【完結】私ですか?ええ、愛されていません

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第十一話

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「お父様、物には限度というものがあります。スリスタは1人しかいません。毎日着替えても、これだけあったら、半年着れます。私は大きくなります。着られないコートがかわいそうです」 
なんとかアランを止めるため、スリスタは頑張っている。
「お父様からのプレゼントは何でもうれしいです。こんなに大量でなければ」
トルパ公爵は項垂れた。
「だって、スリスタが赤ちゃんのときから出会える前の分も合わせてプレゼントしたいんだ」
「お父様」
スリスタはアランの表情を見て、困った。けれど、このままでは大変なことになる。
たぶん次は宝石を集めそうなのだ。それは高額になるだろう。年齢もデザインによっては関係ないから、より一層危険だ。なんとか認識を変えなければ。

「お父様、スリスタは伯爵家で育ちました。贅沢はしませんでした。だから、少し加減してください。このままではスリスタは物に溺れてしまいます」
「わかった。その話し方をやめて、パパって呼んでくれたら、譲歩しよう」
「話し方ですか?」
「そう、丁寧すぎる」
トルパ公爵はいじけて見せる。スリスタは自覚がなかったが、たしかに父相手にしては丁寧すぎた。
「いいわ、お父様‥じゃなくて、パパ」
「スリスタ!」
アランに抱きつかれて、スリスタは驚いた。

チェルシーが消えてから、アランの心は真っ暗だった。誰と話しても虚しさが消えなかった。どこにも光はない。父が決めた政略結婚を蹴散らして、結局誰とも結婚しないと決めた。身分と見た目で寄ってくる女性たちはかなりいたが、誰にも気を許したことはなかった。唯一マリン公爵夫人とだけは雑談できた。彼女のような視線なら、不愉快ではなかった。彼女は公爵を愛していて、アランに言い寄るような女性ではなかった。その彼女が連れて来てくれたスリスタ。チェルシーとアランの子ども。

「パパ。このコート、気に入ったのを選ぶから、他は孤児院とかに寄付していい?」
チェルシー、君の娘はしっかりした子に育っているよ。君の子らしく、優しい娘だ。僕をパパと呼んでくれるようになった。チェルシー、君に会いたい。チェルシー。

「パパ、どうしたの?泣いてるの?」
「いや、スリスタがいてくれてよかったと思って。ずっと一緒にいてほしい」
スリスタは結婚とかどうするのしら?と思ったが、なんだかアランが普通じゃないので、手を出して両手で両手を包んだ。
「パパ、スリスタはここにいるわ。パパとずっと一緒よ」
「スリスタ」
やっぱりアランは泣いていた。スリスタはちょっと困りながらも、優しく手を握ったままでいた。
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