【完結】19私の周りの人たちが魔法にかかり、私の運命が変わってしまった

食事会

食事会は、リュウと私。そして、皇帝、皇后、公爵、公爵夫人で行われた。


「シリーナ。やっと会ってくれたね。」

「お久しぶりです。食事を用意しました。」

リーナは、食事をしている間、気持ちを落ち着かせていた。
両親に会って自分はどう思うだろうか？少し心配だった。

私を愛してほしいから許せるのか？
または、我慢して許すのか？

許さないのか？


でも、自分の心は、揺るがなかった。
ただそれを伝えるべきなのか？悩むところだった。



サロンに移動して、食後のデザートを食べることになった時に、

「リーナ。私たちは魔法にかかっていたようだ。」


「魔法は解けましたか？」

「ああ。すまない。魔法のせいでシリーナに酷いことをしてしまった。でも、もう魔法も解けて、私たちは、元に戻った」

「それは良かったですね。」

「シリーナ戻ってきてくれ。俺たちの娘に。」

「私は今アリーナです。シリーナは死にました。」

「目の前にいるではないか。」

「なぜわかってくれないのですか？言わないといけないのですか？」

「わかってくれないとは？」

「私もわざわざみんなの前でこんなことはいいたくないのに、、、」


「リーナ。自分の思ってることきちんと話したらいい。思っていたこと、今思っていること。」
リュウが優しく言ってくれた。

「リュウ。私の醜い心、、」

「大丈夫。どんなリーナでも好きだよ。」



「王太子に婚約破棄を言われた時になんておっしゃりましたか？覚えていますか？それも覚えていないのでしょうか？」

「トーマから聞いた。」

「魅了の魔法がかかってしまうと本当に知らないのですね。
急に婚約破棄を言われ、絶望して帰ってきた実の娘に
「お前なんて娘じゃない！
代わりにカーナ様を養女にする。
お前なんて、役立たず。
王太子と婚約破棄なんて、
家のためにもならない。
この家を今すぐ出て行け。」と


夫人だけは、私の味方になってくれると思っていたのに
「カーナのような娘なら楽しいわ。
あなたと違って。」

覚えています？覚えていないでしょうね。魔法にかかっていたのですものね。
家族みんながカーナを大事に思っていましたよ。」

「それは、魔法のせいだ。」

「その後、私は、一人で隣国に渡りましたよ。
隣国で、私は仕事をして、、平民として、一生暮らすつもりだったわ。たまたまリュウジナイト皇太子と出会う事ができたから、今の私があるだけよ。

皇太子妃と聞いて会いたかったの？
平民の私なら探した？

あなた方が、大事なのはカーナでしょ。
魔法がかかっていたからと言って許されるわけではありませんよ。
あなた方は、忘れても私は忘れられない。」

「、、、、」

「戻ってどうするのですか？シリーナは存在しません。」

「私の娘は、シリーナよ。」

「でも、拒否したのはあなた方ですし、私は、もうアリーナですし、お父様もお母様もみえるし、、、」

「それは、、、」

「もう、あの時と同じように忘れてください。」

「そんな。」

「戸籍がないんですよ。あなたの娘死にました。」

「私たちを捨てるのか？あんなに可愛がって育ててきたのに、、、」

「一番辛い時に、私を捨てました。あなたに、すぐに出ていけと言われた時、絶望で、どうしたらいいかわからなかった。死ぬしかないと思ってといたわ。トーマが言ってくれたから、皇太子と出会えることができた。だから、死んだと一緒よね？それに、死亡届に自分で名前を書いて、親に渡した。その気持ちがわかりますか？」

リーナは震えていた。
リュウがそばにいてくれたから、安心できたけど、ここまで言わないとわからないなんて、、、
1人じゃない。リュウがいてくれる。
大丈夫。


「私たちが、あなた方の分も愛しますわ。本当の子供のように、可愛くて。なかなか甘えてくれないのは、寂しかったけど、最近では、甘えることを覚えてくれたのよ。親に甘えていいことを知らなかったように思えるのよ。」

「そうですね。甘えると言うことは知りませんでした。人に甘えることをしらなかったもの。リュウとお父様お母様が私を愛してくれて、私は甘えていいのだと知りました」

「申し訳ございませんが、あなた方には、お兄様がいるので、私はもう、、、、、お元気でお過ごしください。」



元両親は、落ち込んで、帰って行きました。