞いたところで、リリーの嘘を聞くだけだ。
リリーは、私から婚約者も奪った。
まさかこんなことまでするとは思わなかった。

「わかりました。妹のことよろしくお願いします。」

涙が流れそうだったのを我慢して、頭を下げた。



 そこへ両親と妹が入ってきた。

「話はついたか?お前の結婚式の日に、リリーの名前で行う。」

「え?」

「当たり前だろ?わざわざ招待状も送ってあるのに、名前だけ変えたらいい。
政略結婚だからなんとでもなるだろ。」


政略結婚という言葉で片付ける。
私はプレーリーのこと好きだった。
本当に私のこと考えてくれないのね。

「私が全て用意したのよ?」

「リリーは、子供が出来たんだ。無理はできない。」

結婚式はいい。ドレスは?
私のよね?まさか、、、

「あのドレスは、私のよね?」
確認する。


「お姉ちゃんのドレスかわいいもん。私が着る」
と言い出した。

「お前は結婚しないんだから、先に妹にいい。」

貸せばいい?リリーが着たものを私がまた着るの?


「なんで、、、いつも、、、」

 私は我慢できなくて部屋を出た。


「エアリー」と元婚約者の声が響く、、、

もちろん振り返ることもせず、、




「あいつはわがままですまないね。妹の方は可愛いから、許してくれ。」


 嘘だろ?この状態で、わがまま?
どう考えてもリリーの方が我儘だろ?
 俺はなんて見違いをしたんだ。
でも、もう戻れない。リリーには、俺の子がいる。



 それから、学園を卒業し、俺は、リリーと結婚した。
準備は全てエアリーがしてくれていたので、俺たちは何もしなくてよかった。





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