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2.初対面の印象は最悪
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王太子の婚約者が決まらないって、そろそろみなさま耐えられなくなってしまわれたの。誰でもいいとは言わないが、王太子が好きな令嬢はいないのか?と大騒ぎですわ。王太子は昔からずっと子爵令嬢アリアナ様に夢中ですわ。身分が枷になってうまくいかないのですけど。王太子の婚約者は伯爵以上が最低ラインですわ。でも、一ついい手段がありますのよ。
「さっさと養女にしてもらえばいいのに」
お兄様がさらりと口にします。
「お兄様、不敬でしてよ」
私も王太子の婚約者候補として何度か名前が上がってますの。でも、王太子の意向と私の評判の悪さが相俟って、宙ぶらりんのままですのよ。
「これじゃあ、アリーが婚約者を探せないじゃないか」
お兄様、満面の笑みと言葉が合ってませんわ。
「アリー、決まってしまった。明日のお茶会に出席するように」
「まぁ、急ですのね」
王妃のお茶会。王太子妃を探すためのお茶会ですわ。
「さすがに今のままだと困る、と王妃様の厳命でな。アリーは評判が悪いのでと遠回しには言ってみたのだがね」
せっかく評判悪くしてみたのに、うまくいかないものですわね。私の悪い噂?あぁ、もちろんわざと流してますのよ。実際は聡明で淑やかだなんて伝わったら、即婚約者ですもの。家族会議で決まったのです。でも、足りなかったみたいですわね。仕方ありません。
「うわ」
王太子殿下にカーテシーをして、丁寧に挨拶したのに、第一声がそれですか。印象最悪ですわ。
「サイド公爵令嬢はなぜ、そのようなドレスにしたのだ?」
「次はこういうドレスが流行りますの」
いえ、私が流行らせるのですけど。ドレスを着た令嬢の足は通常なら、見えない。ドレスの丈をほんの少し短くしただけで、この反応でしてよ。
「いや、足が見えすぎじゃないか?」
「動きやすさも考えたのですわ」
「私は貞淑な令嬢が好みだ」
「私は、ガタガタ言わない、心の広い方が好みです」
睨み合いに近い数分が過ぎて、王妃陛下が近づいてきましたわ。
「ふたりとも話が盛り上がったのね。素晴らしいわ。椅子に座ったらどう?」
王妃陛下は、どうやら、王太子妃は公爵の正当な血筋の私を婚約者にしたいらしいのです。きっと子爵令嬢は、いずれ側妃にすればいいと思ってらっしゃる。でも、愛されないお飾り王太子妃なんて、嫌ですわ。ベタ甘の家族に慣れている私には無理なお役目でしてよ。
「さっさと養女にしてもらえばいいのに」
お兄様がさらりと口にします。
「お兄様、不敬でしてよ」
私も王太子の婚約者候補として何度か名前が上がってますの。でも、王太子の意向と私の評判の悪さが相俟って、宙ぶらりんのままですのよ。
「これじゃあ、アリーが婚約者を探せないじゃないか」
お兄様、満面の笑みと言葉が合ってませんわ。
「アリー、決まってしまった。明日のお茶会に出席するように」
「まぁ、急ですのね」
王妃のお茶会。王太子妃を探すためのお茶会ですわ。
「さすがに今のままだと困る、と王妃様の厳命でな。アリーは評判が悪いのでと遠回しには言ってみたのだがね」
せっかく評判悪くしてみたのに、うまくいかないものですわね。私の悪い噂?あぁ、もちろんわざと流してますのよ。実際は聡明で淑やかだなんて伝わったら、即婚約者ですもの。家族会議で決まったのです。でも、足りなかったみたいですわね。仕方ありません。
「うわ」
王太子殿下にカーテシーをして、丁寧に挨拶したのに、第一声がそれですか。印象最悪ですわ。
「サイド公爵令嬢はなぜ、そのようなドレスにしたのだ?」
「次はこういうドレスが流行りますの」
いえ、私が流行らせるのですけど。ドレスを着た令嬢の足は通常なら、見えない。ドレスの丈をほんの少し短くしただけで、この反応でしてよ。
「いや、足が見えすぎじゃないか?」
「動きやすさも考えたのですわ」
「私は貞淑な令嬢が好みだ」
「私は、ガタガタ言わない、心の広い方が好みです」
睨み合いに近い数分が過ぎて、王妃陛下が近づいてきましたわ。
「ふたりとも話が盛り上がったのね。素晴らしいわ。椅子に座ったらどう?」
王妃陛下は、どうやら、王太子妃は公爵の正当な血筋の私を婚約者にしたいらしいのです。きっと子爵令嬢は、いずれ側妃にすればいいと思ってらっしゃる。でも、愛されないお飾り王太子妃なんて、嫌ですわ。ベタ甘の家族に慣れている私には無理なお役目でしてよ。
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