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第三話
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言葉の意味ぴったりのが見つけられず、ちょっとずれてるかもしれません。
まあなんちゃってな話として、雰囲気でお願いします。
「ノエル様。昨日はありがとうございましたぁ。ミーナとっても助かったから、お礼がしたいのですぅ」
ノエルは無機質な目を向けてくる。ミーナを見ているのかわからない。ミーナは気にせず、続ける。
「ミーナ、刺繍が得意なんですぅ」
ノエルのイニシャルと公爵家の紋様を刺繍した上品なハンカチを差し出す。
「気にしなくていい。誰でも同じことだ」
ミーナはニコニコした笑顔を崩さないまま、この男に心はあるのかしら?と疑問に思った。
「では、用がそれだけなら、俺は先に行く」
ミーナの手元に残った刺繍入りハンカチ。
「ハンナに謝らなくっちゃぁ」
刺繍が苦手なミーナはハンナに作ってもらったのだ。申し訳ないことをした。
ノエル攻略の鍵は、ノエルが好きな剣の世界に入り込むしかないか、とミーナは思った。後々、面倒な気がするから、やりたくない戦法なのだが。刺繍が苦手なミーナは地理と歴史と経済が得意だ。それを剣の世界で活かすには、軍略の話になるだろう。
「まあ、それも得意なんですけどぉ」
得意だから、ノエルは興味を持つだろう。
とりあえず無関心よりマシか、とミーナは方針を変えることにした。男子生徒が集まって熱く語るカフェに放課後乗り込むことにした。まずは、学園の授業優先だ。
「だからさあ、ここには補給部隊が必要なんだよ。それに気づかないから、負けたんだ」
なかなかノエルが見当たらないが、暑苦しく語る貴族令息たちがたくさんいる。ミーナはたいして興味がないが、ノエルには興味がある。しばらく様子を見ていると、たまに睨むような視線が飛んでくる。知らんぷりしていると、ノエルが扉を開けた。
「ノエル!こっちだ」
ノエルと仲の良い学友侯爵家のトリトが声をかける。軽く手を上げたノエルは、ミーナに気づいて片眉を動かした。ほとんど表情を変えないノエルにしては、珍しい。
「なんでここにいる」
「ミーナ、軍略をお勉強したいのですぅ」
「無駄だ」
ノエルは、友達の方へ移動する。ミーナはノエルの後ろを歩き、ついて行く。
「無駄ですかぁ、ミーナ、ハレシノ川の戦いは事前に察知できた雨季の情報をうまく使えず無駄にしたせいで負けたと思いますぅ」
「なんだって?」
ノエルが振り返った。
「ハレシノ川は、氾濫と静謐を繰り返す川ですぅ」
まあなんちゃってな話として、雰囲気でお願いします。
「ノエル様。昨日はありがとうございましたぁ。ミーナとっても助かったから、お礼がしたいのですぅ」
ノエルは無機質な目を向けてくる。ミーナを見ているのかわからない。ミーナは気にせず、続ける。
「ミーナ、刺繍が得意なんですぅ」
ノエルのイニシャルと公爵家の紋様を刺繍した上品なハンカチを差し出す。
「気にしなくていい。誰でも同じことだ」
ミーナはニコニコした笑顔を崩さないまま、この男に心はあるのかしら?と疑問に思った。
「では、用がそれだけなら、俺は先に行く」
ミーナの手元に残った刺繍入りハンカチ。
「ハンナに謝らなくっちゃぁ」
刺繍が苦手なミーナはハンナに作ってもらったのだ。申し訳ないことをした。
ノエル攻略の鍵は、ノエルが好きな剣の世界に入り込むしかないか、とミーナは思った。後々、面倒な気がするから、やりたくない戦法なのだが。刺繍が苦手なミーナは地理と歴史と経済が得意だ。それを剣の世界で活かすには、軍略の話になるだろう。
「まあ、それも得意なんですけどぉ」
得意だから、ノエルは興味を持つだろう。
とりあえず無関心よりマシか、とミーナは方針を変えることにした。男子生徒が集まって熱く語るカフェに放課後乗り込むことにした。まずは、学園の授業優先だ。
「だからさあ、ここには補給部隊が必要なんだよ。それに気づかないから、負けたんだ」
なかなかノエルが見当たらないが、暑苦しく語る貴族令息たちがたくさんいる。ミーナはたいして興味がないが、ノエルには興味がある。しばらく様子を見ていると、たまに睨むような視線が飛んでくる。知らんぷりしていると、ノエルが扉を開けた。
「ノエル!こっちだ」
ノエルと仲の良い学友侯爵家のトリトが声をかける。軽く手を上げたノエルは、ミーナに気づいて片眉を動かした。ほとんど表情を変えないノエルにしては、珍しい。
「なんでここにいる」
「ミーナ、軍略をお勉強したいのですぅ」
「無駄だ」
ノエルは、友達の方へ移動する。ミーナはノエルの後ろを歩き、ついて行く。
「無駄ですかぁ、ミーナ、ハレシノ川の戦いは事前に察知できた雨季の情報をうまく使えず無駄にしたせいで負けたと思いますぅ」
「なんだって?」
ノエルが振り返った。
「ハレシノ川は、氾濫と静謐を繰り返す川ですぅ」
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