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第三話
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「これは素晴らしい。治癒の力と言葉の力持ちだ」
国王陛下は快活に笑う。
「どちらも希少で、王家にほしい」
マリナー伯爵は困惑した。獣人で希少な魔法持ちなんて聞いたことがない。
国王陛下には、事情を話してあきらめてもらうしかないだろう。
ちなみに言葉の力とは、言葉に覇気を纏わせると攻撃魔法にもなるし、あらゆる国の言葉を理解できるという便利さもあり、王家にふさわしい力だった。
「ふむ。シュゼット嬢は第二王子と第三王子のどちらがよいか?」
今代の国王には3人の王子がいる。第一王子は、立太子して世継ぎに決まって婚約者もいるため、第二王子と第三王子の名前が出たのだろう。
国王は希少な魔力を身内に入れたいのだ。
シュゼットと伯爵は困惑した。
国王は本気だったらしく、王子達との茶会が決められた。
シュゼットは理解できなかったが、これも国のためらしい。
結婚しなくても、協力するのに、とも思った。
第二王子との茶会の日は、どんよりとした曇りだった。
華やかなガゼボ、シュゼットが初めて見るような美しいお菓子、そこはまるで小さな楽園のようだった。気持ちははしゃいでいたが、シュゼットは淑女の挨拶を欠かさない。
「王国の知の極み、第二王子殿下にシュゼット・マリナーがご挨拶いたします」
途中で、第二王子は
「いいよ。ご挨拶は。それより、シュゼットって呼んでもいいかい?」
「もちろんです、殿下」
「殿下じゃなくていい。マークだ」
「マーク様」
「うん」
それから2人は主に王国の特産品について話し合った。第二王子は知識を愛する。これは有名なことだった。
シュゼットは特産品の知識を豊富に持っていた。それは父が目指す教育に必要だったからでもあり、個人的な興味でさらに学んでいたからでもあった。第二王子と話すために身につけたわけではないのだが、たまたま話が合ってしまった。
第二王子はうれしそうに各地の名物について語る。その目は輝いていた。
シュゼットは、王子の輝きにときめいた。
国王陛下は快活に笑う。
「どちらも希少で、王家にほしい」
マリナー伯爵は困惑した。獣人で希少な魔法持ちなんて聞いたことがない。
国王陛下には、事情を話してあきらめてもらうしかないだろう。
ちなみに言葉の力とは、言葉に覇気を纏わせると攻撃魔法にもなるし、あらゆる国の言葉を理解できるという便利さもあり、王家にふさわしい力だった。
「ふむ。シュゼット嬢は第二王子と第三王子のどちらがよいか?」
今代の国王には3人の王子がいる。第一王子は、立太子して世継ぎに決まって婚約者もいるため、第二王子と第三王子の名前が出たのだろう。
国王は希少な魔力を身内に入れたいのだ。
シュゼットと伯爵は困惑した。
国王は本気だったらしく、王子達との茶会が決められた。
シュゼットは理解できなかったが、これも国のためらしい。
結婚しなくても、協力するのに、とも思った。
第二王子との茶会の日は、どんよりとした曇りだった。
華やかなガゼボ、シュゼットが初めて見るような美しいお菓子、そこはまるで小さな楽園のようだった。気持ちははしゃいでいたが、シュゼットは淑女の挨拶を欠かさない。
「王国の知の極み、第二王子殿下にシュゼット・マリナーがご挨拶いたします」
途中で、第二王子は
「いいよ。ご挨拶は。それより、シュゼットって呼んでもいいかい?」
「もちろんです、殿下」
「殿下じゃなくていい。マークだ」
「マーク様」
「うん」
それから2人は主に王国の特産品について話し合った。第二王子は知識を愛する。これは有名なことだった。
シュゼットは特産品の知識を豊富に持っていた。それは父が目指す教育に必要だったからでもあり、個人的な興味でさらに学んでいたからでもあった。第二王子と話すために身につけたわけではないのだが、たまたま話が合ってしまった。
第二王子はうれしそうに各地の名物について語る。その目は輝いていた。
シュゼットは、王子の輝きにときめいた。
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